僕は友達が少ない(はがない)のネタバレ解説・考察まとめ

『僕は友達が少ない』は、平坂読による日本のライトノベルを原作としたアニメ作品。本作は「残念系青春ラブコメ」というキャッチコピーを持っており、他のラブコメ作品とは一味違う、ちょっと残念な、でも憎めないキャラクター達が魅力である。主人公の羽瀬川小鷹は、中身は普通なのにヤンキーっぽい見た目で怖がられてしまい、友達を作れずにいた。そんな時にいつも不機嫌そうで同じく友達が作れずにいる少女、三日月夜空と出会う。そして「隣人部」という友達作りを目指す部活を作ることになる。果たして彼らは本当の友達を作れるのか。

『僕は友達が少ない』の概要

『僕は友達が少ない』は、平坂読による日本のライトノベルを原作としているアニメ作品である。アニメ化だけでなく、実写映画化もしている大人気シリーズ作品である。原作であるライトノベル作品のイラストはブリキが担当している。非リア充キャラクター達が空回りする様子が愛らしく、キャッチコピーは「残念系青春ラブコメ」と公式に発表されている。他のラブコメ作品とは一味違う、ちょっと残念だが憎めないキャラクターたちが魅力的である。公式略称は「僕は友達が少ない」の、平仮名だけ読んで「はがない」である。原作者いわく「自分が見たら絶対に手に取りそうな青春小説のタイトル」という理由からこのタイトルに決まったそうだ。原作とアニメは岐阜県岐阜市をモデルに描かれている。
原作ライトノベルはMF文庫Jより、2009年から2015年まで刊行された全11巻。2010年の「このライトノベルがすごい!」にて作品部門ランキング23位にランクイン。その後2011年には2位となり、最も売れたライトノベルとなった。2018年にシリーズ累計発行部数は700万部を突破している。
友達の作れないキャラクター達が友達を作っていくというのが大まかなあらすじである。実際には主人公をめぐる学園ハーレムのように展開していくのだが、主人公は関係性を変えたくなかったことから誰とも付き合おうとはしなかった。

『僕は友達が少ない』のあらすじ・ストーリー

第1期

隣人部創設

主人公の羽瀬川 小鷹(はせがわ こだか)は、父親が海外へ行ったことをきっかけに、高校2年生の新学期、子供の頃に住んでいた実家のある街の学校に転校することになった。新しい高校生活に胸躍らせていたが、母親譲りの金髪でヤンキーだと誤解されてしまう。転校して1ヶ月経っても友達ができない小鷹は、放課後の教室でエア友達の「トモちゃん」と喋っている三日月 夜空(みかづき よぞら)を目撃。友達が出来ない悩みをお互いに打ち明ける。夜空は友達を作るための部活、隣人部を創設することを小鷹に提案する。天才少女でシスターの高山 マリア(たかやま マリア)を顧問にして無事に部活を創設。

柏崎星奈入部

部員募集のポスターを出すと、成績優秀容姿端麗だが、本当は性格がキツくてお嬢様気質なため友達ができない柏崎 星奈(かしわざき せな)が入部することになる。初めての部活動で三人は協力プレーでゲームをするが、全く協力できずにケンカしてしまう。代わりに星奈はギャルゲーを持ってくる。初めてのギャルゲーに星奈はどハマりしてしまい、徹夜でクリアして2次元の友達ができる。ゲームのキャラクターと海に行った時に泳げないと困るからと、小鷹にプールで泳ぎ方を教わるのだが、不良にナンパされてしまう。持ち前の顔の怖さで星奈を助ける小鷹。その姿にドキドキする星奈。星奈はその時にはすでに小鷹のことを好きになっていた。

楠幸村・志熊理科入部

小鷹は誰かの視線を感じると隣人部の二人に相談。その正体は楠 幸村(くすのき ゆきむら)という女の子のような見た目の男子生徒だった。彼は自分が女の子っぽい見た目であることをコンプレックスに思っており、小鷹のような男らしい男になりたくて尾行していたのだった。夜空はそれを聞いて上手く幸村を丸め込んで入部させることに成功した。理科室で倒れている天才科学者志熊 理科(しぐま りか)を助ける小鷹。出会ってすぐに「哺乳類で初めて興味を持った」と小鷹への好意を本人に告白する。その流れで理科も隣人部に入部することになる。理科がVRゲームの試作品を持ってきたり、みんなでカラオケにいったりして過ごし、夏休みを迎える。小鷹と幸村以外誰も来ない隣人部。出欠の連絡を取り合うためにメールアドレスを交換する。待ち合わせをして、皆でプールにいくことになるのだが、行きのバスの人混みで体調が悪くなる夜空と理科。プールに着いてすぐに勝手に帰ってしまう夜空と理科。小鷹は夜空達と友達と呼べるような関係に近づいてきたと思っていたが、また心の距離を感じてしまう。

変化する隣人部の関係性

小鷹と妹の羽瀬川 小鳩(はせがわ こばと)は、父親の友人で学園の理事長である星奈の父柏崎 天馬(かしわざき ぺがさす)に挨拶をしに星奈の家へ。酒とぶどうジュースで打ち解ける天馬と小鷹だったが、星奈と小鷹が付き合っていると勘違いしてしまう。プールに行けなかった代わりに海のある星奈の別荘へ。ビーチで遊んだりみんなでご飯を食べたりして楽しく過ごす一同。しかし花火をしているときに夜空の髪に火が燃え移り、消火のために小鷹はバケツの水を頭からかけ、夜空はびしょ濡れになってしまう。気まずい空気のまま新学期へ。ショートカットにしてきた夜空を見て、小鷹は夜空が子供の頃の親友そら(夜空の子供の頃のあだ名)だと気づく。夜空は小鷹が転校してきたときから実はそのことに気がついていた。夜空はたか(小鷹の子供の頃のあだ名)に気がついてもらいたくて部活を作っていたのだった。その事実を知っても、隣人部の関係は表面上今までと変わらずに続いていくのだった。

第2期(NEXT)

明かされる真実

期末試験が終わり、お疲れ様会をすることになった隣人部は王様ゲームで盛り上がる。しかし、ゲームでキスしそうになる星奈と小鷹を夜空が止める。この辺りから隣人部の関係が今まで通りではいられない雰囲気になっていった。遊園地に行くことになった隣人部。ジェットコースターで負けを認めない星奈と夜空はついに吐いてしまう。洋服が汚れてしまったので皆で風呂に行くことになるのだが、そこで幸村が男ではなく女だということに気がつく。幸村は家庭の事情で自分が男だと思い込んでいたのだった。研究が地味だと小鷹に言われ、タイムマシンを作る理科。そして10年前にタイムスリップして夜空に合う小鷹。実はタイムマシンというのは嘘で催眠誘導装置だったのだが、眠っている小鷹は夜空の名前を叫んでいた。それを聞いた隣人部のメンバー達は過去の二人が友達だったことを知る。隣人部にとって友達とは特別なもので、初めはショックだった部員達だったが、過去の出来事だと受け入れる。小鳩の誕生日プレゼント選びを口実に、部員達は別々に小鷹を誘うのだが、二人きりではなく全員で行くことになってしまう。さらに人混みに疲れてプレゼントを買えずに帰ることになる。結局各々でプレゼントを買い、お誕生日会を楽しんだ。文化祭の出し物を考える隣人部。小鳩のクラスが映画を制作するということを聞いて映画に決まる。制作の参考にするため、夜空と小鷹は映画を見に行く。隣人部になってから初めての二人きりでの外出に喜ぶ夜空だった。理事長の勘違いをきっかけに、星奈と小鷹は子供の頃にすでに出会っていて許婚である事実を知る。昔のことなど関係ないという小鷹の言葉に、少し残念がりながらもその通りだと肯定する星奈。

初めての友達

隣人部の全員が小鷹に好意があると小鷹も薄々気付き始めていた。しかし、誰かと付き合えばこの関係が崩れてしまうことが分かっていたので、見て見ぬふりをしていた。そのことを理科に言及され、喧嘩になってしまう。そんな折、映画の編集作業の過労で倒れる理科。文化祭当日の上映には残念ながら間に合わなかったが、部内で上映会をして隣人部の文化祭は終わった。許婚の噂が広まっているという話から、勢いで小鷹に告白する星奈。小鷹は聞こえなかったフリで乗り切るが、それ以来隣人部に顔を出すのが気まずくなってしまう。そんな時に生徒会長の日高 日向(ひだか ひなた)に出会う。隣人部から逃げるように生徒会の手伝いをするようになる。そんな時に理科に屋上に呼び出される小鷹。逃げてばかりの小鷹は、理科に本音をぶつけられ心を動かされる。なんとか隣人部を続けられるように理科に助けを求め、理科と小鷹は仲直りをして友達になる。部室に戻り星奈に告白の答えを言おうとした時に、夜空から「旅に出ます。探さないでください。」というメールが届き、物語は終わる。

『僕は友達が少ない』の登場人物・キャラクター

隣人部

羽瀬川 小鷹(はせがわ こだか)

CV:木村良平(幼少期 - 芹亜希子)

主人公で隣人部の創設メンバーの一人。聖クロニカ学園高等部2年5組。考古学者の日本人の父とイギリス人の母との間に生まれたハーフ。母から受け継いだ金髪で、ヤンキーと誤解され続け昔から友達はいなかった。容姿は整っているとは認められておらず、妹が美少女扱いされていて「本当に兄妹?」とも言われている。隣人部内では基本的に隣人部員へのツッコミ担当し、部内で唯一ともいえる常識人である。性格もよく、家族や部員を大切にする面倒見のいいお兄ちゃん。恋愛に関しては鈍感を装っており、部員からのアプローチをかけられても気付いていないフリで隣人部の雰囲気を壊さないように努めていた。勉強は真面目にしていて、どちらかといえば得意な方。父親が家を空けることが多かったため料理も得意で、見かけによらず器用である。

三日月 夜空(みかづき よぞら)

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