三國志(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
三國志とは、歴史書『三国志』や歴史長編小説『三国志演義』をベースにした、中国の後漢から三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームである。コーエーテクモゲームスから発売され、これまでシリーズ化されている。ゲームプロデューサーはシブサワ・コウ。プレイヤーは君主となり、内政や軍事で国力を高め、他君主と合戦を行い領地を広げていく。そして、最終的に中国統一を目指すのがゲーム目標となる。
武将
『三國志』シリーズではコマンド指示や部隊編成に必要である作中の登場人物である武将。
後漢末期から三国鼎立以降まで幅広い年代の武将が登場し、能力値などによって個性が表れている。
例えば武力が高い武将は猛将タイプの武将、政治が高い武将は文官タイプの武将といった感じである。
身分は作品によってさまざまであるが、一般的に、君主、太守、軍師、一般武将、在野武将などに分類される。
・君主:都市などの領地の全体統治者。
・太守:君主から都市などを任された者。
・軍師:コマンドを行う際の助言者。
・一般武将:君主や太守、軍師以外の一般の武将。
・在野武将:どの勢力にも仕えていない武将。
なお、武将にはその者の生涯や功績などを記した列伝が多くの作品についている。だいたいは歴史小説『三国志演義』の内容をもとにしているが、中には歴史書『三国志』の内容をもとにしているものもある。
『三国志11』以降の作品では、『三国志演義(演義)』と『三国志(正史)』に分けて記述されている。
武将を増やす方法
コマンド指示や部隊編成などゲームを進める上で人手が必要となるので、武将の数は基本的に多いほうがよい。
ただ武将は俸禄が必要で、金銭収入や兵糧収入から差し引かれる。収入が少ないうちに多く武将を抱えてしまうと、財政状況を圧迫してしまうので注意が必要である。
武将を増やす方法として、一般的に以下のような方法がある。
・登用:自勢力領内にいる在野武将、合戦で捕らえた捕虜武将、他勢力の武将を登用する。在野武将を探索で発見したと同時に登用することもできる。
・成人:ゲームではだいたい15歳頃に成人を迎えて武将として登場する。この時、父親などの血縁関係にある武将の所属都市に登場する。
・寝返:他勢力の武将にあらかじめ寝返りの約束をさせて、合戦中に寝返らせる。
・合戦:合戦で敵武将を捕らえて、戦後に登用する。捕虜にして後で登用することもできる。
・抜擢:『三國志IX』でのシステム。敵部隊を壊滅させた後、その部隊の所属武将から「武将として見応えのある兵士がいる」という報告を受ける。
その後、師範役の武将をつけて兵士を数ヶ月間特訓させる。特訓が終わると、兵士は武将として登場する。武将の名前はデフォルトで決まっている。
能力値
武将には個人的な能力を表す能力値が設定されている。能力値は数字で表され、数字が高いと得意、数字が低いと不得意といった特徴がある。
能力値は戦略コマンドの効果や成否、合戦コマンドの部隊攻撃力、一騎討ちの強さなどに影響する。
主な能力値について紹介する。
・政治:政治的な手腕・力量を数字で表したもの。この数値が高いと、内政コマンドの効果が上がり、外交や登用が成功しやすくなる。
・武力:個人的な力の強さを数字で表したもの。この数値が高いと、軍事コマンドの訓練の効果が上がり、一騎討ちに勝ちやすくなる。
・知略:計略の巧みさなどを数字で表したもの。この数値が高いと、戦略や合戦中の計略コマンドが成功しやすくなる。
・統率:部隊指揮の巧みさを数字で表したもの。この数値が高いと、合戦での部隊攻撃力や防御力が上がる。
忠誠度
『三國志』シリーズの多くの作品で、武将の君主に対する忠誠心を数値化した「忠誠度」が設定されている。忠誠度の最高値は100であることが多い。
忠誠度が高いと裏切りにくくなるが、逆に低いとあっさり他勢力に寝返ってしまうこともある。
忠誠度は武将に設定されている相性で決定される場合が多い。
相性は例えば0から100といった数字が当てられた場合に、相性が0の武将は同じ相性0の武将と最も相性が良く、次に相性1と相性100との武将と相性が良い。
つまり円状に数字を配置したときに、数字の間隔が離れていくたびに相性が悪くなっていく。数字が真逆の武将と相性が最も悪い(相性0の武将の場合、相性50や51の武将が最も悪い)。
相性が良いと忠誠度は高めになり、逆に相性が悪いと忠誠度は低くなる傾向にある。
忠誠度は金銭やアイテムなどを与えると上昇し、アイテムなどを没収したり他勢力の計略にかかったりすると低下する。
また作品により、主君との相性差が一定以上の武将の忠誠度が、毎季節ごとに減ってしまうこともある。
なお相性については、在野武将などの登用の成否にも関わっていて、君主との相性が良い武将は登用しやすいが、相性の悪い武将は登用しにくい。
血縁武将
親子関係や兄弟関係などにあたる武将のことを血縁武将という。
成人すると、父親などの所属都市に登場する。
『三國志IX』では敵部隊を攻撃するときに所持する兵法が一定確率で発生することがある。このとき同じ兵法を持つ武将が2人以上いて、かつその兵法が発動した場合、「連鎖」が発生し敵部隊に大ダメージを与えることが可能となる。
武将どうしの相性差が近ければ近いほど発生しやすく、血縁関係にあればさらに確率は上昇する。
君主
君主は領地の全体統治者のことを言い、『三國志』シリーズのほとんどの作品ではプレイヤーとして選ぶことができる。
シナリオではさまざまな君主が登場するが、初期の作品では特定の君主のみしか選択できなかった。
君主は『三國志』シリーズでは各地域に割拠する軍閥勢力という色が強い。作品によっては勢力名を「(君主の名前)軍」と称するものもある。
しかし黄巾の乱のシナリオでの張角のように、中には反乱軍をまとめた勢力もあったり、三国鼎立後シナリオの孟獲のように、古代中国の諸民族勢力も存在したりする。
勢力の識別は初期の作品ではマーク、それから多くの作品では赤や青、緑といった色分けで行われている。
例えば曹操勢力(魏)は「青」、劉備勢力(蜀)は「緑」、孫権勢力(呉)は「赤」といったような感じである。
作品によっては、都市の旗印に治めている勢力の姓が掲げられているものもある。曹操であれば、「曹」の字が旗印として掲げられている。
各君主の勢力範囲は史実に即したものになっている場合が多い。曹操を例に挙げると、初めは中国の中央部にある「陳留」という都市のみを治める弱小勢力だが、漢の皇帝を迎えるなど次第に権勢を強めて、都「洛陽」を含めた司隷・兗州・豫州を治める勢力まで拡大する。
官渡の戦いで袁紹を破った後は華北にも進出し、冀州や并州、幽州、青州、徐州も手中に収め中国大陸の北半分をほとんどを領地とした。
曹操はその後南にある荊州に狙いを定めるが、赤壁の戦いの敗北などで荊州を完全に治めることはできなかった。
曹操が存命のシナリオでは、曹操が病死する220年近辺のシナリオが最も勢力が大きく、数多くの配下武将を抱える。
官爵
「官爵」とはゲームでは君主や配下武将に授けられる宮中(漢王朝)の役職である。
君主が弱小勢力の場合は授けられる官爵の位は低いが、勢力を拡大していくにつれ授けられる官爵の位が高くなる。
一般的に君主に宮中から授けられ、授けられた位に応じた爵位等を配下武将に与えることができる。爵位を与えると政治や知略といった能力値が上昇する。
漢王朝が登場しないシナリオでは、君主が官爵を自称する形をとる。
作品によっては官爵が授けられない勢力(張角など)もある。
主な君主の官爵を紹介する。下に行くほど高位である。
・州刺史(州牧):古代中国の地方長官。
・中郎将:宮中の守衛を任され、武官として司令官の役割をした。
・大将軍:反乱鎮圧といった、非常事態における軍の最高指揮官。
・大司馬:軍事を取りまとめる最高職。
・公:周の時代に設けられた君主に与えられた5つの称号のうち最上位の称号。
・王:皇帝の一つ下にあたる君主の称号。
・皇帝:秦の始皇帝(贏政)が統一を果たしたときに定めた支配者の称号。
このうち皇帝に即位する際には君主の官爵が「王」、そして自勢力がゲーム内に登場する都市のうち半数以上を治めるなど大勢力になっていなければならない。
漢王朝が存在する場合は漢朝皇帝から禅譲、漢王朝が存在しない場合は皇帝を自称という形になる。
皇帝に即位すると、国の名前を新たに決定する。
領地単位
君主はほとんどの作品で「洛陽」や「長安」といった都市を支配する統治者として登場する。
作品によっては、港などの施設を統治している場合もある。
ほとんどの作品で、戦略コマンドは都市単位で指示を出し、また合戦も攻城戦は都市単位で行われる。
都市はだいたいの作品で古代中国の行政区分「州」に属している。例えば、ゲームにおける曹操の初期の根拠地「陳留」は兗州という州に属している。
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目次 - Contents
- 『三國志』の概要
- 『三國志』のゲームシステム
- 戦略コマンド
- 内政
- 軍事
- 人材
- 外交
- 計略
- 合戦
- 出陣
- 主な部隊の種類
- 交戦
- 合戦の種類
- 一騎討ち
- 計略
- 勝敗の決し方
- 戦後処遇
- 武将
- 武将を増やす方法
- 能力値
- 忠誠度
- 血縁武将
- 君主
- 官爵
- 領地単位
- 『三國志』のあらすじ・ストーリー
- 『三國志』のアイテム
- 武器
- 青龍偃月刀
- 蛇矛
- 方天画戟
- 雌雄一対の剣
- 李広の弓
- 名馬
- 赤兎馬
- 的盧
- 絶影
- 爪黄飛電
- 四輪車
- 書物
- 孫子の兵法書
- 孟徳新書
- 論語
- 史記
- 太平要術の書
- 宝物
- 銅雀
- 九錫
- 和氏の璧
- 羽扇
- 玉璽
- 『三國志』のイベント
- 通常イベント
- いなご
- 台風
- 豊作・凶作
- 歴史イベント
- 美女連環の計
- 官渡の戦い
- 三顧の礼
- 『三國志』のパワーアップキット
- 『三國志』の用語
- 三国志
- 三国志演義
- 州
- 空白地
- 異民族
- 後漢皇帝
- 『三國志』シリーズに登場する代表的な武将
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- 曹操
- 曹丕
- 夏侯惇
- 夏侯淵
- 郭嘉
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- ニンテンドー3DS版
- 『三國志』
- 『三國志2』
- iPhone/iPod touch・iPad版
- 『三國志 TOUCH』
- 『三國志』の主なスタッフ
- シブサワ・コウ
- 菅野よう子
- 長生淳
- 栗山和樹
- 大塚正子
- 生瀬範義
- 長野剛
- 永井一正
- 徐伯清
- 『三國志』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『三國志』が誕生するまで
- パワーアップキット版と「三國志III事件」
- 語呂合わせの能力値
- 一騎討ちに見られる小ネタ
- 『三國志』のタイトル題字
- 卑弥呼が三國志に登場