MONSTER(モンスター)のネタバレ解説・考察まとめ
『MONSTER』とは、浦沢直樹による漫画およびそれらを原作としたアニメ作品。
舞台は1980年代後半から90年代後半のヨーロッパ。
日本人の天才脳外科医・テンマは強盗事件にまきこまれ重傷を負った少年・ヨハンの命を助ける。しかし、その9年後にヨハンと再会したテンマは、彼が平気で殺人を繰り返す殺人鬼であることを知る。
殺人鬼・ヨハンを生き返らせてしまったことに責任を感じたテンマは、その責任を果たすため、ヨハンを抹殺する旅に出る。
声 - 広中雅志
闇の組織の4人の指導者のうちの1人。
マルティンからは「悪魔の弟子」と呼ばれている。
欧州屈指の財閥であるジーヴァーニッヒ家の御曹司。
511キンダーハイムの出身者で、幼少期にそこでヨハンと出会っている。
ヨハンが511キンダーハイムを壊滅させた時の唯一の生き残りで、ヨハンとともに施設から脱走した。
その後、東ドイツの違法な養子あっせんによりジーヴァーニッヒ家の養子となる。
ヨハンの力を借り、政界進出を目指している。
マルティン・レースト
声 - 池田秀一 / 幼少期 - 福圓美里
「赤ん坊」の部下。
恋人を殺害した罪により、8年間服役していた過去を持つ。しかし、実際は彼は殺害しておらず、彼が自分に失望した姿を見て絶望した恋人が自分を拳銃で撃ち、自殺していた。その後、その場にいた恋人の浮気相手を銃殺している。
彼の母親がアルコール依存症だったことから、アルコール嫌いである。
さらに、恋人の事件の記憶から、女がらみの仕事は避けたいと考えている。
「赤ん坊」によりペトル・チャペックと引き合わせられ、エヴァの身の回りの世話をするよう命じられる。その後、チャペックからエヴァを殺すよう指示される。しかし、寝言でテンマの名前をつぶやくエヴァの姿を見て、彼女を助けることを決心する。命令に背いてエヴァを逃がすが、その後殺害されてしまう。
死の間際に、自分を治療したテンマに「悪魔の弟子」・クリストフ・ジーヴァーニッヒの居場所を伝えていた。
その他の重要人物
フランツ・ボナパルタ / クラウス・ポッペ
声 - 野沢那智
心理学者・脳外科医であり、『なまえのないかいぶつ』などの作品を描いた絵本作家。
ドイツ系チェコスロバキア人で、チェコスロバキア秘密警察の元大尉。
かつて「西ドイツを駆逐する優秀な戦闘員を育成する」ことを目的とした人格改造実験の首謀者的な立場にいた。
「赤いバラの屋敷」で絵本の朗読会を開き、自身の絵本を用いてそこに集まった子供たちの人格改造実験を行っていた。
さらに、この朗読会での人格改造実験のノウハウは、511キンダーハイムの人格改造実験にも活用されている。
彼の実験を受けて育った子供たちは、感情が乏しいなどの人間的な欠陥を抱えるようになり、多くが成人後に自殺している。
西ドイツを駆逐するための、「エリート同士の間に子供を作り、その子供を優秀な戦闘員として育成する」という計画に首謀者として関わる。その実験の結果として、ヨハンとニナの双子が誕生した。
しかし、実験の途中で双子の母親に恋をしてしまう。双子の母親とその子供たちを非人道的な実験に巻き込みたくないと考えたボナパルタは、実験を放棄することに決める。
そして、「赤いバラの屋敷」で行われた実験の成果報告パーティーにて、計画の関係者全員を殺害する。そして、屋敷に連れてこられていたニナを逃がし、実験から解放する。
その後は先祖の故郷である田舎町・ルーエンハイムに帰り、ホテルのオーナーとしてひっそりと暮らしていた。
ヤロミール・リプスキー
声 - 平田広明
フランツ・ボナパルタの息子。
ボナパルタが「赤いバラの屋敷」で開いた「朗読会」に参加していたが、ボナパルタの言わんとしていることをすぐ理解できる「優秀な生徒」ではなかっため、「朗読会」から締め出される。
父母と一緒に暮らしたことはないという。
成人後、人形師として活動していた。
「赤いバラの屋敷」で倒れていたニナと、彼女の近くにいたディーターを保護する。
マルゴット・ランガー / ヘレンカ・ノヴァコバー
声 - 田中敦子
チェコ人の高級娼婦。
かつてシューバルトと愛人関係があり、2人の間の息子であるカールを産んだ。
カールの少年時代に、カールが「娼婦の子」として馬鹿にされ続けることを恐れて、彼を手放す。
ヨハンとニナの母親とは古くからの友人で、ともに反体制運動に参加していた。
一緒に亡命を図るが、マルゴットのみ亡命に成功し、離れ離れになってしまう。それ以降も手紙のやり取りなどは続けていた。
娼婦を引退してからは静かな暮らしをしていたが、1995年に他殺遺体として発見される。死の直前まで、ヨハンとみられる青年と暮らしていたことが明らかになっている。
ミハイル・イワーノヴィチ・ペドロフ / ラインハルト・ビーアマン
声 - 大塚周夫
かつて511キンダーハイムの院長だった人物。
ヨハンが511キンダーハイムに入所し、彼によって施設が崩壊させられる直前に院長の職を離れたので、その後の集団狂気に巻き込まれずに済んだ。
ベルリンの壁が崩壊した直後にチェコに亡命し、ロシア国籍と偽って生活していた。
プラハで無許可孤児院を開き、そこで511キンダーハイムで行っていた人格改造実験の続きを行っていた。
しかし、その実験の内容とは、「全く哀れみを感じない、感情が乏しい人間を育成する」ことを目的とした511キンダーハイムの実験の反省を踏まえたもので、「子供を愛情をもって育て、負の感情に屈しない人間を育成する」という、普通の親が子供に行っていることだった。
そのため、その孤児院で育てられた子供たちには、511キンダーハイムの子供たちのような人間的な欠陥はない。
511キンダーハイムのことについて調べていたグリマーと出会うが、その直後、ヨハンによって殺害されてしまう。
死の間際に、子供のころのヨハンが実験の一環として受けたインタビューが録音されているテープと511キンダーハイムの資料が入っている、貸金庫のカギをグリマーに託す。
フィリップ・ゼーマン / フィリップ・ゼマン
声 - 掛川裕彦
プラハ署の警部でスーク刑事の上司。一見温厚で人当たりのいい人物だが、実は旧秘密警察と関わりを持っており、彼らの要求を呑む代わりに多額の報酬を受け取るという汚職を行っていた。
ヨハンにより殺害されたペドロフが持っていた、「子供のころのヨハンのインタビューが録音されているテープ」を手に入れるために、ペドロフの死の直前に彼と一緒にいたグリマーを怪しみ、彼を拷問し、テープのありかを吐かせようとする。しかし、その途中で「超人シュタイナー」と化したグリマーに殺されてしまう。
カレル・ランケ
声 - 坂口芳貞
元秘密警察の大佐。
511キンダーハイムの実験資料とヨハンについての情報を探し求めている。
かつて、良い施設だという評判だった511キンダーハイムに、自分の甥を入所させてしまったという過去を持つ。
そのことをとても悔いており、甥の行方を捜している(後に、その甥はヨハンの手下・ロベルトだったということが明らかになる)。
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目次 - Contents
- 『MONSTER』の概要
- 『MONSTER』のあらすじ・ストーリー
- 天才脳外科医Dr.テンマ
- 追う者と追われる者
- なまえのないかいぶつ
- 事件の結末
- 『MONSTER』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ケンゾー・テンマ(天馬 賢三) / Dr.テンマ
- ヨハン・リーベルト
- ニナ・フォルトナー / アンナ・リーベルト
- エヴァ・ハイネマン
- ハインリッヒ・ルンゲ警部
- ヴォルフガング・グリマー / ノイマイヤー
- テンマの協力者
- ユーリウス・ライヒワイン / Dr.ライヒワイン
- ルーディ・ギーレン / Dr.ギーレン
- ディーター
- フリッツ・ヴァーデマン弁護士
- ギュンター・ミルヒ
- ハンス・ゲオルグ・シューバルト
- カール・ノイマン / カール・シューバルト
- ロッテ・フランク
- リヒァルト・ブラウン
- オットー・ヘッケル
- ヤン・スーク刑事
- ヤコプ・マウラー
- ヒューゴー・ベルンハルト
- Dr.シューマン
- ミラン・コラーシュ
- ヨハンの関係者
- ロベルト / アルフレート・バウル / アドルフ・ラインハルト
- 赤ん坊
- ギュンター・ゲーデリッツ教授
- ヘルムート・ヴォルフ将軍
- ペトル・チャペック
- クリストフ・ジーヴァーニッヒ
- マルティン・レースト
- その他の重要人物
- フランツ・ボナパルタ / クラウス・ポッペ
- ヤロミール・リプスキー
- マルゴット・ランガー / ヘレンカ・ノヴァコバー
- ミハイル・イワーノヴィチ・ペドロフ / ラインハルト・ビーアマン
- フィリップ・ゼーマン / フィリップ・ゼマン
- カレル・ランケ
- ベンヤミン・ヴァイスバッハ
- 『MONSTER』の用語
- なまえのないかいぶつ
- 超人シュタイナー
- 3匹のカエル
- 赤いバラの屋敷
- 511キンダーハイム
- 朗読会
- 終わりの風景
- 『MONSTER』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「人の命は平等じゃないんだもの。」(1巻1章『ヘルDr.テンマ』)
- 「バリバリグシャグシャバキバキゴクン。」(9巻3章『なまえのないかいぶつ』)
- 「おかえり。」(11巻8章『悪夢の扉』)
- 「人間はね………何にだってなれるんだよ」(15巻6章『ニナの記憶』)
- 「Dr.テンマ……すまなかった。」(18巻2章『休暇の終わり』)
- 「悲しみはどんどん薄れていって……楽しかった記憶ばかりが残っていく……人間て、都合よくできてるわよね……」(18巻10章『明日は来る』)
- 『MONSTER』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「テンマ」の元ネタ
- 実際に発売された『なまえのないかいぶつ』
- 国境なき医師団
- アニメ版『MONSTER』
- 概要
- 主題歌
- オープニングテーマ「GRAIN」 作曲・編曲 - 蓜島邦明
- エンディングテーマ 「for the love of life」(CHAPTER.1 - 32) 作詞 - デヴィッド・シルヴィアン / 作曲 - デヴィッド・シルヴィアン・蓜島邦明 / 歌 - デヴィッド・シルヴィアン
- 「Make It Home」(CHAPTER.33 - 74) 作詞・作曲・編曲 - 蓜島邦明 / 歌 - フジ子・ヘミング