妹さえいればいい。(ラノベ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『妹さえいればいい。』とは、平坂読によるライトノベル、およびアニメなどのメディアミックス作品である。2015年から2020年にかけてガガガ文庫より全14巻が刊行された。2017年にはテレビアニメ化されている。
極度の妹愛を持つ人気小説家・羽島伊月を中心に、一癖あるクリエイターたちの日常と葛藤を描く青春ラブコメ作品。作者の実体験を反映した創作への情熱や、業界の裏事情が毒を交えて綴られた業界モノという側面を持つ。

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作者の実体験が盛り込まれた業界モノ

作者の平坂読の持ち味は、一見毒がなさそうでいて実は強烈な毒を含ませるという独特の作風である。
主人公の羽島伊月は、極度の「妹モノ」好きが高じて、傍目には狂気すら感じさせるような偏愛的作品を執筆するライトノベル作家である。物語は伊月を中心に、同じ作家やイラストレーター、編集者、税理士といった業界関係者、さらには大学時代の友人らとの日常的な交流を描いている。その軽快なノリは同作者の『はがない』を彷彿とさせるが、特筆すべきは主人公の創作に対する凄まじい熱量である。

作中では「俺はそんな凡愚どもの声になど屈しない!」「俺たちは、アニメの原作を作ってるんじゃない! 小説を書いているんだ!」といった、創作の核心を突く強烈な台詞が随所に登場する。これらは平坂自身のライトノベル作家としての実体験や本音が投影されているのではないかと邪推したくなるほど、モノを書くことへの真剣な想いと情熱に満ちている。

キャラクターに実在のモデルがいる説

作中に登場する天才後輩作家・可児那由多(かに なゆた)については、その圧倒的な才能や作風の描写から、『さくら荘のペットな彼女』の作家である鴨志田一を彷彿させるとの声がある。
具体的には、那由多の作品評価として挙げられている「登場人物にヒーロー性は皆無で欠点ばかりが目立つ人物が多い」という点や、ファンの間で「可児節」と称されるユニークな言い回しの多用といった特徴が、鴨志田の代表作『さくら荘のペットな彼女』などの作風と重なる部分があるためである。
また、那由多自身の破天荒な性格や天才ゆえの浮世離れした振る舞いが、『さくら荘』のヒロインである椎名ましろを連想させるという指摘も興味深い。平坂氏がこうした「欠点のある人間臭いキャラクター」や「独特の文体」を持つ作品に対して抱いているリスペクトや、創作への渇望が那由多というキャラクターに投影されているのではないか、という邪推を誘うのも、こういった業界ものの怖いところである。

『妹さえいればいい。』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Choucho『明日の君さえいればいい』

ED(エンディング):結城アイラ『どんな星空よりも、どんな思い出よりも』

ED(エンディング):大野アシュリー(沼倉愛美)『第六感のミストレス』

TVアニメ 『妹さえいればいい。』ED TV版「第六感のミストレス」

ED(エンディング): 三国山蚕 (藤田茜)『イノセント・ラブリー』

TVアニメ 『妹さえいればいい。』ED TV版「イノセント・ラブリー」

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