さくら@angel_heart

さくら
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@angel_heart
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さくら

さくらのレビュー・評価・感想 (2/2)

彼に依頼してはいけません
10

最強の美人やイケメンが活躍する話

私は探偵フリークなので、この作品から「雪広うたこ」という存在を知ったが、既存のファンからすると「あの雪広うたこが探偵もの???」という感じになったのではなかろうか。
主人公は「エンパス」という、今話題の「特性」を持っている。「エンパス」とは、私が考えるに、「自分の思考を忘れっぽい人」のことだと思う。ADHDやADDの傾向が強い人はこの「エンパス」の可能性があるのではないだろうか。作中では日本人の五人に一人がエンパスだと言っているので、「ADHDやADDの傾向が強い人」というのは日本では5人に1人居ることになる。主人公はその特殊能力「エンパス」を使い、様々な人格に「変貌」する事で、ある意味ホームズ的な「演技」をすることが可能になっていという秀逸な作りだ。
さて肝心の内容だが、若い人向けにしてはかなりしっかりと取材されており、非常によく出来ている。世界観もほぼ、ハードボイルドでまとまっており、人格的にも雪広うたこ氏の価値観に合っているのだろう。読んでいて「この人挫折したことねーんだろうな」と思わせるほどの「ハードボイルディ」を感じさせる。自分に自信のある美男美女の諸君やまだ挫折を知らない少年少女諸君にお勧めの作品だ。

セッション / Whiplash
9

タイトルなし

セションは2014年にアメリカで制作された。ドラマ映画です。
主人公・ニーマンは19歳のドラマー。偉大なドラマー・バディリッチに憧れ、アメリカ最高峰の音楽大学でドラムの練習に打ち込む少年の物語を描いた作品です。私もドラムをやっているため、共感させられる部分など数多くありました。

ニーマンは、音楽学校の中でも最高の指揮者として名高いテレンス・フレッチャーの目を引き、シェイファーの最高峰であるフレッチャーのスタジオ・バンドに招かれる事になるのですが、その環境は劣悪で、テンポが速いという理由でイスを投げつけられたり、演奏者に暴言が吐かれていました。私自信このような経験はございませんが、これだけ音楽に厳しく忠実になる気持ちもわからなくないと思いました。
ニーマンはある時、大事な舞台でコア・ドラマーの楽譜をなくしてしまい、記憶を便りに「Whiplash」を演奏することとなる。演奏は完璧で、フレッチャーはニーマンをコア・ドラマーに格上げする。これを誇りに思うニーマンをよそに、彼の親戚たちは、俗物的な価値観からニーマンのドラムへの情熱を軽視する。これは、ますますニーマンを世俗的な考えから遠のかせ、ドラムへの病的なまでの執着へと駆り立てていくことになったシーンはニーマンの成長を感じられました。それと同時にニーマンのドラムに対する忠実性は怖いもでした。

カメラを止めるな!
9

終わった時の爽快感が半端ない

製作費300万円弱、全員無名のキャストで作り出した大ヒット作。とにかく面白かった。友人やテレビを通して高評価な映画なのは知っていたが、それゆえハードルはかなり上がっていた。それでもこの映画は、そのハードルを飛び越えてきた。
「エンディングが2回訪れる」のが魅力のひとつ。1つ目はゾンビ映画の終わり。ゾンビ映画を撮影していたところ、スタッフが次々とゾンビになってしまい、ヒロインが苦しみながらも生きるために必死になる。そして2つ目はカメラを止めるな!の終わり。ゾンビ映画の撮影の裏側を映している。ここで初めて、最初に流れたゾンビ映画が、生放送であることを知る。キャストの急な変更、想定外のアクシデント、よくあの状況で生放送を乗り切ることができたなぁと素直に感心した。なぜあの時大きな音がしたのか、あの時本当はこんなことがあったなど、俳優だけでなくスタッフにも焦点を当てていて非常にわくわくする映画。
上映してから結構な月日が経っているにも関わらず、劇場は満席。周囲には何度も見ているであろう観客が何人もいた。(最初のゾンビ映画の段階で笑っていたので)
ここでさらにハードルをあげても、まったく問題ないくらいすてきな作品だと思う。

ラ・ラ・ランド / La La Land
4

ミュージカル好きにはちょっと残念だった

かなり期待して観たせいか、見終わった後の感想は、「…なんか残念。」でした。
CMにも使われている、高速道路でダンスするシーン。冒頭シーンが1番の盛り上がりだったように思います。
ミュージカルファンとしては、最初にあんなに、ミュージカルならではのドキドキとか上がる感じを演出しておいて、上がるシーンが最初だけだなんて。こちら側の観る姿勢に迷ってしまいます。
それに、ヒロインのダンスがうまくなくて全然あがらない!例えば、「グレイテスト・ショーマン」であれば、周りのキャストさんが皆さん動けてキレッキレ。それだけでアガるのに、こちらにはそれが無い。影のダンスは明らかに別人だと思います。タップダンスのシーンも、必然性を感じないというか。ただやりたいだけでしょ、という感情が残りました。
途中のストーリーのあたりは、自然に歌うあたりとか、とても良かったんですが、良かったからこそ、ラストで裏切られた感じがしました。よくあるミュージカルのハッピーエンドにしないのは良いですけど、あれじゃあ男が可愛そうすぎて、しかも女がむかつきすぎて、全然感情移入できませんでした。
音楽は素敵だったけど。期待しすぎたのがダメだったのかな。

10-FEET / テンフィート
10

「10-FEET入り口の10曲」を聞いてみて

このバンドに興味を持ったのは、過去に参加した夏フェスに出ていたからだ。
初めは、暑苦しいパワーのあるバンドだなって感じの印象で、少しそそられたもののグサッとくるものはなかったです。先日、某レコードショップに訪れた際、どんなCD出しているのかなとふと疑問に思い手にとって見たのがこのアルバムです。家に帰って携帯に入れイヤホンを耳にさして流した時、ガツンとくるパンチのあるサウンドと、ボーカルTAKUMAの声にやられてしまって鳥肌が止まらなかったことを鮮明に覚えています。その日からリピートでずっとアルバムを繰り返し聞いてました。
ある日、私が某動画投稿サイトで見たライブ映像は、思わず泣いてしまったものです。その曲というのは、このアルバムにも収録されている「アンテナラスト」なのですが、これがたまらない曲なのです。10-feetらしいパンチのあるパンクロックではなく、アカペラから始まる今まで聞いていた曲とが違った切り口から入る曲です。ボーカルのTAKUMAさんがこの曲を制作にいたった背景が少し自分に重なるものがあって、より思いの強いサウンドとなって自分に入ってきたのがすごく印象深かったです。もっと他にもいい曲たくさんあるのでもっと多くの人に知ってほしいです!

聖飢魔II / SEIKIMA-II / THE END OF THE CENTURY
8

日本が誇るヘヴィメタルバント゛です。

聖飢魔Ⅱは、音楽を使って「悪魔教」を広める為に組織された教団である。
この主張は、彼等が地球デビューした当初からのもの。

この文言からもわかる通り、奇抜なスタイル、ド派手な衣装でお茶の間を騒がせた。
今となっては、もうすっかりお馴染みになったが、堅物の多い日本のデビュー当時からこのインパクトである。しかも、今なおその主張はブレずに貫かれている。これはもう素晴らしいといってもいいのではないだろうか。

だが、それも実力が伴ってはじめて説得力を発揮するというもの。勿論、歌唱力は秀逸。悪魔が織りなす、メロディー。
デビュー曲は、「蠟人形の館」。この文字を打った時に、予測変換で出てくる程に認知されている有名曲である。彼等のコンセプトを忠実に表現した楽曲は、そこかしこで流され、悪魔教布教の大きな足掛かりになった。

一方、そんな悪魔を前面に出したヤンチャで好戦的で「ピー」が入る様なヘヴィメタルのバットイメージでは決してない事を、ここで言っておかねばならない。
個人的には、こんなにも品格があり、実に紳士的な悪魔はほかに類を見ないと思っている。
メンバー(構成員)が全員高学歴なのだ。
そのためか、人とは違った視点で歌い上げる曲が。
ロボットのように働く人々を、魂のないアンドロイドに見立てた「STAINLESSーKNIGHT」。悪魔視点の苦悩を歌った「悪魔のブルース」。活力の萎えた若者たちにエールを贈った「空の雫」。欲望にまみれた大人達、またそれらに翻弄されている者達に一石を投じる「MASQUERADE」。
などなど、深く聞けば聞くほど、その歌に魅力を感じることができるのではなかろうか。

さあ、諸君もデーモン閣下の歌声に、エース長官のギターに、雷電殿下のパワフルなドラミングに酔いしれてみたまえ。ふぁはハハハハハ…