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仏ゾーン（武井宏之）のネタバレ解説・考察まとめ

『仏ゾーン』とは、武井宏之による仏教を題材とした少年漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品である。『週刊少年ジャンプ』で1997年に連載。千手観音のセンジュが、弥勒菩薩の生まれ変わりである少女サチをインドに送り届ける為仏像に憑依し、現世に降り立つ。人間の欲望を糧とする魔羅（マーラ）、人間を憎むアシュラと戦いながら、センジュたちは旅を続けるのだった。話数こそ少ないが、仏教と少年漫画要素のミックスが独特の魅力となっており、連載終了後も根強い人気を誇る。

江戸時代の人物で、慶派の仏師。腕は確かだが、驕り故に仏像に心がこもらず西岸寺の和尚から苦言を呈されていた。「和尚にケチを付けられた」理由を「ノミのせい」だとして、妹のおせんにノミを買いに行かせた。おせんは帰り道、理不尽な理由で侍に殺されてしまう。怒りと憎しみから仏師の命であるノミで侍を無差別に殺していくが、いくら殺しても憎しみは増すばかりだった。
逮捕され処刑が言い渡されてから自らの過ちに気付いた。「一生に一度くらいは人の心を打つ像を作りたかった」と獄中の柱を茶碗のかけらで削り、見事な千手観音像を彫り上げた。この像は和尚により西岸寺に引き取られ、後にセンジュが憑依することとなる。
アンナに呼び出されてセンジュの憑依像を修繕し、新たな天衣を作り出す。

おせん

純慧の妹。兄が自分の腕に奢り、心のこもった仏像を作れないでいることを憂えていた。ノミを買いに行った際、兄のことを考えていた為に武士にぶつかってしまい切捨て御免で殺された。純慧が最後に彫った千手観音像にはおせんの面影があり、それがセンジュにも受け継がれている。

『仏ゾーン』の用語

仏（ほとけ）

千手観音のセンジュ。

仏教に伝えられる如来、菩薩、天部、明王。厳密には仏教における仏とは悟りを開いた如来のみだが、作中では先の四種をひっくるめて仏と呼ぶ。通常は仏国土で魂だけの状態で存在している。現世での活動の為、自らを象った仏像に憑依する。

仏国土（ぶっこくど）

仏が暮らす世界。仏王こと大日如来は、金剛法界宮（こんごうほっかいぐう）と呼ばれる場所に住む。

仏ゾーン

現世に降り立った千手観音のセンジュ。

仏が仏像に憑依した姿。仏は仏国土では魂のような存在で体がない為、現世での活動のため仏像の体を借りることとなる。像の材質がある程度体にも影響を与えるらしく、ジゾウは石を溶かす成分が使われている温泉に入らなかった。ジゾウが言うには、木製のセンジュが湯につかり過ぎると膨らんでしまうらしい。
ちなみに、千手観音に関しては「合掌している腕が千手観音自身の腕で、残りは能力を表す」といった伝承がある。合掌することで天衣が現れる設定は、この伝承に則っているのかもしれない。

魔羅（マーラ）

欲望の化身といわれる悪魔で、仏敵とも称される。人間の欲望を糧とし、彼らが恐怖心から神仏を拝むことがないよう人前に姿を現さない。全ての衆生を救うミロクを抹殺すべく、仏像に取り憑き「仏ゾイド」となってセンジュたちの前に現れる。

欲界（よくかい）

マーラが住まう世界。天魔波旬によって支配されている。

仏ゾイド（ぶつぞいど）

仏ゾイド（左の2体）。

マーラが仏像に入り込み、活動する姿。

天衣（アーマー）

馬頭天衣。

各仏の武具にして防具。合掌を始めとする印を結ぶことで発動し、仏像に表される姿と同じになる。チャクラが行き届いていれば、より精密な動きができる。新たな千手天衣には「千手千眼観世音菩薩（せんじゅ せんがん かんぜおんぼさつ）」の名が示す通り掌にセンサーがある（掌に目が刻まれた千手観音像が実際にある）、阿修羅天衣の顔型センサーから機械の作動音がするなど、天衣のデザインはロボットのように描かれている。
天衣が破損した際は、その像を作った仏師に作り直してもらう必要がある。

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