ゾンビ(Dawn of the Dead)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゾンビ』とは、1978年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。日本では1979年に公開された。北米では 「Dawn of the Dead」それ以外の国では「ゾンビ」(Zombie)が題名である。
ゾンビが大発生して社会秩序が崩壊しだした世界で、主人公4人が生き延びるべくショッピングモールに籠城するが、やがてそのモールも人間の略奪者から襲われてしまう。
ショッピングモールを彷徨うゾンビ
ゾンビは生前の僅かな生活習慣が記憶されており、生前も行っていたようにショッピングモールに集まって意味もなく彷徨っている。
テレビのコマーシャルに踊らされて何を買うでもなくショッピングモールを歩いている現実の人間は、映画のゾンビと変わりがない、と皮肉に描いた名シーンである。
エレベーターゾンビ
モール内で暴走族とゾンビとの乱戦の中スティーブは重傷を負った。エレベーターの天井から脱出を試みるがエレベーターのドアが開き、ゾンビがなだれ込んできた。このゾンビが突入するシーンは日本劇場公開時のチラシポスターに使われ、漫画家の相原コージや、すぎむらしんいちがオマージュとして使用している。
『ゾンビ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
監督のロメロがカメオ出演している
前作ナイト・オブ・ザ・リビングデッドと同様ロメロ監督がテレビ局技術者として出演している。
次回作「死霊のえじき」の出演者が僅かに出演している
スティーブとピーター達が合流する場面にチョイ役で出演しているジョセフ・ピラトーはロメロ監督の次回作ゾンビ映画「死霊のえじき」で主役級のローズ大尉を演じる。
誰もいないはずの駐車場にトラックが走っている
ピーター達がモールを塞ぐ作戦でトラックに乗り込む際、回りには人間がいないはずなのに画面隅に動いているトラックが映っている。本作品はモールがオープンする前の早朝にロケをしたが業者のトラックが走っているのに気づかなかった。
多数の編集バージョンが存在する
米国劇場公開版
米国で劇場公開されたバージョン。本編127分。
ダリオ・アルジェント版
製作者のダリオ・アルジェントが自身のプロデュースするロックバンド・ゴブリンの音楽を多用しておりアクション色が強い作品となっている。アジアやヨーロッパなどで世界で多く公開されたバージョン。本編119分。
日本劇場公開版
日本ヘラルド映画により配給された。ダリオ・アルジェント版に一部シーンのカット、残酷シーンの修正、エンドクレジットの削除を施している。冒頭にSF映画「メテオ」の隕石爆発シーンを加え、隕石の爆発が原因でゾンビが発生した、と独自の注釈を入れている。本編115分。
ディレクターズ・カット版
ロメロがカンヌ国際映画祭出品のために作ったバージョン。本編139分。
カットされたショッピングセンター内シーンや人間ドラマ部分を見ることが出来る。このバージョンからロメロ監督が意図したものは単なるホラー映画ではなくドキュメンタリータッチによる社会派ドラマであることがファンから再認識された。
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目次 - Contents
- 『ゾンビ』の概要
- 『ゾンビ』のあらすじ・ストーリー
- 崩壊する社会
- 脱出
- 束の間の休息
- 仲間の犠牲
- 襲撃者
- 再び脱出の旅へ
- 『ゾンビ』の登場人物・キャラクター
- ピーター・ワシントン(演:ケン・フォリー)
- ロジャー・デマルコ(演:スコット・H・ライニガー)
- スティーブン・アンドリュース(演:デビッド・エンゲ)
- フランシーン・パーカー(演:ゲイラン・ロス)
- フォスター博士(演:デヴィッド・クロフォード)
- バーマン(演:デヴィット・アーリー)
- ラウシュ博士(演:リチャード・フランセ)
- テレビキャスター(演:ハワード・スミス)
- ギブンズ(演:ダニエル・ディートリヒ)
- SWAT指揮官(演:フレッド・ベイカー)
- ウーリー(演:ジョン・パシィシコ)
- ロッド(演:ロッド・スタウファー)
- マルティネス(演:ジョー・セルビー)
- 神父(演:ホセ・デル・グレ)
- 暴走族ブレイズ(演:トム・サヴィーニ)
- 暴走族ルディ(演:ルディ・リッチ)
- 暴走族ラリー(演:ラリー・ヴァイラ)
- テレビディレクター(演:ジョージ・A・ロメロ)
- テレビプロデューサー(演:クリスティーン・フォレスト)
- 『ゾンビ』の用語
- SWAT部隊
- モール
- 死者への敬意
- 暴走族
- 『ゾンビ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ヘッドショット
- ヘリコプターゾンビ
- 「地獄が満員になったので現世を彷徨うのさ。」
- 「なるべく蘇らないように頑張るよ。」
- ショッピングモールを彷徨うゾンビ
- エレベーターゾンビ
- 『ゾンビ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 監督のロメロがカメオ出演している
- 次回作「死霊のえじき」の出演者が僅かに出演している
- 誰もいないはずの駐車場にトラックが走っている
- 多数の編集バージョンが存在する
- 米国劇場公開版
- ダリオ・アルジェント版
- 日本劇場公開版
- ディレクターズ・カット版
- ラフカット版
- ドイツ・ファイナルカット版
- テレビ東京放送版 1980年10月16日放映バージョン
- テレビ東京放送版 1982年7月1日放映バージョン
- 没になったエンディングがある
- 『ゾンビ』の主題歌・挿入歌