冴えない彼女の育てかた(冴えカノ)のネタバレ解説・考察まとめ
『冴えない彼女の育てかた』とは丸戸史明によるライトノベル、およびそこから派生する漫画、アニメ、ゲーム作品。
物語の主人公とあるオタク高校生が、とある少女をメインヒロインとした同人ゲームを作るためにサークルを立ち上げる。好きなことには熱中するその性格で、メンバー内のもめごとや納期、ライバル同人サークルとの対立など、様々な困難を乗り越えながら奮闘する物語。
『冴えない彼女の育てかた』の概要
原作・丸戸史明、イラスト・深崎暮人による学園ラブコメディ。
正式名称は『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』で、公式の略称は『冴えカノ』。
ライトノベルは既刊16巻。(本編12巻、短編4巻)
本編は13巻で終了することが発表されている。
アニメは、2015年冬に第1期が、2017年春に第2期が放送された。制作会社はA-1 Pictures。監督は亀井幹太。
とあるオタク高校生が、桜の舞う坂道で出会った少女に興味を抱き、その少女をメインヒロインにしたゲームを作ることを思いつく。
実はクラスメイトだったその少女、幼馴染で隠れオタクのイラストレーター、売れっ子ライトノベル作家の先輩を巻き込んで同人ゲームサークルを作る。様々な困難を乗り越え、冬コミでのゲーム発売を目指す物語。
主人公に媚びたりせず超フラットな性格のメインヒロインが人気となり話題に。そのほかにも、ツンデレツインテ幼馴染、ドSな先輩、妹系後輩、距離の近い従妹など、王道キャラも多く出てくるため、多くの人からの支持を集める。
『冴えない彼女の育てかた』のあらすじ・ストーリー
第1期「冴えない彼女の育てかた」
ある春の日、趣味のために新聞配達のアルバイトをしていたオタク高校生の安芸倫也は、桜の舞う坂道で白いベレー帽を風に飛ばされたとある少女と出会う。倫也はその少女に一目ぼれをし、その少女をメインヒロインにしたゲームを作ることを決める。後日、その少女が影の薄いクラスメイト・加藤恵であったことが発覚する。
倫也はサークルを立ち上げ、幼馴染で外面だけは良い隠れオタクのイラストレーター、澤村・スペンサー・英梨々と、成績は常に学年1位の倫也の先輩にしてラノベ作家として活躍する霞ヶ丘詩羽をサークルへ勧誘し、ゲーム作りの協力を依頼するが、断られてしまう。
恵をサークルに引き込み、英梨々、詩羽を説得するためにゲームの企画書を書く倫也。才能のなさを感じあきらめかけたその時、倫也がゲーム作りを決意したあの坂で恵が倫也を励ましに現れる。
恵の協力もあって、英梨々、詩羽を加えた4人で始まったサークル活動。英梨々と詩羽はなぜかいつも喧嘩。恵はメインヒロインなのに影が薄い。さらに加えて厳しいスケジュールと予算に苦しみながら倫也はゲーム制作を進める。そんな中、詩羽が仕上げてきたプロット(シナリオの構成)になかなか納得できない倫也。そんな不安を抱えながら、恵と倫也はショッピングモールにデートに行く。そんなデートの最中に倫也はプロットの修正点を思いつく。過去、詩羽の要求を拒絶し音信不通になった経験がある倫也は、恵をショッピングモールに置いたまま、それをすぐに詩羽に伝えに行く。
夜のホテルの部屋で詩羽を説得し、プロットを2人で修正するなかで、詩羽は倫也とのモノづくりの楽しさを確認し、倫也のことを認めるようになる。一方、英梨々は恵のキャラの薄さと感情のなさでうまく表情が描けず、原画が進まず四苦八苦するが、恵のショッピングモールに置き去りにされた後という怒りの表情を見て、スケッチを描き、原画制作のきっかけをつかむ。
1学期の終業式、妹系後輩で倫也の愛弟子、波島出海が現れる。3年ぶりに会う出海と倫也は、出海が同人活動を始め、夏コミに参加するということで話が盛り上がる。そんな中、出海の兄で超大手同人サークル「rouge en rouge」の代表、波島伊織が英梨々の引き抜きに現れるが、英梨々はそれを拒否し、倫也達とサークル活動を続ける。しかし、夏コミで販売した出海の同人誌を倫也が高く評価したことに対し英梨々は嫉妬し、倫也と距離を置いてしまう。そんな英梨々をサークルに連れ戻すため、倫也は、恵と詩羽の協力のもと、英梨々との仲直りを計画する。8年前、倫也と英梨々がオタクであることをクラスメイトからからかわれた際、英梨々がオタクを辞めて倫也と縁を切ったこと、そして夏コミでのこと、お互いの思いをぶつけ合った。英梨々は倫也に求められた「凄さ」を身に着けて、仲直りをし、倫也の一番になるため、出海に宣戦布告をする。倫也たちは、サークル名を「blessing software」に決め、冬コミに申し込む。
シナリオと原画が進み、倫也がスクリプト(脚本)作成を始め、恵が倫也に内緒でスクリプトの勉強を始める。そして、倫也たちが音楽担当を探していたころ、倫也の従妹でバンド「icy tail」をやっている氷堂美智留が、父親との喧嘩で家出をし、倫也の家に転がり込んでくる。美智留の音楽に可能性を感じた倫也は美智留をサークルに勧誘するが、断られてしまう。しかし、恵の気づきにより、実はicy tailはアニソンバンドで、美智留以外のメンバーがオタクだと発覚する。倫也はそれを利用し、美智留をサークルの音楽担当として引き込む事に成功する。
第2期「冴えない彼女の育てかた♭」
順調に進んでいるように見えるゲーム作成。相変わらず喧嘩をしている英梨々と詩羽だったが、初めて出会った頃からお互いの作品に惹かれあっていた。そんな中、詩羽が仕上げてきたシナリオは2種類。詩羽は倫也にどちらのシナリオを選ぶのか選択を迫る。それと同じころ、冬コミに向け、rouge en rougeが倫也たちと同じジャンルのゲームを制作、その原画担当が出海であることが明らかになる。これによって、出海と英梨々はよりお互いをライバル視するようになる。
恵は詩羽が高3である詩羽自身の今後の進路、倫也と離れるか否かをシナリオに込め、暗に倫也に選択を迫っていることに気づく。恵の『ゲームをプレイしてみればいいんじゃない?』という提案により、2種類のシナリオを実際にゲームを組み込んでテストプレイをすることにした倫也。icy tailのメンバーを巻き込んでの徹夜作業。その結果、倫也は詩羽の思っていたものと明後日の方向に走り、どちらのシナリオも修正することを詩羽に突きつけ、更に新たなシナリオを倫也と詩羽が2人で書くという大幅な軌道修正をすることとなった。
そんな大幅な軌道修正と出海への対抗心、そしてシナリオに合わせて作風を変えようとすることからくるスランプで追い込まれた原画担当の英梨々。自らを追い込むため、那須高原の別荘に閉じこもって作業をする。そして締め切り直前になんとか完成させ、そのまま倒れてしまう。そんな英梨々の看病に訪れた倫也は、完成した原画を見て、英梨々の凄さを認め、2人はお互いに許していなかった8年前の件の仲直りをした。
倫也が英梨々の看病を優先させたため、出店規模は小さくなってしまったが、なんとか冬コミに間に合い、blessing softwareのゲーム、『cherry blessing〜巡る恵みの物語〜』を発売することができた。大きな反響を得たが、恵と倫也の間には英梨々が倒れた際に倫也が独断行動をしたことを巡って亀裂が入ってしまう。
冬コミ後、またスランプに陥ってしまった英梨々。那須高原の別荘で倒れるまで作業したことが脳裏に浮かんで英梨々に絵を描くことを強く言えない倫也。
そんな中、倫也は、次回作『冴えない彼女の育てかた(仮)』を制作するために動き出す。前作では倫也も納得の上ではあったが、詩羽のプロットに引っ張られ、当初倫也が思い描いていた構想と異なるゲームとなってしまったため、今度は倫也の思い描く、恵をメインヒロインにした胸がキュンキュンするゲームを作るため、企画書を作成し、恵を説得する。倫也はこれまでの行動を謝罪し、恵も涙とともに自分の思いをぶつけることで冬コミの時に入った亀裂を修復し、再びblessing softwareとしてゲームを作ることになる。倫也は、詩羽と英梨々も説得しに行くが、実は2人は大手ゲームメーカーからのオファーを受け、blessing softwareから離れる決断をしていた。絶望の中、倫也と恵は、1年前と同じ桜の舞う坂道で、英梨々と詩羽なしでblessing softwareを続けていくことを決意する。倫也と恵が3年生になった春、出海が倫也たちの通う高校に入学してくるところで物語が終わる。
主な登場人物・キャラクター
安芸倫也(あきともや)
CV:松岡禎丞
12月18日生まれ。
主人公。私立豊ヶ崎学園2年B組。1作目のゲーム作成ではプロデューサーとディレクター、一部シナリオ作成を担当した。『icy tail』のマネージャーも務める。
筋金入りのオタクで学校でもそれを公言しており、豊ヶ崎学園の3大有名人のうちの1人である。
TAKIという名で「恋するメトロノーム」の熱烈ファンサイトの管理人をしている。
同人制作の為や趣味の為なら必死な熱意で、周りの面々を引っ張っていく。
加藤恵(かとうめぐみ)
CV:安野希世乃
9月23日生まれ。身長160cm B84/W57/H83
メインヒロイン。私立豊ヶ崎学園2年B組。1作目のゲーム作成ではメインヒロインと、一部スクリプト作成を担当。
春休みに桜の舞う坂道で倫也と出会ったことでゲーム作りに巻き込まれていくことになる。
ゲームを作ってくうちに楽しくなり、サークル活動に積極的になっていく。最初は本当に無感情のようだったが、徐々に感情をあらわにするようになる。
髪形がボブ→ポニテ→ロング→ボブと変わる。
倫也曰く、「最初からそこそこ可愛くてギャップがない、それでいて無個性」「男女の緊張感皆無」だそうだ。
澤村・スペンサー・英梨々(さわむら・すぺんさー・えりり)
CV:大西沙織
3月20日生まれ。身長158cm B79.9/W56/H86
私立豊ヶ崎学園2年G組。1作目のゲーム作成では原画を担当。
イギリス人の父と日本人の母を持つハーフ。家は結構お金持ち。
倫也の幼馴染で学校では猫をかぶっているが実は隠れオタクで柏木エリというペンネームで活躍する新進気鋭のイラストレーター。
感情表現が豊かで、金髪ツインテを利用したツインテビンタが得意技。
「恋するメトロノーム」のファンであるが、作者である詩羽本人には言えていない。
霞ヶ丘詩羽(かすみがおかうたは)
CV:茅野愛衣
1月31日生まれ。身長168cm B89/W61/H88
私立豊ヶ崎学園3年C組。1作目のゲーム作成ではシナリオを担当。
入学以来、常に学年1位であった。普段は物静かなキャラであるが、じつはドSである。
不死川書店のファンタスティック大賞に選ばれ、「恋するメトロノーム」でラノベ作家デビュー。ペンネームは霞詩子。
倫也に対して積極的すぎる言動や態度をとり、周囲から制止されることが多い。
柏木エリの「信者」であるが、本人を目の前にすると毒舌を吐いてしまう。
氷堂美智留(ひょうどうみちる)
CV:矢作紗友里
12月18日生まれ。身長173cm B86/W56/H84
椿姫女子高校2年生。1作目のゲーム作成では音楽を担当。バンド「icy tail」のギターボーカルでもある。
倫也の従妹で倫也と同じ日に同じ病院で生まれた。倫也との距離がなにかと近いが、あまり倫也を異性として意識していない。
オタクのことは理解しておらず、倫也をオタクの道から離そうとしたが、徐々にゲーム作成に積極的になっていく。
波島出海(はしまいずみ)
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目次 - Contents
- 『冴えない彼女の育てかた』の概要
- 『冴えない彼女の育てかた』のあらすじ・ストーリー
- 第1期「冴えない彼女の育てかた」
- 第2期「冴えない彼女の育てかた♭」
- 主な登場人物・キャラクター
- 安芸倫也(あきともや)
- 加藤恵(かとうめぐみ)
- 澤村・スペンサー・英梨々(さわむら・すぺんさー・えりり)
- 霞ヶ丘詩羽(かすみがおかうたは)
- 氷堂美智留(ひょうどうみちる)
- 波島出海(はしまいずみ)
- 波島伊織(はしまいおり)
- 『冴えない彼女の育てかた』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ある春の日、俺は運命と出会った。」(第1期第1話)
- 「私を、誰もがうらやむようなメインヒロインにしてね?」(第1期第3話)
- 「サークルにいたままじゃ、今より前に進めない」(第2期第10話)
- 「私をまた、誰もがうらやむようなメインヒロインにしてね?」(第2期第11話)
- 『冴えない彼女の育てかた』の主題歌
- 第1期OP(オープニング):春奈るな『君色シグナル』
- 第1期ED(エンディング):沢井美空『カラフル。』
- 第2期OP(オープニング):春奈るな『ステラブリーズ』
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