ゾンビ(Dawn of the Dead)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゾンビ』とは、1978年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。日本では1979年に公開された。北米では 「Dawn of the Dead」それ以外の国では「ゾンビ」(Zombie)が題名である。
ゾンビが大発生して社会秩序が崩壊しだした世界で、主人公4人が生き延びるべくショッピングモールに籠城するが、やがてそのモールも人間の略奪者から襲われてしまう。

『ゾンビ』の用語

SWAT部隊

現代のSWAT部隊

アメリカ合衆国の警察組織の一つ。当初は軍務経験者によって構成されていた。通常の警察官では対応困難な重大犯罪への対処を任務としている。

モール

ロケ地となったモンローヴィルは現在でもファンによる訪問が後を絶たない。

ショッピングモールの略称。ショッピングモールとは郊外にある大型の複合商業施設で、販売店やサービス業店が複数入居している。郊外にある為、大規模な駐車場がある点が特徴。本作品でロケ地として利用されたショッピングモールは、ペンシルバニア州ピッツバーグにあるモンロービルである。映画では屋上からの出入りはヘリコプターのみであったが、実際は地上階へ通じるスロープがある。モンロービルでのロケの許可が決定したため本作品の制作は本格的に始動した。

死者への敬意

アパートに籠城したプエルトリコ系住民はゾンビを「魂が天国へ行けない不幸な死者」と見做し成仏するまでは生者が丁寧に弔わなければいけない、と死者へ敬意を払った。
そして警察のゾンビ引き渡し要請をかたくなに拒否した。

暴走族

オートバイを乗りまわし交通ルールを無視して公道を走る集団。本作品では銃器を所持しておりピーターは「軍隊崩れの連中だ。」と指摘している。ゾンビにより社会秩序が崩壊したことを利用して略奪を繰り返し各地を放浪している。本作品の略奪場面で「オートバイ=社会悪」というイメージづけに一役買ってしまった。

『ゾンビ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ヘッドショット

映画公開当時多くの観客の度肝を抜いた。

SWAT部隊がアパートに突入する場面でSWAT部隊がゾンビの頭部をショットガンで粉砕、爆発させる。ホラー映画のクライマックスに使われるようなグロテスクな場面が惜しげもなく冒頭で表現され、観客を驚かせた。因みにダミーヘッドが爆発する場面は、後述するフランのダミーヘッドを本物のショットガンで破壊して撮影した。

ヘリコプターゾンビ

実際はヘリコプターから十分離れて撮影した

4人が逃避行の最中、ヘリコプターを給油するため一時着陸する。ヘリコプターのローターが回っている最中、ゾンビがヘリコプターそばにある木箱を乗り越えて給油しているロジャーに近づこうとする。
「ロジャー危ない!」とピーターが叫ぶが、ゾンビは木箱の上に立ち上がり、ヘリコプターのローターに届いてしまった為、頭の上部が切断されて倒れてしまう。グロテスクだがユーモラスな名場面である。実際の撮影はヘリコプターのローターから離れた安全な場所にゾンビ役者を立たせ、ピアノ線で頭の上半分を引っ張って切断されたかのように表現した。

「地獄が満員になったので現世を彷徨うのさ。」

安全な居住地を確保したものの達成感はなかった。

モールの要塞化に成功した4人がつかの間の休息を得る場面でピーターが言うセリフである。モールの外側で彷徨う大量のゾンビを見て、スティーブンが「あいつらは何の意味があってうろついているんだろう。」と呟くと、ピーターはこのセリフで返した。物資に溢れた安全なモールにいるものの世界の終末を不安に予感させる名言である。

「なるべく蘇らないように頑張るよ。」

体力が衰えるロジャー

ゾンビに噛まれて急激に衰えるロジャーがピーターに言うセリフ。
ロジャーは間もなく自分は死に、ゾンビになることは覚悟している。ゾンビになることは「魂の救済」というキリスト教の教義に反することであり、ロジャーは死よりもゾンビになることを恐れていること、信仰心があることが分かる名シーンである。

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