ターミネーター3(T3)のネタバレ解説・考察まとめ

2003年公開の大ヒットシリーズ第3作。監督は前作までのジェームズ・キャメロンからジョナサン・モストウに交代。主演はアーノルド・シュワルツェネッガー。“T-1000”との壮絶な死闘から10年、青年となったジョン・コナーの前に突如として女性型ターミネーターT-Xが出現。抵抗軍の重要人物となる人々を次々抹殺し始めた。そこへジョンを守るべくあのT-800と同じ形状のターミネーターが姿を現わす。

2004年時点でのケイトのフィアンセ。
ケイトと一緒に住んでいたことから、ケイトを殺しに住居に侵入したT-Xに殺害される。
死後、逃亡したケイトを探すためT-Xに容姿をコピーされ、警察に協力する。

ピーター・シルバーマン(演:アール・ボーエン)

前2作にも登場する警察病院勤務の専門医師。
本作では、共同墓地でジョンら一行を警察が包囲した際に、連れ去られたケイトを保護する医師として登場する。
そこに現れたT-850を見るなり、過去のトラウマが蘇り、恐怖のあまりその場から逃げてしまう。

新型ターミネーター/T-Xについて

プロフィール

正式名称:TERMINATRIX
通称:T-X

2度の暗殺計画(サラ・コナー及びジョン・コナー)の失敗を憂慮したスカイネットが、2032年に開発した初の対ターミネーター用のターミネーター。
これまでのT-800やT-1000とは異なり、可動部や配線等の露出がなく比較的にコンパクトな構造になっているが、その容姿は人間の美女を模した類まれな美貌とプロポーションとを兼ね備えており、完璧な美しさを求めて造形された。
T-800シリーズ及びそれ以前のターミネーターと同様に金属骨格を有するが、外装は人間の生体組織ではなくT-1000と同じ流体多結晶合金(液体金属)で覆った、ハイブリッド型の構造であり、T-1000同様に触れてデータを読み取った人物に擬態できる。(但し骨格の無いT-1000とは違い、顔や容姿を変化させるなどの擬態はできるものの、骨格の形状を大幅に逸脱するような形態には変形できない。)
最優先ターゲットはジョンだが、「審判の日」以後に抵抗軍に加わる22人の重要人物や、人間に味方するようにプログラムを書き換えられた「裏切り者」のターミネーター(T-800系列)を抹殺する目的でも開発されており、ターミネーターの中でも最強の性能を誇る。

機能

頭部や腰、腕等の各部位がより可動範囲が拡大されている。体の各関節を360度回転させることができる上、変幻自在の液体金属で構成されているため、人体の制約に縛られない動作を各所で活用できる。
隠密性や侵入能力はT-1000に遠く及ばないが、元々対ターミネーター用機種であるため、潜入用としての機能は少なくとも人間に擬態する程度に留めている。その代わり、骨格内部に高度なコンピュータを有しているため、T-800系列やT-1000よりも知能は高い。
コンピュータの処理画面が、T-800系列の赤色ベースとは異なり青色ベースで表現されている(色の認識やGUIの操作風の画面で、強調の意味と思われる赤文字が使われている場面もある)。
血液などのDNA情報を舌で読み取ることも可能であり、特定の人物の抹殺にも威力を発揮する。また、携帯電話などの通信機器を使用し、離れた位置にあるコンピューターのデータベースにアクセスすることができ、標的の顔写真、勤務地、居住地域を割り出せる。
移動速度は常人の歩行速度から、時速80キロメートルの車に追いつく凄まじいスピードまでを発揮でき、T-1000よりも大幅に性能が向上している。
主力武器は右腕に内蔵されているプラズマ砲。強力な光弾を発射する。その威力は消防車を爆発させ、T-850を約数百メートル吹き飛ばしパワーセルを1個破損させた。反面、連射は効かない上に弾道速度があまり速くないと言う欠点がある。また、プラズマ砲の代替武器として火炎放射器も内蔵。プラズマ砲より威力は劣るが間を置かず発射し続けられる。
他に、左腕に内蔵されている回転カッターや、左手指先に搭載されているナノテクノロジー・トランスジェクター(データ転送用ポイント・ドリルを使用して他のマシンのプログラムを書き換える事が出来る)がある。

『ターミネーター3』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

"You were always a delinquent.”(あなたはいつも不良だったわよね。)

フィアンセと平穏な生活を送っていたケイト。
そんなケイトの前に突然現れ自分を襲ったT-Xや、いきなり自分を車に押し込めたT-850。
何が何だか分からずに一緒に逃亡するはめになった幼馴染のジョン・コナーに対し、ケイトは車の荷台でジョンを責め不安をぶちまける。
その中でのセリフ。

誘拐されたと思っているケイトは、10年ぶりに再会したジョンの事も「不良」のイメージしかない。T-850も含め二人の事をギャングだと思って一方的にまくしたてる強気のケイトに、未来の副リーダーの姿を想像させるシーンでもある。

"Your father is the one who can shut Skynet down.”(君の父こそがスカイネットを止められる。)

キャンプ場で無人のキャンピングカーを見つけ、乗り換えの準備をしている時、T-850の口からT-Xの暗殺対象者リストにケイトの父、ロバート・ブリュースターが入っている事を聞いたジョンとケイト。父が何をしているのか詳しく知らないというケイトに対し、T-850は、 ロバートはアメリカ空軍が進めていて、後にスカイネットに発展する「サイバー・リサーチ・システムズ(CRS)」開発計画の総責任者なのだ。そして新たな「審判の日」がまさに今日その日であり、ロバートがその鍵を握る人物であることを知ったジョンはケイトに、「君の父こそがスカイネットを止められる」と言い、すぐさま彼を助け、尚且つ今度こそスカイネットを止めに行こうとT-850を促すのだった。

ケイトの父、ロバートが「審判の日」の鍵を握る人物だと知ってからのジョンは、それまで「審判の日」に悩まされていた不安げな表情から一転し、希望に満ち溢れた表情や態度に変わる重要なシーンである。

"There will be no reason for me to exist.”(私が存在する理由はなくなるだろう。)

ジョン、ケイト、T-850はスカイネットの誕生を阻止すべくCRS研究施設のケイトの父・ロバートの許へ向かう。
フィアンセを殺され、父の計画を知ったケイトは、ようやく自分の身に起こっていることを理解し始め、車中でT-850に「私たちが助からなかったらあなたはどうなるの?」と問うと、彼は「私が存在する理由はなくなるだろう。」と返し、感謝するケイトだった。

この会話から、T-850はジョンとケイトに対し、実はケイトの命令に従うようプログラムされていること、自分を再起動しこの時代に送り込んだのはケイトであること、ケイトは未来のジョンの妻であり副指揮官であることを話すのだが、ここからジョンとケイトの距離がぐっと縮まっていくのが見て取れる感動のシーンである。

”You are terminated."(お前を抹殺する。)

ks0_0v7
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