ビックリメン(BIKKURI-MEN)のネタバレ解説・考察まとめ
『ビックリメン』とは、「『ビックリマンシール』のブームの再来に湧く令和の日本」を舞台にしたオリジナルテレビアニメ。かつて一世を風靡した『ビックリマンシール』を題材にしており、登場人物は『ビックリマン』のキャラクターをモデルにしている。キャッチコピーは「これが、令和のビックリマン」。
令和の日本では、『ビックリマンシール』が昭和期の大ブーム以上の人気を博していた。高校生のヤマトは、人気のシールがたくさん出ると噂のコンビニを訪れ、そこでシールを巡るコレクター同士の諍いに巻き込まれる。
『ビックリメン』(アニメ)の概要
『ビックリメン』とは、「『ビックリマンシール』のブームの再来に湧く令和の日本」を舞台にしたオリジナルテレビアニメ。キャッチコピーは「これが、令和のビックリマン」。
かつて一世を風靡した『ビックリマンシール』を題材にしており、これに2000年代以降のトレーディングカードの収集文化を絡めた作風が特徴。「レアシールによっては驚くような価値で取引されている」という設定の下、その争奪戦や収集熱に浮かされる人々の姿を描く。
登場人物は全てが『ビックリマン』のキャラクターをモデルに、『シャーマンキング』などで知られる武井宏之が新たに描き下ろしたものとなっている。作中のキャラクターは大半が「因子」と呼ばれる『ビックリマン』のキャラクターとのつながりを有しており、該当するキャラクターのシールを肌に貼ることで鎧をまとったような姿に変身することが可能。変身した者同士による戦闘も描かれており、ヒーロー物としての要素も取り入れている。
令和の日本では、『ビックリマンシール』が昭和期の大ブーム以上の人気を博していた。高校生のヤマトは、アルバイトの配達業務の一環で人気のシールがたくさん出ると噂のコンビニ「Angel Mart」を訪れる。
そこでヤマトは「Angel Mart」とその競合店である「Devil Store」、及び両店を巡るコレクター同士の、「因子」こと“『ビックリマンシール』のキャラクターとのつながりを示す力”を用いた壮絶な戦いに巻き込まれる。やがてヤマトもまた因子を持っていたことが明らかとなり、両店の戦いの中心人物となっていく。
『ビックリメン』(アニメ)のあらすじ・ストーリー
Angel MartとDevil Store
令和の日本では、天使、お守り、悪魔の3属性のキャラクターのシールが封入されたビックリマンチョコが昭和期の大ブーム以上の人気を博していた。ついには三億枚ものシールが強奪される事件までもが発生し、照光子(しょうこうし)たちビックリマン工場の社員一同はさらなる事件の発生を防ぐべく警戒を強めていた。
高校生のヤマトは、アルバイトでビックリマンチョコの配達をたびたび請け負ってはいたが、自分が運んでいるのが世間で話題の代物だとはまったく気付いていなかった。ある時、その並外れた脚力とお客さんに笑顔を届けることの魅力を熱く語るヤマトを見た照光子は、かつて三億枚強奪事件が発生した因縁のルートを辿ってのシールの配送を彼に依頼する。
頼まれるままこれを引き受けたヤマトは、囮になってくれた照光子が襲われている間にビックリマンチョコを配送先のコンビニ「Angel Mart」へと送り届ける。この店は未知の向かい側にある「Devil Store」と競合する間柄にあり、「どちらがビックリマンチョコをより扱うか」については幾度となく衝突を繰り返していた。
「Angel Mart」店長のフェニックス、アルバイトの牛若やジャックは「因子」と呼ばれる異能を持ち、適応するビックリマンチョコのシールを自身に貼り付けることでそのキャラクターの力を使うことが可能で、「Devil Store」側の因子持ちと大立ち回りを繰り広げる。とんでもないところに来てしまったと頭を抱えるヤマトだったが、彼自身もまた因子の持ち主なのだった。
若神子たちの衝突
ヤマト、牛若、ジャックの3人は、それぞれに若神子(わかじんし)と呼ばれる特別な使命を帯びた天使の因子を有していた。ところがDevil Storeで働くフッドやピーターといった少年たちも若神子の因子を受け継いでおり、シールを巡って若神子同士が争う構図が今の時代に出来上がってしまっていた。
自身もまた因子を受け継ぐ存在であることを知ったヤマトは、自分もシールを人々の下に届けるために何かできるのではないかと考え始める。今の時代を生きる者が気にすることではないと彼を諭すフェニックスだったが、見舞いに向かった照光子の病室で「これだけ若神子がそろうということは、なんらかの意味があるのではないか」との指摘を受ける。
Devil Storeの店員たちは、相変わらずAngel Martのビックリマンチョコを狙っており、ジャックの片思い相手である十字架(じゅうじか)をシールの力で悪魔化させる。操られるままAngel Martを襲撃する十字架を牛若が迎え撃つも逆に追い詰められ、「2人を助けなければ」と考えたヤマトは己の体にシールを貼って因子を発動。天聖合身(てんせいがっしん)という現象によって超常の力を獲得し、牛若を救って十字架を正気に戻し、見事に初陣を飾る。
しかし牛若はこれに反発し、「“貸しを作った”などと思われたくない」とヤマトに合身した上での勝負を挑む。すでにシールを使ってしまったヤマトは、「十字架天使のシールと交換なら新しいシールを譲ってもいい」というジャックの申し出を受け、交換用のシールを求めて東奔西走。十字架天使のシールが欲しいジャックは積極的に協力し、成り行きで牛若もこれを手伝う。「持っている」という者を探して交渉することを繰り返し、あるいは隣町まで出掛けてビックリマンチョコを買い求め、3人は少しだけ打ち解けるが、結局目当てのシールは手に入らなかったのだった。
因子の光と闇
牛若たちと行動を共にするようになってしばらくした頃、ヤマトは小さな亀を拾ってペットとして育てるようになった。ある時その甲羅の下にビックリマンシールが貼ってあることに気付いたヤマトがこれを剥がすと、亀はヤマトと同年代の少年へと変身する。驚いたヤマトが牛若やジャックを呼んで相談すると、2人は「コイツはアリババだ」と断定。若神子の一員ながら悪魔と化した存在だとして、ヤマトに警戒を促す。
しかしアリババはどこまでも無気力かつ無反応な少年で、「戦争中の国で生まれた、マリスにここまで連れてこられた」と語るのみだった。因子を持つことにプラスのイメージしか持っていなかったヤマトだが、「家族がいないのも、戦争と貧困の中で生まれ育ったのも、とことん不幸なのも人生に絶望しかないのも、どうやら最初からそういう因子の持ち主だかららしい」と虚無的に口にするアリババを見て衝撃を受ける。ついにはシールを使って投身自殺を試みるアリババだったが、若神子の1人である一本釣が“悪魔を吊り上げる釣り竿”で彼を回収したことで事無きを得る。死に損なったと肩を落とすアリババに、ヤマトたちは「悪魔の因子が無ければ本当に死んでいた、因子が良い方向に作用することだってある」と激励の言葉をかける。
その後アリババはヤマトたちAngel Martの面々と行動を共にするようになるが、一方でマリスたちDevil Storeとも関係を続けていた。しかし自分を「同志」と呼んで尊重する素振りを見せつつ利用してシールを集めようとするマリスを見たアリババは、「ヤマトたちと一緒にいたい」と抵抗。ヤマトやフェニックスの助けを得て、Devil Storeととりあえず縁を切ることに成功する。
いったんは引き下がったマリスだったが、彼がフェニックスに対抗するために合身しようとしていたのはサタンマリアのシールだった。これは『ビックリマン』の世界においてはフェニックスの宿敵で、後にその妻となった女性キャラクターで、彼が暴力と策略を用いてまでもシールを求めつつフェニックスとの直接対決を避けるのもここに理由があった。一方、この時の一件でヤマトたちは『ビックリマン』における悪魔側のリーダーであるスーパーデビルのシールを入手しており、これが新たな騒動の火種となっていく。
矛盾する心
Devil Storeで働く因子持ちのフッドは、中国マフィアの息子だった。彼が日本に来たのはビックリマンカードによる資金集めが目的だったが、「母親の生まれた国を見てみたい」というのも理由の1つではあった。
ある時、市のイベントでラクロス大会が開催されることとなり、ヤマトは「悪魔の因子を持つ者たちとも、アリババのように仲良くなれるかもしれない」と彼に同じチームでの参加を呼び掛ける。フッドはこれをけんもほろろに断るが、「やらないのではなくできないのではないか」と思われることを不快に思い、公園で拾ったクロス(ラクロス用のラケット)を戯れに振るってみる。このクロスは近くの学校のラクロス部の落とし物で、これを探していたナナカという部のマネージャーの少女は「ラクロスに興味があるなら教えます」とフッドにクロスの使い方をアドバイスする。
少しずつクロスの使い方が上達していくのを実感し、それを「おもしろい」と感じたフッドは、それからしばらくナナカと特訓の日々に励む。そんな中、フッドは彼女に「そんなにラクロスが好きなら、マネージャーではなく選手をやればいい」と発破をかけるが、ナナカは「自分は誰かを支える方が幸せ」と言ってこれを拒否する。
やがてやってきたナナカの学校のラクロス部の試合当日、彼女は仲間たちより一足先に試合会場に向かおうとするも、乗り込んだバスが拳銃を持った男にバスジャックされるという憂き目に遭う。これに気付いたフッドは悪漢を叩きのめしてナナカを救い、彼女を試合会場まで連れていこうとするも、当人から「今さら行っても間に合わない、私だって本当は選手になりたかった」との意外な言葉を浴びせられる。それでもフッドに連れられて試合会場に辿り着いたナナカは、マネージャーとして必死にチームを支え、「来てくれて助かった」という部の仲間たちに満ち足りた笑顔を返す。
後日、市のイベントとしてのラクロス大会が開催。フッドはヤマトたちのチームには参加せず、Devil Store前を駆けていくラクロス部の面々と、自転車でそれを追いかけながら応援するナナカを見詰めていた。「選手になりたいのも、マネージャーとして尽くすことが幸せなのも、どちらも彼女の本心。人間は誰でもそんな矛盾を抱えている」とのマリスの言葉を聞いて、フッドは理解できないとばかり首を傾げるのだった。
偽シール事件
偽者のビックリマンシールが出回るようになり、ヤマトたちは照天子に頼まれてこの犯人を探すこととなる。ビックリマンシールや因子の持ち主は「理力」(りりょく)という力を宿しているらしく、偽のシールもそれは同じだった。理力に耐性のない人々は、偽シールの力でたびたび暴走するようになり、その出所を突き止めるべくヤマトたちは街を駆け回る。
そんな中、一行はマリス、フッド、ピーターのDevil Storeの面々から共闘を持ちかけられる。偽物がこれだけ出回るとシール集めもままならず、利害は一致するというのがマリスたちの言い分だった。半信半疑ながらもヤマトたちはこれを受け入れ、偽シールの製造場所と思われる街外れの工場に忍び込む。
そこにいたのは、ヤマトの通う高校の教師でもあるカーンだった。何者かによって邪悪な意志を注ぎ込まれたカーンは暴れ出し、ヤマトたちに襲い掛かるも、天使と悪魔双方の若神子たちの総攻撃によって倒れる。ここにマリスが駆け付け、偽物を作る報酬として受け取っていた大量のビックリマンシールの在り処をカーンに問い質した。正気を取り戻したカーンは「力づくでシールを集めようとする者には屈しない」と口を割らず、業を煮やしたマリスは彼を連れ去ろうとする。フッドとピーターがヤマトたちを足止めするが、駆け付けたフェニックスによりマリスは撤退し、カーンは無事に救出される。
カーンは偽物のシール作りの報酬として大量のスーパーデビルのシールを受け取っており、彼を洗脳したのもまた同じ人物だった。この大量のシールを巡ってヤマトたちAngel Martの面々とフッドたちDevil Storeの面々は激しく争い、最終的にフェニックスとマリスが対峙する。フェニックスはマリスがサタンマリアの因子を継ぐ者だと気付いており、かつてのように和解することはできないのかと訴える。しかしマリスは「お前たちと手を結んだのは間違いだった」とそれを跳ね除け、「ビックリマンを終わらせる」と宣言する。
復活の悪魔王
マリアの因子を受け継いだマリスは、子供の頃からビックリマンシールに対する特殊な力を持ち、これがきっかけで悪魔たちの王であるスーパーデビルに魅入られていた。操られているのか、自分の意志なのかも定かではないままマリスはスーパーデビルのシールを集め続け、かの三億枚シール盗難事件も彼が行ったものなのだった。
そのマリスの様子がおかしいことに気付いたフッドとピーターは、彼が何をしようとしているのかを探るべくDevil Storeの様子を探っていた照光子にむりやり協力させて店の地下に侵入。そこに隠されていた大量のスーパーデビルのシールに照光子とフッドが驚く中、シールを守らんと駆け付けたマリス、マリスに構ってもらうことを至上の喜びとするピーターが彼らを昏倒させる。最近様子のおかしかったマリスを心配するピーターだったが、彼が集めたシールにばかり気を向けて自分を無視することを嘆き、その心の隙を突かれてスーパーデビルに操られてしまう。ピーターの体を依り代に、ついにスーパーデビルが復活するのだった。
ビックリマンの終焉
スーパーデビルの目的は、この世の全てを悪魔化させることで、延々と繰り返させていた天使と悪魔の争いを“悪魔側の勝利”という形で完全に終わらせることにあった。もともと負傷していたフェニックスが倒れ、力を合わせて立ち向かったヤマトたちも敗れ、勝利を確信したスーパーデビルは自身に匹敵する大物悪魔であるブラックゼウスを召喚。一気にけりをつけようとする。
ところがその刹那、マリスがスーパーデビルを裏切る。繰り返される天使と悪魔の争いに絶望した彼は、最強の天使であるスーパーゼウスとブラックゼウスを対消滅させることで、この世からビックリマンそのものを消そうとしていたのだ。しかしマリスの中に「天使たちへの愛情」が芽生えていることを見抜いていたスーパーデビルは、「恐らくこの時を狙って何か仕掛けてくる」と予想しており、彼の計画は失敗。万策尽きて誰もが倒れる中、カーンだけは諦めず、逆転の秘策をヤマトたちの下に届けようとしていた。
天使と悪魔の新たな道
スーパーデビルの策略により、欲望に囚われた人々は悪魔と化し、世界は終焉を迎えようとしていた。逃げ回ることしかできないヤマトたちだったが、そんな中で彼らはマリスが「もしもの時の予備」として用意していたスーパーゼウスとブラックゼウスのシールで再び対消滅を起こそうとしていることを知る。マリスはこれに成功するも、次元の彼方に消えたのは世界ではなく自分だけだったことに気付いて愕然とする。
マリスの中には、「因子の宿命から逃れたい」という想いと共に、「自分のように因子によって苦しむ者を救いたい」との願いもあった。元の世界では以前スーパーデビルの暴威にヤマトたちが苦しんでいることを知り、マリスは愕然とする。己の失策を悔いるマリスの下に、次元の壁を突き破ってヤマトが駆け付け、カーンから預かったシールを渡す。
それは“フェニックスとマリス”が融合した姿を描いた、まったく新しいシールだった。意を決したマリスがこれで合身すると、消滅したフェニックスも復活。2人で1人の存在となった彼らを中心にヤマトたちは反撃に転じ、ブラックゼウスとスーパーデビルを撃破。世界を悪魔化の危機から救う。
それから数日。街は平穏を、ヤマトたちは日常を取り戻していた。Angel MartとDevil Storeは消滅するも、フェニックスとマリスはSEI Martという新しい店を開店。ヤマト、ジャック、牛若、フッド、ピーターといったいつもの面々がここに集まり、ビックリマンを巡って騒がしい日々を続けていくのだった。
『ビックリメン』(アニメ)の登場人物・キャラクター
ヤマト
CV:梶田大嗣
主人公。ビックリ高校の1年生。「ビックリマンシール」の存在はなんとなく聞いたことがある程度だったが、「Angel Mart」を来訪したことをきっかけにレアシール争奪戦に巻き込まれる。
デザインのモデルは「ヤマト王子」。
牛若(うしわか)
CV:森嶋秀太
「Angel Mart」のバイトで十(つなし)高校の一年生。文武両道だが、他人を見下しがちなところがある。
デザインのモデルは「牛若天子」。
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目次 - Contents
- 『ビックリメン』(アニメ)の概要
- 『ビックリメン』(アニメ)のあらすじ・ストーリー
- Angel MartとDevil Store
- 若神子たちの衝突
- 因子の光と闇
- 矛盾する心
- 偽シール事件
- 復活の悪魔王
- ビックリマンの終焉
- 天使と悪魔の新たな道
- 『ビックリメン』(アニメ)の登場人物・キャラクター
- ヤマト
- 牛若(うしわか)
- ジャック
- フェニックス
- 『ビックリメン』(アニメ)の用語
- ビックリマンシール
- 『ビックリメン』(アニメ)の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):Dannie May「コレクション」
- ED(エンディング):ヤマト(梶田大嗣)&牛若(森嶋秀太)&ジャック(橘龍丸)「青春☆ワチャゴナドゥ」