零~刺青の聲~(Fatal Frame III)のネタバレ解説・考察まとめ

『零~刺青の聲~』とは、「零」シリーズの第3作目で、2005年にテクモよりプレイステーション2用ソフトとして発売された和風ホラーゲームである。
徐々に眠りから覚めなくなっていくという呪いを解く為に、除霊能力を持つカメラ「射影機」を使って、夢の中の幽霊屋敷と現実世界を行き来しながら謎を解いていくという内容になっている。
シリーズ1作目、2作目の主人公達も登場し、彼女達のその後の様子が知れるところも見どころだ。

最後の刺青の巫女。
刺青の巫女に抜擢され、自身の体に刺青の刻むことで他者の死者への想いを引き受けることにする。儀式にあたって現世への想いを持ち続けることが許されない為、想い人だった乙月要への想いを心にしまい込んだ。
しかし、巫女の四肢に杭を穿つ「戒ノ儀」を行った後に、乙月要と再会を果たし喜んでいた中、目の前で久世家当主に要を殺されてしまい、黄泉の世界と現世の「狭間」を広げる「破戒」を起こしてしまう。さらに、杭で四肢を穿たれていた零華は、目の前で倒れてしまった要を永遠に見続けることになり、同じ苦しみを他者にも味わわせようと、刺青が体に刻まれて行き最後には煤になって失踪してしまうという刺青の呪いを掛けて回る怨霊になってしまった。

久世鏡華(くぜ きょうか)

乙月要や、雨音の母である。
民俗学者として久世家に訪れていた柏木秋人と愛し合うものの、久世家の儀式の一環で柏木は殺されてしまう。しかし、その事実を知らない鏡華はいつまでも、いつか柏木が戻って来ると待ち続けていた。そして、彼との間に息子を授かっていたことが分かると、久世家では四歳になると男子が殺されてしまうという風習から息子を救う為に、彼に要と名付けて外の村へと脱出させる。
後に生まれた娘の雨音に要の事を話していた為に、雨音は巫女としてやってきた零華の想い人が自身の兄だと気が付き、破戒のきっかけとなる要の侵入を手助けしてしまう。

柏木秋人(かしわぎ あきと)

「眠り巫女」の伝説を中心に唄の研究をしていた民俗学者。子孫を残す為にだけに迎え入れられる「ニイナエ」として久世の屋敷に滞在を許され、久世鏡華と生活を共にする内に互いを愛し合うようになる。しかし、ニイナエは最後には殺されることになっており、彼は鏡華に知られることなく殺されてしまう。

また彼は久世の屋敷に射影機を持ち込んで来ており、それが現実世界では螢の手によって優雨の元へ送られ、夢の中では彼の手記と共に螢が発見し扱うことになる。
「眠り巫女」の唄は屋敷に掛けられた呪いを取る鍵になっており、彼の研究書は屋敷の謎を解くのに役立った。

乙月要(おとつき かなめ)

鏡華の息子であり、久世家では男子は四歳になると殺されてしまう為に鏡華によって逃がされ、周囲の村で育てられた。後に刺青の巫女になる零華と出会い恋仲になるものの、都会に移り住むことを決めた時に零華に共に行くことを断られ、離れ離れになってしまう。
その後、零華に呼ばれる夢を見るようになり、もう一度零華に会いたいと久世の屋敷へと忍び込む。そして、自身の妹であった雨音の手引きで零華に会う事が出来たものの、久世家の当主によって零華の目の前で殺されてしまい、それによって破戒が起きてしまった。

久世夜舟(くぜ やしゅう)

久世家の当主。
零華の儀式を順調に進めたものの、男性である要が社に侵入して来た事に怒り、彼を零華の目の前で殺害してしまう。この出来事の所為で零華は破戒を引き起こしてしまい、屋敷中に「狭間」が広がってしまった。
瘴気を抑える為に、社を囲う「眠ノ宮」の建立や、宮大工を人柱にするなどあらゆる手を尽くすものの、零華を鎮めることは出来ず破戒の瞬間に浴びた瘴気の影響で最後には立ち上がることも出来なくなり亡くなった。

久世雨音(くぜ あまね)

戒ノ儀にて巫女の四肢に杭を打ち込む「鎮女」の一人。
刺青の巫女である零華のお世話係を言い付かっており、零華の最も近くに居た少女。母の鏡華から自身に兄が居ることを知らされており、零華が語って聞かせた外の話から、その兄こそが零華の想い人だと気が付く。そして、最後に一目見たいという兄に応えて零華の幽閉された男子禁制の社へ要を案内してしまう。
最後には、要を招き入れた罰として雨音は、他の三人の鎮女によって体に杭を穿たれて殺されてしまった。
浮遊霊となった彼女は、深紅に要と零華を助けるように懇願し、深紅を導いて行く。

久世氷雨(くぜ ひさめ)

戒ノ儀にて巫女の四肢に杭を打ち込む「鎮女」の一人。
最年長の少女であり、仕事に対して強い責任感を持っていた。破戒によって広がってしまった狭間を屋敷内にとどめる為の「咎打ち」という儀式の為に、他の鎮女達を打ち付け殺した。

久世時雨(くぜ しぐれ)

鎮女の一人。
自分のしていることに罪悪感を抱いており、雨音を打ち付けて殺してしまったことに対しても自身の日記内で謝罪をしている。破戒後に幽閉されていた零華の世話をし続けたものの、氷雨の手で咎打ちされ殺されてしまった。

久世水面(くぜ みなも)

鎮女の一人。
最年少でその精神年齢も幼く、巫女の体に杭を打ち付けることを楽しみに感じている様子であった。氷雨に咎打ちをされて殺されてしまった。

鳴海天涯(なるみ てんがい)

宮大工の棟梁で、宮の保全や増築などを行って来た守谷家の主。
狭間が広がってしまう「破戒」を防ぐ為の「狭間ノ宮」と「眠ノ宮」の建立や、大工達を皆殺しにして忌ノ柱という人柱を用意した。宮大工の棟梁は、その技術を次代に伝える為に生き残るのが通例となっていたものの、破戒の影響が強すぎた為に自身も自害してしまった。

葛原蒔枝、梢(くずはら まきえ、こずえ)

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