機動警察パトレイバー(PATLABOR)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動警察パトレイバー』は、1988年にリリースされたオリジナルビデオアニメーション(OVA)と『少年サンデー』誌上での漫画版の連載開始から始まった、メディアミックス・コンテンツの先駆け的タイトルである。作業用のロボットが需要により暮らしの日常の風景にまで普及した1999年の東京が舞台で、主人公の新米女性警官・泉野明(いずみ のあ)が同僚の仲間たちと共に悪戦苦闘しながら、警察に導入されたロボット部隊の搭乗者のひとりとして日々巻き起こる事件と出来事の数々に立ち向かう様を描いた物語。

以下はパラレル関係にあるシリーズ各媒体でおおよそ共通の導入部である。
舞台は、製作開始時の現実の未来観から予想されて時間を進めた、1999年の日本の東京。
作品世界内の1995年に発生した東京沖大地震によって多大な被害を被った後の首都圏という設定で、東京湾を巨大な規模で埋め立てて将来の地球温暖化による海面上昇にそなえた大堤防の建設と、堤防内側の干拓によって莫大な面積の未開拓地を作り出し、今後の用地問題解決の両方を図る“バビロンプロジェクト”が実施中であった。
震災からの復興の際に出た未曽有の規模のガレキの処理も兼ねているこの巨大公共事業には、地震被害からの回復の時に投入されて活躍した「レイバー」と呼ばれる多脚歩行型汎用作業機、つまりロボットがさらに空前の規模で投入されて、急速なピッチで事業計画を前進させる原動力となっていた。

既存の重機の運用が困難な程に極めて劣悪な地形状況でも、通常の重機では水中の床面が低すぎて作業が難しいか不可能だった場所の場合も、半水没の状態で稼働できる性能と信頼性を誇るレイバー。
しかも熟練労働者の集中投入以上の高能率作業が可能なレイバーは震災復興需要による労働者不足も重なったことで事業になくてはならない存在となった。
需要に後押しされた幅広いメーカー各社が競って研究と開発を繰り広げることによって、日進月歩の性能と能力の進化を伴いながら、レイバーは急速に発展と普及が進んでいた。
レイバーの活躍は日常の風景の一部と呼べるまで浸透し、特に東京では、街角でレイバーの姿を見ない日は一日として無いと言えるまでに日々広く稼働する毎日が訪れていた。

だが、ここで弊害がもたらされた。「レイバー犯罪」の出現である。
乗り込んで動かすには起動ディスケットと呼ばれる始動キー代わりのディスクメディアが必要であり、レイバーの移動や稼働現場への搬入出には届け出が必要な上、さらに運転時間の実施スケジュールも官庁による定時点検が入るなど、厳密な運用規則が国主導の規制でされているのであった。
だが、搭乗する人間の操縦や素質、思惑次第で、乗り込んで操縦する形態が基本のロボットであるレイバーは時として不慮の事故が起きたり、さらには人為的な事件までもが起きてしまっていた。

しかもレイバーは生身の人間からすると巨大で莫大なパワーがあるために通常の警察力では対処が困難で追いつかず、もたらされる被害は時として莫大かつ甚大であった。
ATM強盗、酔っ払い運転、労働者間のケンカによるレイバー同士の格闘事案や単なる操縦ミス、はたまた無免許運転…このような事件であっても解決は困難を極めた。
その上、犯行・事件現場周辺を含めた都度の被害はケタ違いに計り知れないものとなり、発生頻度はレイバーの稼働数の増加と相乗して急激にますます増え続けるばかりであった。
これらは減ることは一切なく、日常的に常態化していた。
さらに、バビロンプロジェクトの成功とは東京湾が大きく消滅する程の空前の規模の大規模干拓という事を意味しており、これを環境破壊行為とみなし、大小問わずの暴力行為や破壊活動、要人の暗殺までもを行って強硬に反対する過激な環境派テロリスト集団「地球防衛軍」及び「海の家」他諸派の勃興も、社会情勢の不安化のそれに拍車をかけた。
盗難などの手口によって彼らの手にレイバーが渡り、重大なテロ事件の犯行に用いられる場合さえもが頻発するようになっていた。

このような事態に直面するに至り、バビロンプロジェクトの実施地区に掛かることから日本でレイバーの稼働数がもっとも多い東京の警視庁は組織内にパトロール・レイバー隊を編成。この一連の推移への本格的な対処とした。
これが通称「パトレイバー」の誕生である。

しかし、困難はここから始まった。
部隊新設に当たって、とりあえずの第一手として中古のレイバーを製造メーカーの協力により装甲強化をするなどのチューンナップを施した上で配備したはいいものの、たった数年を経ずにレイバーの技術は長足の進歩を遂げて相対的に旧式化。
配備当初から元々力不足と評されていたのを精鋭の運用員たちの不断不休の努力によりなんとか補ってきたが、警察の保有するレイバーの能力自体が、まったく性能が追い付かなくなって、これ以上の対処は現実的に困難となってしまったのである。
しかも増え続けるレイバー犯罪の増加数に、三機運用の一個小隊のみが設けられただけのままの当初以来の編成では、今後のレイバーの性能発展の展望を見こした場合、とてもではないが御しきれる事態では無くなっていくのが予期された。

この喫緊の課題を受けて、警視庁はレイバー製造メーカー「篠原重工」との協力のもとに、今までにない高性能な警察専用の新型レイバーを納入してもらい、これを配備することで今後の事態へも弾力的に対応可能とすることとした。
この新型レイバーはアドヴァンスド・ビークル、通称「AV計画」の一環として開発されることとなり、これは篠原重工が構想を進める次世代の普及型レイバー開発の為の基礎技術整備と次なる技術発展のための多岐にわたる経験値取りを、警察でそのデータ収集も兼ねた自信作の機体を稼働運用してもらうことで一挙に得ようというのがその目論見である。
このため、このAV型レイバーに掛かった甚大な開発研究費に対して、未だに目が眩むほどの極めて高価なレベルの納入価格とはいえ、相当に割り引いた導入コストで警視庁は新式レイバーを装備化することが出来たのである。

警視庁レイバー隊も、新たに第二小隊を設けてレイバー中隊化、特車二課としてさらに組織強化が図られた。
新型レイバーは、常温超電導式リニア・アクチュエータと呼ばれる駆動原理を全身機構に適用したことによる高い汎用性と運動性能及びパワーの獲得により、従来例ではほぼ無かった完全な人型構造を実現。さらに見る者に対する心理的な影響までもを考慮して開発が進められた事が相乗して、今までのレイバーには無かったヒロイックな外見に設計と製造がなされた。
こうして完成した98式AVレイバー・イングラムもこの第二小隊へと配備が決定され、そのイングラムの乗員となった予備校上がりのレイバー好き新米婦警・泉野明とその同僚たちを中心に、物語は展開されていくのである。

『機動警察パトレイバー』(旧OVA)

『パトレイバー』すべてのはじまりとなるシリーズ。

1988年東京。世界には凡用人型作業機械(通称レイバー)が普及していた。それに伴いレイバーを使った犯罪が激化した。続発するレイバー犯罪に対抗するために、警視庁は警備部に特車二課(通称パトロールレイバー中隊)を設立した。第一小隊、第二小隊と増設される。

特車二課第二小隊には、とても警察官に見えない面々が集まる。口の悪い篠原遊馬(しのはら あすま)と粗暴な太田功(おおた いさお)。神経質な進士幹泰(しんし みきやす)とデカすぎてレイバーに乗れない山崎ひろみ(やまざき ひろみ)、彼らをまとめる昼行灯の後藤喜一(ごとう きいち)。そして、高校卒業したての女の子で新米警察官の泉野明(いずみ のあ)。

そんな彼らに早速出動要請が下る。暴走するレイバーの鎮圧命令だ。特車二課は新型警察用レイバー”イングラム”を起動してこの任務に当たる。イングラムの格闘性能は非常に優秀だった。泣き叫びながら格闘する野明の操縦でも、鎮圧に成功する。第二小隊の初陣は無事に終わった。
その後特車二課第二小隊は、爆発物処理や怪物退治などの任務に当たる。また、ニューヨーク市警察から香貫花・クランシー(かぬか・くらんしー)が研修にやってきた。

季節は2月、第二小隊のメンバーに休暇が与えられている間に尋常ならざる事件が発生する。自衛隊の一部によるクーデターである。目的は政権の奪取、軍事政権の誕生である。首謀者は、かつて後藤の盟友であった甲斐という男。自衛隊反乱軍は、拠点制圧を始め東京を占拠していった。休暇中だった第二小隊全隊員が招集され、自衛隊反乱軍の鎮圧にあたる。しかし首謀者の甲斐は、核弾頭ミサイルで日本国内を恫喝する。核弾頭ミサイルを抑えないと勝ち目がない特車二課。肝心の所在が不明だったが、遊馬のヒントからフェリーに搭載されていることに気づく後藤。特車二課は、米海軍の協力を基にフェリー奇襲作戦を行う。核弾頭ミサイルを発射直前に防ぎ、作戦は成功する。甲斐による自衛隊決起は失敗に終わる。

『機動警察パトレイバー』は第6話で完結していたが、大ヒットを受けて急遽第7話が追加制作された。この後に放送が予定されている『機動警察パトレイバーON TELEVISION』の試作品も兼ねて、それまでよりもレイバー同士の格闘に視点を当てている。内容は以下になる。テロリストによって強奪されたトレーラー。奪還に向かう特車二課だが、トレーラーから出現した軍事用レイバー「ブロッケン」に迎え撃たれ失敗する。しかし、再び奪還に向かった特車二課が、テロリストを抑えトレーラーを止めることに成功。

『機動警察パトレイバー the Movie』

東京で、レイバーが操縦者の意図とは別に暴走する事件が多発する。原因は、新たに普及したレイバー制御用OS「ハイパーオペレーティングシステム(HOS)」にあった。HOSは、自殺した天才プログラマー帆場暎一(ほば えいいち)がほぼ独力で開発した。HOSには、特定の低周波で暴走を引き起こす、コンピューターウィルスが仕込まれていた。運悪く、その低周波を生み出すことになる大型台風が迫っていた。
大型台風は、海上沖のレイバープラットフォーム「方舟(はこぶね)」を共振させて低周波を生み出す。その範囲は東京全域に及び、数千台のレイバーが暴走することを意味した。

唯一の希望は、特車二課のイングラムであった。HOSを怪しんだシバ シゲオの独断でインストールを免れ、暴走の危険性はない。台風が迫るなか、方舟そのもののパージを目的に乗り込む。イングラムで乗り込んだ特車二課を、方舟の自動警備システムと暴走を始めたレイバーが迎え撃つ。さらに第一小隊に配備予定であった新型警察用レイバー「零式」までもが、暴走して襲いかかってきた。
零式の前にイングラム2号機は破壊されてしまうが、野明のイングラム1号機がパージに成功する。方舟の崩壊に巻き込まれた特車二課だったが、幸いにも全員無事であった。しかし、同じく崩壊を免れた零式に襲われる。
迎え撃つ野明のイングラム1号機。零式のパワーに苦戦するが、最後は野明自身がHOSをショットガンで連射しシャットダウンさせる。

HOSはここで駆逐され、勝利の喜びを分かち合う特車二課だった。

『機動警察パトレイバー 2 the Movie』

特車二課第二小隊創設から、数年が経過していた。配置転換によりメンバーは後藤とひろみ、シバ シゲオだけになった。新たに配置された隊員は、個性もなくやる気もない。後藤は、張りのない日々を過ごしていた。

そんな折、東京湾ベイブリッジが爆破される事件が起きる。レイバー絡みではなく特車二課に出番はなかったが、その後に荒川茂樹(あらかわ しげき)という怪しい男が特車二課を訪れてくる。「陸幕調査部別室」から来たと名乗り、後藤と第一小隊隊長の南雲しのぶを密会に誘う。荒川は、ベイブリッジの爆破には国防族の柘植行人(つげ ゆきひと)が関わっていることを告げる。そして、その捜査協力をお願いしにやってきたことを語る。その直後、三沢基地から爆装したF-16J戦闘機が都内に向かって発進した。撃墜命令が下されるも、レーダーから消えてしまうF-16J。レーダーからだけでなく本当に上空から消えてしまい、なにがどうなっているか理解できないでいた。

やがて、この一連の事件を演出したのが柘植であることがわかってくる。さらに、南雲がかつて柘植と愛人関係にあったことも明るみになる。

F-16Jの件で警察は、自衛隊三沢基地に航空機発進禁止の令を出すが、自衛隊側がこれに反発する。これをきっかけに、日本に「警察VS自衛隊」という内戦の構図が生まれてしまう。日本政府は事態の混乱の元凶は警察であると決めつけ、首都圏の治安維持に自衛隊を要請する。日本に戦争状況を創り出すこと、これこそが柘植の目的であった。

拡大した状況に警察は責任を認めず、あろうことか独断専行を繰り返していた特車二課が元凶であると保身に走る。これに対し後藤と南雲は激怒し、警察上層部に啖呵を切る。旧第二小隊のメンバーを呼び集め、柘植を止めるための作戦を開始した。作戦の最中、荒川が柘植の仲間であることが後藤により明るみになり逮捕される。

旧式化し現場から離れていたイングラムを持ち出し、さらに広域ジャミング装置で通信手段を遮断する。そして地下から、柘植の潜伏場所に進撃を始めた。襲撃を受けるも撃退に成功し、潜伏場所を制圧し柘植を逮捕する。一件落着であったが、上層部に反発した特車二課メンバーの身分がどうなるかは不明瞭だった。特に南雲は、いまだに柘植への思いを捨てきれない様子であった。後藤は一種の失恋のような喪失感を味わう。旧第二小隊メンバーに向け、「結局、俺にはあいつらだけか」と独りごちる後藤であった。

『WXIII 機動警察パトレイバー PATLABOR THE MOVIE 3』

昭和75年、梅雨時。ある日、東京湾に輸送機が墜落するという事件が起きた。一方湾岸地区では、シャフト・エンタープライズ製のレイバーだけが次々に破壊されるという怪事件が発生していた。
手がかりが掴めないでいた城南署だったが、ベテラン刑事久住武史(くすみ たけし)と相棒の秦真一郎(はた しんいちろう)が唯一の手がかりに遭遇する。それは「人が食い殺されている」という事実である。
事件の元凶は米軍と自衛隊の依頼のもと、東都生物医学研究所が開発した生物兵器であることが発覚。この生物兵器の名を「廃棄物13号」と言い、シャフト・エンタープライズ製のレイバーが発する超音波に反応していたことが分かる。廃棄物13号は、岬冴子(みさき さえこ)という研究員によって生み出された。夫と共に亡くした娘を、どんな形でも蘇らせたいという哀しい思いから生まれたのだった。廃棄物13号には冴子の娘の細胞が使われていた。

しかしどんな理由であれ、人食い怪物を生かしておくことは出来るはずもない。自衛隊と警察による共同作戦で怪物壊滅作戦が発令され、特車二課も作戦に参加した。怪物の細胞を壊死させる特殊弾頭を使い、イングラムで廃棄物13号の撃滅に成功する。断末魔の叫びをあげる廃棄物13号。その声は、人間の耳に「ママ」と聞こえるものであった。見物していた冴子は、廃棄物13号の後を追い投身自殺を図った。
彼女を救おうと走った秦だったが、間に合わなかった。彼女に惹かれていた秦の心には重苦しいものが残った。彼の助けになることが出来なかった久住も、複雑な思いを抱えている。

季節が夏になり、なにもかもが時の過ぎゆくままに消え去っていく。

『ミニパト』

手抜きパタパタ人形劇風、本気のフル3DCGギャグ短編映画。全3話の短編。

第一話では、イングラムの装備である「リボルバーカノン」について。後藤がうんちくを語りまくり、兵器としてのパトレイバーを振り返る。

第二話では、レイバーというものがロボットアニメの歴史上どのように成り立ったのかについて。シバ シゲオがメタフィクション的に語り、ロボットとしてのパトレイバーを振り返る。

第三話では、警察機構の視点からして特異な存在すぎる特車二課について。南雲しのぶによるレポートで報告し、アニメとしてのパトレイバーを振り返る。

『機動警察パトレイバー ON TELEVISION』・『機動警察パトレイバー NEW OVA』

グリフォン編

シャフト・エンタープライズの「企画7課」による企業犯罪と、それを追う特車二課の攻防を描いたシリーズ。

ある日、特車二課の前に「ブロッケン」なる軍事レイバーが現れる。なんとか撃退する特車二課だったが、あと少しのところで逃げられてしまう。その後ブロッケンは現れず、悶々と日々を過ごす特車二課のメンバー達。そこに、ブロッケンの再来のように黒いレイバー「グリフォン」が出現する。グリフォンは、ブロッケンがまだ優しいと思えるほど強力なレイバーだった。

ある時、国際レイバーショー会場にグリフォンが乱入する。ショーの警備にあたっていたイングラムを、弄ぶかのように攻撃し去っていく。特車二課は屈辱的な敗戦をきっした。
やがて、グリフォンの製造を企画し、犯罪を指揮しているのがシャフト・エンタープライズの内海ということが発覚する。特車二課の熊耳武緖(くまがみ たけお)と内海は以前に愛人関係にあり、ほどなく熊耳は企画7課に誘拐され人質に取られてしまう。

しかし特車二課は、グリフォンと何度も戦ったことで熟練度を増していた。仲間を人質に取られた怒りも増し、野明の操るイングラム1号機はグリフォンを打ち取ることに成功する。内海は敗北を認め、熊耳も解放する。しかし捕まるつもりはなく、どこかへ消え去っていくのだった。

オムニバス編

押井守による「食」を扱ったエピソード。
特車二課の胃袋を支えているのは、中華料理店「上海亭」である。ある日いつものように大量の出前注文をするが、待てど暮せど出前が来ない。我慢の限界に達した太田が、進士を引き連れ上海亭に向かう。

やがて特車二課に電話がかかってくる。「ここに来ては……いけない……」という、進士の忠告だった。電話が途切れ事件を察知し、上海亭に向かう特車二課。そこにあったのは、配達されずに出来上がった出前の数々だった。食糧を前に理性が途切れ、群がるように食べ尽くすメンバー達。

その結果、総員食中毒に見舞われてしまう。野犬が使った食器を洗わずに再利用したために、起きたものだった。食料供給が大切なことを、大げさなギャグと共に知らしめて人気が高いエピソード。

CLAT編

オムニバス編のひとつだが、他のエピソードと趣が異なるものとして認知度が高いエピソード。CLAT編はいわゆる「劇中劇」的な内容を一本の話としたものである。そのため、本編の設定はすべて無視されている事が特徴だ。

例えるなら『クレヨンしんちゃん』において「アクション仮面」や「カンタムロボ」の物語を扱ったエピソードと捉えると理解しやすい。このCLAT編は全部で2つあり、「CLATよ永遠に」と「星から来た女」である。どちらも他作品の徹底的なパロディ作品である。

『機動警察パトレイバー』(漫画版)

ゆうきまさみによる漫画作品。よく勘違いされるのは『パトレイバー』は、この漫画版を原作にしたアニメシリーズというものだ。これは間違っている。元々『パトレイバー』はメディアミックスを前提に始められた企画であり、原作というものは存在しない。強いて言うのであれば、「ヘッドギア」というパトレイバー製作委員会による制作企画自体が原作ということになる。

漫画版は『旧OVA』と併行して『週刊少年サンデー』で連載が始まった作品であり、他のシリーズとは異なる物語を展開していくものとなっていた。ただしアニメ作品でも、漫画版のシナリオの一部が流用されている。
流用したアニメシリーズは『機動警察パトレイバー ON TELEVISION』・『機動警察パトレイバーNEW OVA』の「グリフォン編」。及び『WXIII 機動警察パトレイバー PATLABOR THE MOVIE 3』だ。

このため漫画版は、アニメシリーズの部分的な原作ともいえる。漫画版のあらすじは、「グリフォン編が」全編通して展開されており、その間に「廃棄物13号編」が差し込む構成になっている。ただし、結末はアニメシリーズと異なり、以下のようになる。

熊耳を誘拐した企画7課は、特車二課襲撃を企てた。最後にイングラムを叩きのめして、海外に高跳びしようという魂胆だった。後藤はこの企みを阻止しようとするが失敗し、ついに特車二課襲撃がはじまった。

しかも野明が不在のタイミングで、イングラム1号機は動かせない。太田のイングラム2号機と第一小隊のレイバーで応戦する。徐々に追い詰められていく中、試作レイバー「AVR-0」に乗り込んだ野明が駆けつける。外部システムが必要な試作品だが、圧倒的な性能を示し企画7課のレイバーを倒していく。やがて、グリフォンが現れ対峙する。一進一退の攻防を続けるが、企画7課に外部システムを制圧されAVR-0は無力化してしまう。

誰もが終わりかと思ったが、内海が「イングラム1号機が残っている」という。内海は、あえて破壊せずに残していた。どこまでも人を馬鹿にした態度であった。激怒した野明は、内海の予想を上回ってグリフォンを倒す。グリフォンを抑えられ、逃げ出す内海。しかし、シャフト・エンタープライズが差し向けた刺客により刺殺されてしまう。

熊耳も解放され、事件は解決した。そして再び特車二課の日常が始まる。

『機動警察パトレイバー』(小説版)

『機動警察パトレイバー 風速40メートル』

『機動警察パトレイバー the Movie』のノベライズ版。基本的な内容はアニメと同一。映像では描けなかった、細かい点が書き足されている。

『機動警察パトレイバー 2 シンタックス・エラー』

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@7oa0a8a1m6

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