ハクメイとミコチ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハクメイとミコチ』とは、樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。 体長九センチしかない小人たちが、言葉を話すことの出来る昆虫や動物たちと共に住む平和な世界。そこで暮らす小人である料理上手のミコチと修理屋のハクメイを中心に彼らの小さな生活を描いた日常系ファンタジー。
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『ハクメイとミコチ』とは、樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。
体長九センチしかない小人たちが、言葉を話すことの出来る昆虫や動物たちと共に住む平和な世界。そこで暮らす小人である料理上手のミコチと修理屋のハクメイを中心に彼らの小さな生活を描いた日常系ファンタジー。
森の中に住む小さな人たちと、動物や昆虫たちの物語。
メインの登場人物は北海道のアイヌの伝承に出てくるコロポックルのような小人族です。
小人が主人公の作品は、普通の人間との交流を描くものが多いのですが、この作品には普通の人間は登場しません。
主人公のハクメイとミコチを中心に、森での日常生活が描かれています。
日々の生活での、ちょっとした出来事が各エピソードとなっています。
面白いのは、ハクメイ、ミコチたち小人はもちろん、動物、昆虫を含めて社会を形成していること。
彼らは言葉でコミュニケーションをとり、それぞれ職業を持ち、お金を稼いでいるのです。
職業集団は種族に関係なく、ハクメイはイタチの大工に雇われています。
朝起きて仕事に行き、帰って来てご飯を食べてお酒を飲む。
ごく当たり前の日常が見ていて何とも穏やかな気分になります。
料理や食事のシーンではハクメイ、ミコチに対して野菜や果物が相対的に大きいので、これも見ていて楽しいですね。
作中に出てくるお酒は実際に飲んでみたくなりました。
設定はいろいろと謎な部分がありますが、気にしないで作品世界に浸ることをおすすめします。
絵本を見ているような、癒された気分になれます。
身長9センチの小人の女の子、ハクメイとミコチの日々の生活を丁寧に描いたお話です。
特に大きな事件が起きたり、感情を大きく揺さぶるようなセンセーショナルな事が起きるわけではなく、市場に買い物にいったり、周辺に住む住人との交流、仕事の風景、近所で行われるお祭り、行きつけの喫茶店の物語など何気ない日常を丁寧に楽しんで過ごすハクメイとミコチが細かく描かれていてまるで本当にある世界のように細部まで描かれているので、その小さな世界をハクメイとミコチと共に探検しているような気分になれます。
中でも、食べ物や料理の描写はとても魅惑的で、あたたかいお茶やおいしいお酒とそのお伴を用意して見られる事をおすすめします。
また、個性豊かで枠に囚われないキャラクターの生き方も魅力の一つ。
ハクメイは大工仕事を得意とするおおらかな性格で、男と間違われても全く気にすることなく包丁研ぎや大工を生業としています。
ミコチは料理や裁縫が大得意で自分の作るジャムやハーブティーや雑貨を商店に卸しています。
その他にも、自由気ままに生きる吟遊詩人のコンジュ、研究に打ち込むセン、受け継いだお店を営み続ける喫茶店のマスターなど。
性別や常識に囚われず、ありのままに生きる彼女たちの生き方にはっとさせられたり、穏やかな作風の中にも沢山の事を感じる事ができる作品です。
森の中に住む三頭身の小人と動物たちが交わす架空の日常生活を丁寧に描いたコミックです。物語を楽しむというよりは、目で見て愉しむエッセイのような内容で、絵本や写真集をゆっくり眺めるときに感じるような楽しみを感じます。特筆すべきは画面の隅々まで圧倒的な画力で描く描写力です。背景の森や擬人化された昆虫や動物が一本一本の線で描かれ、正確なパースが見る者を蠱惑的な世界に引きずり込みます。料理や食事風景は見ているうちに味覚さえ感じてしまうほどの表現力で、たとえて言うなら宮沢賢治の物語に没入するような感覚です。軸になるのはハクメイという元気な女の子と、ミコチというおとなしい女の子の掛け合いです。ハクメイはどちらかというとガテン系、器用な技術を持つミコチは料理やファッションの技を持っています。この二人の知識がものすごく深いので、読んでいるうちに知らない世界に導かれるような納得感を得ることができます。何度も読み返すうちに、それまで気が付かなかった仕掛けや、描き込みを発見すると、なんだか得した気分になれます。仕事や勉強につかれたときや、今日はなんだか調子が出ないときに開くと癒されます。オーガニックな生活にあこがれる人に推したいシリーズです。
全長9cmの人々が暮らす世界が舞台です。動物や植物、虫や食べ物などはこちらの世界と同じ大きさなので、人間にあたる生き物だけが小さいです。設定としてはそこが特徴です。
そんな小さな人の中でもハクメイとミコチを中心に物語は進みます。といっても、オムニバス形式で基本的には1話完結なので、読みやすいです。
活発で明瞭、大工や修理家業を営むハクメイ。一見物静かだが芯は通っている、女房タイプの料理・裁縫の達人、ミコチ。
正反対に見える2人ですが相性は悪くなく、絶妙な距離感で生活している様子が読んでいて心地良いです。
動物や虫が人の言葉を話せる世界、でも何故か鳥は鳴き声だけ…というのがちょっとツッコミどころではあると思います。
登場人物は癖のある性格な者が多いですが、のほほんとした世界感なのでそこまでヒリヒリした雰囲気はないです。
作中にはいくつものオリジナルともいえる料理が登場するのですが、それがまた美味しそうなんです。
酒好きにはたまらないおつまみから自家製リキュール、無法地帯を収束させるカクテルなんていうのも登場します。
ミコチが直々に依頼を受けて料理を作る、といった展開もありますが、良くありがちな料理勝負みたいなものではないです。
ハクメイが大工組合に認められるまでのエピソードが、この作品の肝を1番表現していて個人的にお勧めの話です。
『ハクメイとミコチ』は、身長9センチメートルの女の子ふたりを主人公にした、ほのぼのとした日常系マンガです。
コロポックルなんかを想像してもらえばイメージしやすいと思います。
この世界の身長9センチメートルの人間たちは、大自然の中、我々と同様に働き、料理をし、酒を飲んでワイワイ楽しく暮らしています。
冒頭に“「女の子」ふたりを主人公に”と書きましたが、彼女たちは23、24歳。
もう立派な成人の女性ですので、一人前の人間として我々と同じように悩み、けれど人生を楽しみながら生きているのです。
このマンガの魅力は何と言っても動物たちとの交流、そして美味しそうな食べ物でしょう。
なんとこの世界では動物たちは人間と同様に言語を話し、意思の疎通を図ることが出来るのです。
ですので人間と動物に隔たりはなく、共に生活をする仲間として一緒に働いたり、遊びに出かけたりして生きているのです。
またその動物たちが可愛いのです……!
それから料理。
主人公のひとりであるミコチの料理は絶品で、粗野な荒くれ者だって懐柔してしまうほどなのです。
作品のなかに出てくる料理やお酒は、本当にどれも美味しそう。
きっと読んだ後は、街へ出かけて美味しいものを探して歩いてみたくなるはずです。
個人的にですが、この作品は、キャラクターたちが本当にこの世界の中で楽しく生きているのだと没入できるほど、良く練られた世界観に裏打ちされているのだと思います。
主人公が成人したひとりの大人だというのもまた、物語を引き締める要素になっているのでしょう。
おかしな表現な仕方になるかもしれませんが、嘘くささがあまり感じられないのです。
そんな私の感想はさておいて、のんびりとしたマンガ、楽しいほのぼのとしたマンガが読みたい方には、とにかくオススメしたい作品になっています。
『ハクメイとミコチ』、ぜひどうぞ。
絵本から飛び出したような、色彩豊かで穏やかで愉快な作品です。森で暮らす小さなふたりの女の子、ハクメイとミコチの物語です。ハクメイとミコチはコロボックル的な種族で、ネズミやイタチなどいくつかの他種族とはコミュニケーションが取れる感じで日常生活を送っています。
身長はわずか9センチメートルという小さな世界の小さな住人の暮らしを描いた作品で、物語に根付く虫や動物たちの息吹、不思議と面白くその世界観に引き込まれます。
頭を無にしてリラックスする系のアニメで、昆虫や、生き物が好きな人はよりハマりそうなアニメです。現代のみつばちハッチというと分かりやすいかもしれません。
こびとから見たこの世界は、全てが新鮮で驚きに溢れています。
心穏やかに楽しみながらも、人生を教わりたいと思います。