三國志(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

三國志とは、歴史書『三国志』や歴史長編小説『三国志演義』をベースにした、中国の後漢から三国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームである。コーエーテクモゲームスから発売され、これまでシリーズ化されている。ゲームプロデューサーはシブサワ・コウ。プレイヤーは君主となり、内政や軍事で国力を高め、他君主と合戦を行い領地を広げていく。そして、最終的に中国統一を目指すのがゲーム目標となる。

三顧の礼

『三國志13』での三顧の礼イベントムービー。

劉備が諸葛亮を迎えようと三度彼の元を訪ねたというイベント。故事成語「三顧の礼」の由来となった。

だいたい207年以降に劉備が君主で荊州の都市「新野」を治め、関羽と張飛が劉備の配下武将であることが条件であることが多い。
イベントが発生すると諸葛亮が劉備の配下武将となる。

『三國志』のパワーアップキット

『三國志Vwithパワーアップキット』のソフトパッケージ。
「withパワーアップキット」となっているものは、通常版に既にパワーアップキット版の要素が追加されているということである。

『三國志』シリーズでは通常版の他にパワーアップキット版というバージョンが通常版の1年後あたりに発売される。
パワーアップキット版では新規シナリオの追加、武将や都市などのデータ編集機能、短時間で遊べるショートプレイモードなど、さまざざな要素が追加されている。
作品によってはゲームシステムに新たな要素が追加されているものもある。

『三國志』の用語

三国志

『三國志』シリーズのもとになった書物。三国時代後の晋の時代に陳寿(ちんじゅ)という人物が編纂した歴史書で、中国の歴史を著した二十四史の一つ。
混乱を避けるため『三国志演義』の「演義」に対して、『三国志』は「正史」と呼ばれることが多い。

三国時代の歴史を記載した歴史書で、魏志30巻・蜀志15巻・呉志20巻の計65巻からなる。
歴史書は紀伝体で記されていて、このうち魏志には本紀という皇帝や王といった支配者の生涯が記述されている。このため魏を正統とみているようである。
『三國志』は陳寿が自らまとめようと思ったもので、もともと公的な歴史書として作られたものではなかった。彼の死後、唐の時代に正式な歴史書となったのである。
編纂にあたりさまざまな資料を参照して、簡潔に内容をまとめている。内容については後に南宋の裴松之(はいしょうし)という人物が説明を付け加えている。
二十四史の中でも評価が高い歴史書である。

三国志演義

『三國志』シリーズのもとになった書物。明の時代に羅貫中(らかんちゅう)という人物が書いたとされる小説で、四大奇書の一つという。

後漢末期から晋の天下統一までを描いた歴史長編小説であり、非常に人気の高い小説である。
陳寿の編纂した歴史書『三国志』を題材にしているが、フィクションの要素も含まれている。
作品は劉備を中心人物として関羽など家臣が登場し、善人として描かれている。一方『三国志』では正統と見なされている魏の礎を築いた曹操は悪者に描かれている。
『三国志演義』は中国語だけではなく、日本語やフランス語、ロシア語などさまざまな言語で翻訳され、今日に至る。
日本には江戸時代初期に伝わったとされ、演劇の題材などになった。現在では、マンガや小説、人形劇、映画、ゲームなどまでに及び非常に幅広い分野に浸透している。

『三國志』シリーズに登場する古代中国の行政区分で、ゲームでは都市などが属する。
だいたいの作品で、「幽州」、「青州」、「冀州」、「并州」、「兗州」、「豫州」、「徐州」、「司隷」、「涼州」、「荊州」、「揚州」、「益州」、「交州」の13州に分かれる。
作品によっては1つの州の都市を全て支配すると、州牧などの官爵が授けられる。

各州の場所を表した地図である。

空白地

『三國志』シリーズでは、どの君主にも支配されていない都市のこと。
戦略画面の都市アイコンなどには支配勢力の旗印が掲げられておらず、勢力地図でも白色で表示される。
武将を移動させたり、部隊を出して占拠すると、君主勢力の支配都市になる。
作品によっては、死亡や移動などで都市に武将が1人もいなくなると、その都市が空白地になってしまうものもある。

黄巾の乱のシナリオのように、君主の支配都市より空白地のほうが多い作品もある。
その後のシナリオでも荊州南部や益州南部などで空白地が存在するが、だんだんと空白地は減っていく。

空白地では在野武将が都市を乗っ取って新君主として勢力を立ち上げる場合がある。
またオリジナルの武将を君主として選択する場合、空白地から本拠地を選んでゲームを開始する。

『三國志13』の184年「黄巾の乱」シナリオの勢力図。荊州南部を中心に空白地(白の正方形マス)が多い。

異民族

南蛮王・孟獲の妻である祝融。『三国志演義』のみに登場する人物で、伝説の火神「祝融」の末裔という。

古代中国に存在した諸民族のこと。ゲームでは「異民族」と称されることが多い。
『三國志IV』で初めて登場し、作品によって君主として選択できるものと選択できないものがある。
君主として登場しない作品では、イベントとして異民族勢力が他勢力の要請に応じて襲撃してくることがある。プレイヤー勢力も同様のことが可能。
襲撃してきた異民族は兵を出して撃退することができ、その場合は被害を受けない。しかし兵を出さなかった場合には、内政値などが減少してしまう。
作品によっては異民族の攻撃により都市を落とされる場合があり、その都市は空白地になる。

『三國志』シリーズに登場する主な異民族

・烏丸(うがん):中国北方の民族。
・羌(きょう):中国西方の民族。
・山越(さんえつ):中国南東部の民族。
・南蛮(なんばん):中国南西部の民族。ただし、南蛮という名前の民族が実際いたわけではない。『三国志演義』などでは中国雲南省などで暮らす少数民族の「彝(い)族」のことを指していた。

異民族が君主として登場するシナリオとしては、諸葛亮が南蛮征伐を行った頃のシナリオなどがある。登場する君主は南蛮王の「孟獲」。

後漢皇帝

漢王朝(後漢)の皇帝。ゲームにはイベントなどにのみ登場し、君主として選択できない。
作品によっては後漢皇帝がいる都市を支配下に治めることで、皇帝を擁立することができる。
皇帝を擁立すると、配下武将の忠誠度が上昇する。逆に廃立すると、忠誠度が減少する。治めた勢力によって強制的に廃立されてしまう場合もある。
後漢皇帝が存在する場合、新皇帝即位は後漢皇帝からの禅譲という形になる。

ゲームに登場する後漢皇帝の一覧である。

・霊帝(156~189)、在位期間(168~189):後漢の第12代皇帝で、名は劉宏。霊帝の時代は異民族襲来や地方反乱が繰り返し発生していた。しかし政治に関心を持たず、実権を宦官に奪われる形となり、漢王朝の衰退を進ませてしまった。
・少帝(173または176~190)、在位期間(189年5月~9月):後漢の第13代皇帝で、名は劉弁。霊帝の長子で、崩御後に即位する。しかし、その後入京した董卓に廃位され、その後董卓配下の武将に毒殺される。
・献帝(181~234)、在位期間(189~220):後漢の第14代皇帝で、後漢最後の皇帝。名は劉協。霊帝の次子で、廃位された兄少帝に代わり即位したが、政治の実権を董卓・曹操などに奪われる。最終的に曹操の曹丕に皇位を譲る結果となり、後漢は滅亡した。魏の時代になってから山陽公という称号を与えられた。

ゲームでは後漢皇帝として霊帝が184年の黄巾の乱シナリオに登場するのみで、後は漢王朝が滅亡する220年のシナリオまで献帝がほとんどである。

『三國志』シリーズに登場する代表的な武将

『三國志』シリーズには能力値の高低などさまざまな特徴を持った数多くの武将が登場し、最新作の『三國志13』の登場武将は700人を超える。
登場武将の中には『三国志演義』のみにしか登場しない架空の武将もおり、一方で『三国志』のみしか記述がない武将もいる。
代表的な武将を紹介する。

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