彼に依頼してはいけません

さくらのレビュー・評価・感想

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彼に依頼してはいけません
10

最強の美人やイケメンが活躍する話

私は探偵フリークなので、この作品から「雪広うたこ」という存在を知ったが、既存のファンからすると「あの雪広うたこが探偵もの???」という感じになったのではなかろうか。
主人公は「エンパス」という、今話題の「特性」を持っている。「エンパス」とは、私が考えるに、「自分の思考を忘れっぽい人」のことだと思う。ADHDやADDの傾向が強い人はこの「エンパス」の可能性があるのではないだろうか。作中では日本人の五人に一人がエンパスだと言っているので、「ADHDやADDの傾向が強い人」というのは日本では5人に1人居ることになる。主人公はその特殊能力「エンパス」を使い、様々な人格に「変貌」する事で、ある意味ホームズ的な「演技」をすることが可能になっていという秀逸な作りだ。
さて肝心の内容だが、若い人向けにしてはかなりしっかりと取材されており、非常によく出来ている。世界観もほぼ、ハードボイルドでまとまっており、人格的にも雪広うたこ氏の価値観に合っているのだろう。読んでいて「この人挫折したことねーんだろうな」と思わせるほどの「ハードボイルディ」を感じさせる。自分に自信のある美男美女の諸君やまだ挫折を知らない少年少女諸君にお勧めの作品だ。