ハクメイとミコチ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハクメイとミコチ』とは、樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。
体長九センチしかない小人たちが、言葉を話すことの出来る昆虫や動物たちと共に住む平和な世界。そこで暮らす小人である料理上手のミコチと修理屋のハクメイを中心に彼らの小さな生活を描いた日常系ファンタジー。

『ハクメイとミコチ』の概要

『ハクメイとミコチ』とは樫木祐人による漫画作品であり、2018年1月よりアニメ化された。
アニメーション作成はLerche。監督は安藤正臣である。漫画の一コマのような枠を使った描写が多く見られ、原作の雰囲気を残した作品になっている。エンディングでは毎回、原作漫画にて登場するコラム『足下の歩き方』を紹介している。

身長わずか九センチの小人たちと、言葉を話す動物や昆虫たちが共存し文化を形成する平和な世界。そんな世界に存在する山間の街マキナタの近くの森の大楠に暮らすミコチと居候のハクメイ。
料理上手で、商店街を歩けば食料品店から試食を頼まれるほどの人気者のミコチと、大工として風車の修理や刃物砥ぎを生業としているハクメイの二人を中心に街の小人たちや動物や昆虫たちとの交流の様子を描いたファンタジーチックな日常系アニメである。

『ハクメイとミコチ』のあらすじ・ストーリー

小人のハクメイとミコチ

2人で買い物に出かけたミコチ(左)とハクメイ(右)

森の大楠の根元に家を建て、同居している小人のハクメイとミコチ。ある時、二人は日の出に見ると願いを叶えてくれる「夕焼けトンビ」が出たという話を知る。ハクメイは夕焼けトンビを捕まえようとミコチを誘い、購入した大きなタンスを家の前に置いたまま、二人で夕焼けトンビを探しに出かけた。二人の前に現れた夕焼けトンビは、かつてミコチが飼っていたカフゥという鳥だった。二人が帰宅すると、家の前には運びかけのタンスが置いたままになっていたのだった。

まだ市場のことをよく知らないハクメイのために、ハクメイを連れて市場へ買い出しに出かけたミコチ。しかしミコチはいつの間にか財布をなくしてしまっていた。二人で市場を巡りながら財布を探していると、話を聞いた店員たちがさまざまなお土産をくれる。財布は見つからず、あきらめて帰ろうとすると、帰り道であっさり財布は見つかった。財布を見つけた二人はハクメイのマグカップを買うと、飲み屋でマスターと共に酒盛りをして夜を明かしたのだった。

収獲祭の屋台の手伝いを行い、ハクメイと合流したミコチ。ちょうど今年の歌姫が決まるところだったが、歌姫には吟遊詩人のコンジュと、ノーエントリーであるにもかかわらずミコチが選ばれてしまう。始めは嫌がっていたミコチだったが、収穫祭の歌が付喪神達を讃える歌だと知り、コンジュと共に歌うことにする。

ハクメイとミコチが魚の幽霊が出ると噂の沼で魚釣りをしていると、骨の魚が現れる。気絶してしまうミコチだったが、その魚はガラス玉に音を伝えることで骨を動かす研究をしている小人のセンの研究成果だった。センは音を伝える為に使っていた子機を紛失してしまい、骨の魚を止められなくなってしまったのだという。しかし実は、その子機はハクメイがその沼で釣った魚ごと食べてしまっていたのだった。どうりで元気な鼓動だと納得するセン。後日、お詫びとしてセンから魚が送られてきたが、その魚には子機がついていた。

ある日、自分達の不注意によって自宅を爆発させてしまったハクメイとミコチ。研究者のセンに家を建て直して貰うことになり、一晩の間だけ野宿をすることにする。野宿に抵抗のあったミコチだったが、ハクメイが作ったかまどで料理を作ったり、満天の星空を見たりして、野宿を満喫するのだった。

二人の仕事

修理屋をしているハクメイは、イタチの鰯谷親方と共に風車の修理の依頼を受ける。身体の大きな鰯谷は小さな風車内に入れない為、ハクメイだけが中で作業をするものの、ミスで落下してしまう。ハクメイは落ち込むが、鰯谷やミコチに励まされ、元気を取り戻したのだった。

新築祝いにコンジュが家にやってくる。ミコチが大好きな「夢品商店」に品物を卸していることを知ったコンジュはミコチの仕事を手伝うが、料理は全くできない。そこでコンジュはミコチに石鹸作りを教えるが、石鹸のアクセントとして鍵の模様を付けていた際にそのまま鍵を石鹸に埋め込んでしまい、二人は家から閉め出されてしまうのだった。

石鹸作りにはローズマリーを使うと良いとコンジュに教わったミコチは、ハクメイと共に山でハーブ採取をしに行った。しかし二人の前に凶暴なミミズクのハンター「オロシ」が現れ、驚いたミコチは崖から落ちて怪我をしてしまう。二人は洞窟で晩を明かすことにするものの、実はオロシは悪いミミズクではなく、ハクメイから取った干し肉の代わりに大量の木の実を届けに来てくれたのだった。

大工組の石貫会に入ることを許されたハクメイは、中通りの石垣補修で飼い石の打ち込む作業を任される。しかし大岩に石を入れたときに異様な音が聞こえ、ハクメイが周りから人を遠ざけると、大岩が砕け散ってしまった。ハクメイのおかげで怪我人を出さずに済んだが、作業が止まってしまう。その後、ハクメイのアイデアによって問題は解決し、補修が終わる頃にはハクメイはすっかり石貫会の一員として馴染んでいたのだった。

卵の殻で出来た美容院で見つけたハクメイは、美容院の主人ジャダに髪を切って貰う。その後、付き合いの悪い鰯谷をハクメイとミコチは街に連れ出したが、鰯谷は終始仕事の事ばかりを考えていた。そんな鰯谷のために、二人は普段から仕事をしている風車の下で仕事の話をしながら飲むことにするのだった。

たくさんの隣人たち

センに自宅を改築してもらった時に、センは勝手に二人の家がある楠にいくつもの部屋を作っていた。そのため、いつの間にか楠にはたくさんの住民が住み着いていた。二人の家の上に住みついたクワガタのコハルは、都会的な生活がしたいとハクメイとミコチに相談する。相談を受けた二人はコハルを街に連れ出し、都会的な生活に必要な家具の購入を手伝う。しかし、慣れない家具でかえって不自由な生活になってしまったコハルは、憧れの都会的な生活を諦め、元の部屋に戻すのだった。

ハクメイとミコチはコンジュが住んでいる「なんでもあり」がモットーの蜂蜜館を訪れる。しかしそこは無法地帯で、新参と古参が争っていた。蜂蜜館の現主人のヒガキはこの争いを止めるために、ハクメイとミコチの力を借りて魔法の酒である先代主人ウカイの蜂蜜ジュレップを完成させる。そしてその酒は新参と古参の仲直りのきっかけを作り、全員で仲良く宴会を楽しむのだった。

服作りが趣味のミコチは、センに新しい服を作ることにする。服に興味のなかったセンは戸惑うものの、ミコチの熱の入りように徐々に興味を持ちだし、自身も積極的に手伝うようになる。そしてセンは、友達のミコチとハクメイと共に作った服を大事に着るのだった。

突然ミコチの家に劇作家をしている姉のアユネがやってくる。アユネは家へ来た理由をなかなか言わず、終始ミコチを怒らせる。しかし、別れ際に左手の薬指に嵌められた指輪を見せ、アユネは結婚することをミコチに明かすのだった。アユネは劇作家の仕事を辞めるかどうか決めあぐねていたものの、ミコチに引き留められて仕事を続けることにする。

ハクメイはミコチを連れて、釣りをするために遠方にあるカノカン湖に行くことにした。まだ日が昇らないうちから二人は汽車に乗り込むが、湖に着く前に雨が降り出してしまう。二人は雨の中で釣りをするが、全く釣れない。もともと釣り好きのハクメイは楽しそうにしていたものの、釣りに興味のないミコチはつまらない。しかし、その瞬間ミコチの竿に巨大な魚が掛かる。ミコチはその魚を逃がしてしまうものの、ミコチの竿から逃げた魚を老人が釣ったと聞くと、ハクメイに改めて魚釣りを教えてくれるように頼むのだった。

ハクメイとミコチが暮らす家の近くの街マキナタは、開拓祭の準備に追われていた。かつて、行き倒れていた所を狼の緑尾老が率いるキャラバン隊に助けられたという過去を持つハクメイは、キャラバン隊が近くを通るという話を聞き、高地にあるコヨウ大岩を目指す。そしてキャラバン隊に無事を伝えることが出来たハクメイは、すっかり帰る場所として馴染んだマキナタへ帰るのだった。

『ハクメイとミコチ』の登場人物・キャラクター

ハクメイ(薄明)

CV:松田利冴
ミコチとは元々他人であったが、彼女の家へ転がり込んでから居候というよりも家族のような存在になっている。
言葉遣いだけでなく容姿もボーイッシュであり、大工組合の頭領からも男だと思われていたが女の子である。楽天家に見え、誰とでもすぐ打ち解けてしまうものの、仕事になると殺気立ったり、自らのミスで危険を起こしてしまった時にはあからさまに落ち込むなど真面目な一面もある。

かつて、スリで全財産を失い行き倒れているところを、緑尾老という老狼率いるキャラバン隊に拾われ共に過ごした経験がある。様々な旅をしていた経験からか、野外での歩き方や、食事の取り方など、アウトドアに関する知識に長けている。また、大工仕事や刃物砥ぎが得意で、近くにある街マキナタの大工組合に所属し修理屋を生業としているが、あまり繁盛していない。彼女が言うには「いい仕事してるから暇なんだよ」ということらしい。
親方と初めて出会った時も出来る仕事は既に終わらせていたり、石組みの仕事の際には大岩が崩れかけていることを見抜いたり、大工組合の頭領から道具の手入れを褒められるなど実際に腕は良いようだ。

ミコチ(美東風)

CV:下地紫野
山間の街マキナタの近くの森の大楠で暮らす小人。現在は居候であるハクメイと二人暮らしをしている。
料理上手でありジャガ谷の麓にある人気の店、夢品商店にジャムを始めとした保存食や日用品を作って卸している。彼女は結構な有名人であり、商店街を歩けば色々なところから声がかかり新商品の試食やアドバイスを求めて人だかりが出来るほど。
また彼女の歌もちょっとした有名になっており、家事や仕事の合間に口ずさんでいる歌を目当てに頼んでもいない新聞屋や行商人が来る。収獲祭ではエントリーしていないにも関わらず、コンジュと共に歌姫に選ばれてしまった。
裁縫が趣味で、珍しい生地やブランド品の服を発見すると買わずにはいられないという一面もある。

マヤ(マスター)

CV:緒方恵美

喫茶店兼飲み屋「ポートラウンジ小骨」の三代目マスター。
ミコチの行きつけの店で、彼女が言うには店員がちょっとうるさいけど、騒がしい市場の中で落ち着ける数少ない場所らしい。
大量の荷物を預かってくれたり、財布のないミコチにハクメイを案内してあげなと弁当を渡すなど、かなり融通の利く性格のようだ。
先代のコーヒーについて「そりゃ旨かったよ。優しい味でね。でも本人は少しも優しくなくてね。淹れ方、ローストなに一つ教えちゃくれなかったよ」と語り、先代について尊敬してると同時に少し怒りも感じているようだ。その為、マスターのコーヒーは独学。また先代は彼女の母親でもある。

コンジュ(胡飲酒)

CV:悠木碧
無法者も多く治安の悪い蜂蜜館に住む吟遊詩人。収獲祭にて歌を披露する歌姫にミコチと共に選ばれた。
収獲祭の前日だというのに風呂上りに2時間発声練習をしたり、酔っ払いの美容師・ジャダに髪を切ってもらう為に酒造りを手伝うものの失敗の連続だったりとどこか間抜けな子である。
夢品商店のリピーターであり、そこの商品をミコチが卸していると知るなり「このままじゃ頭が上がらなくなるじゃない」と言って新商品開発の手伝いを申し出る。しかし、料理経験は皆無だったらしく足を引っ張ってしまう。不器用なわけではないらしく、商品のラッピングやか、わいい香り付き石鹸作りなど器用な面も見せた。

セン(泉)

shuichi
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@shuichi

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