この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life

『この音とまれ!』とは、2012年9月号から『ジャンプスクエア』(集英社)で連載を開始した、アミューによる少年漫画である。また和楽器の箏をテーマにした学園・音楽漫画でもある。コミックスは27巻が刊行され、累計発行部数は2021年時点で550万部を超えた。
物語は高校の筝曲部に所属する主人公久遠愛(くどおちか)を中心とした、部活で箏を演奏する喜びや葛藤を描いた青春群像劇である。
2017年に作中の楽曲が収録されたCD『この音とまれ!~時瀬高等学校筝曲部~』がリリースされ、2018年「第32回日本ゴールドディスク大賞」で純邦楽・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した。また「第72回文化庁芸術祭賞」のレコード部門で優秀賞を受賞した。
漫画オリジナルの筝曲が4曲あるが、その作曲は筝曲家である作者の姉と母が担当した。曲はコミックス発売を記念して動画公開された。
テレビアニメは2019年4月から6月までと10月から12月まで2クール放送された。また舞台が2019年8月から9月に東京・福岡・大阪で公演された。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Lifeのレビュー・評価・感想

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
7

箏がつなぐ青春学園物語

「この音とまれ!」は、バンドとか吹奏楽ではなく、日本の伝統的な楽器箏(こと)を通じ描かれている青春学園アニメです。筝曲部(そうきょくぶ)の仲間たちが協力し、また独自に特訓したり努力する姿にとても心が温かくなる感動的な物語です。

個々の登場人物の過去からの成長に焦点を当てている今作。それぞれ異なる家庭環境や背景、悩みを、箏を通じて切磋琢磨しながら心をつなげていく過程がとても丁寧に描かれています。特に主人公の九遠愛が自分を変え、不器用ながらも周囲との絆を深めていく様子は感動的。視聴者も一緒に成長しているような感覚を味わえることでしょう。

なんといっても見どころは箏の演奏シーンです。繊細な動きやこんな音色があるのかと感動するシーンもあり、音楽を基盤とするアニメとしての完成度はとても高いと思います。

ただ残念なのはストーリーがやや学園ものあるある感があるところがあり、学園物の好きな視聴者には先がわかってしまう感があります。またキャラクターの心の変化や成長が若干急すぎるのではと思う節もあります。
ですが、全体的にみると心温まるストーリーと箏の演奏シーンはとても素晴らしいです。箏という馴染みのない楽器を題材にしながらもキャラクターたちが懸命に箏に打ち込む姿はとても感動的ですし、心が温かくなります。青春学園物や音楽のアニメが好きな方に是非1度観ていただきたいアニメです。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

高校生に戻りたくなる

この漫画は高校生の箏曲部のお話です。読むと「自分も何か一つでもいいから真剣に始めたい」と思うし、高校生に戻って一からやり直したいとも思います。

主人公は一見不良にみえて悪目立ちするタイプの人と、真面目で目立たない部長です。この2人の出会いから始まります。
1巻から一人ひとりにちゃんとスポットライトが当たっています。
それぞれの琴に対する思いが描かれていたり、最初は人数合わせで部活に入った3バカトリオの生徒が変わっていく過程が描かれていたり。バラバラだった部活のメンバーだったのに、ページをめくるにつれて一つにまとまっていく姿に感動します。絵がすごく綺麗で音が聞こえないはずなのに、絵でその音楽の表現がされていて鳥肌がたってしまうのです。
キャラクターの泣き顔には思わずこっちも顔が崩れて泣いちゃうし、続きを待ち焦がれる。そんな漫画だと思います。

箏曲部のみんなだけでもお腹いっぱいなのに、違う高校の箏曲部のキャラクターたちの話や周りのお友達、叔母、学校の先生など全員に見せ場があります。嫌いなキャラクターが1人もいないです。
「こっちはどうなるんだろう」「あっちはどうなるんだろう」って凄く気になって、「きっとこのキャラも意味があるんだろうな」「見方が変わる時が来るんだろうな」って思います。
大勢の人にこの漫画をすすめたいです。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

一巻からずっと涙あり。ワクワクあり。

『少年ジャンプ』の漫画の『この音とまれ!』を私はお勧めしたいです。初めて読んだのはLINE漫画でした。
高校生の箏曲部の話なんだけど、主人公は不良で黙ってても存在が目立つ愛。箏曲部の部長の先輩は全然目立たない真面目な生徒。
一見全然関わりがなさそうだけど、愛のおじいちゃんが琴を作っていて、箏曲部もそのおじいちゃんが作った部。人数が少ないから部の存続が危なくて入りたいって伝えても、最初はあることがキッカケで信じてもらえなくて…。

読み続けると、本当にこの漫画に出てくるキャラクターそれぞれの人生があって、感動したりそれぞれ思うことや心打たれることがあります。漫画だから全然音が聞こえないのに、綺麗な絵で表現されてて、そこでぐわっと涙が出てきて泣かずにはいられなくなります。

高校生だから恋愛も出てきます。不器用ながら負けじと練習して少しずつできるようになる様子、感覚で少しやればコツを掴んですぐ弾けるようになる人もいたりします。本当に表情ですごく心奪われるから、高校生に戻りたくなるし、これから何か始めたいなって思うきっかけになる漫画だと思います。

箏曲部の漫画だから自分はあんまり興味ないなって思ってたり、思ったりしても1巻から3巻までせめて騙されたと思って読んで欲しいです。きっと「読んで良かった」「続きが読みたい」となると思います。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

ザ・青春漫画

廃部寸前で部員が真面目な男の子武蔵1人しかいない箏曲部に黒い噂のあるヤンキー男子チカが入部してくる話です。
最初は真面目に部活をする気がないと思ってチカを突き放す武蔵。
しかし、チカの態度を見ているうちに本当に真剣に琴をやりたいのかと心を開きかけた時にチカのことをよく思っていない先輩に武蔵が襲われてしまい、それが全部チカのせいにされてしまいます。
誰にも信じてもらえない状況下で武蔵はチカはやっていないと言います。
そうして2人は和解して2人で箏曲部を立ち直していこうとしていく話になってます。
そこからどんどん入部してくる部員たち。
天才と言われていたのに何故か弱小校に入部してきた有名なお琴の家元の女の子や部活を壊そうとしてくる部員、チカの友達のヤンキーくんたちなど、一人一人のキャラにもちゃんとストーリーがあって、みんながどんどんお琴の世界に引き込まれていくのがいいです。
部活に打ち込む熱い気持ちとたまに挟んでくる恋愛っぽい感じがまさに青春漫画って感じです。
チカには荒れていた過去があるので、それも絡んできて泣けるところも沢山あります。
みんなが真剣に1つになって全国1位という目標に向かって頑張っていくのがすごく応援したくなる漫画です。
果たして弱小箏曲部のチカ達は全国制覇することができるのか?
最後が気になる漫画です。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

音を感じる漫画。和楽器である箏(こと)を弾く高校生たち

『この音とまれ!』は札付きの不良だった久遠愛(くどおちか)、廃部寸前の箏曲部(そうきょくぶ)に1人で活動していた部長の倉田武蔵(くらたたけぞう)、箏の家元の子である鳳月さとわ(ほうづきさとわ)、そして、人数合わせで参加した「3バカ」足立実康(あだちさねやす)、水原光太(みずはらこうた)、堺通孝(さかいみちたか)、過去に人間関係を壊された経験から他人の人間関係を壊して回るようになってしまった来栖妃呂(くるすひろ)が箏曲部で全力をかける青春群像劇です。

この漫画の魅力は何より演奏シーン。その圧巻の演出・画力に、音がないはずの漫画で「耳に音が響く」ような錯覚を覚え、鳥肌が立ちました。
それらを奏でるのが、ほぼ素人状態から始まる久遠愛、3バカ、来栖妃呂と、決して実力が高いわけではない倉田武蔵、ずば抜けた実力を持つ鳳月さとわです。演奏というものは1人がずば抜けていても良いものにはならず、6人は多大な努力を費やしました。それぞれに異なる過去を持つことから、人間関係にも困難が伴うことにハラハラさせられます。

作中に出てくる曲は、実際に箏の世界にある名曲たちですが、ある1曲はオリジナルで、その名を「龍星群」。
これは作中では語られることはありませんが、作者であるアミューさんは本作が初連載、「龍星群」というタイトルは少女漫画雑誌りぼんでデビュー作として掲載された読み切りのタイトルであり、思い入れを感じさせられます。

また、作中に登場する楽曲は「龍星群」を含めYouTubeで聴くことができます。作品を読んだ後に聴くと、さらに引き込まれ、どこまでも感動を覚える作品です。
(動画は削除・非公開にされる可能性があります)

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
9

ヤンキーとお琴と青春はサイコーです!

手をつけられないほどのヤンキーが存続危機の箏曲部に入るという設定にどんな感じの漫画だろうと読んでみると、話の展開と青春の熱量とでどんどん引き込まれてあっとゆー間に読めてしまいます。なんせ絵がキレイで、キャラクターも抜群にかわいい!個々がとても丁寧に描かれているのですぐに感情移入できて、どの子がいなくなっても成立しないのです。ヤンキーと家族愛はお約束かもしれませんが、おじいちゃんが愛のことを全力で愛していたことに愛が触れる場面があり、そこは泣けます!!
お琴のことは全く知らなかったのですが、ひたむきに頑張る子たちの熱量がバシバシ伝わってきて、ほんとにうらやましくなります。必死に頑張ることって素晴らしいなーと感じさせてくれるます。それに感化されて、ついてきて支えてくれる大人たちの優しさは見習いたくなりますね。滝波先生のツンデレ具合がたまりません。
そしてそして私がオススメなのは武蔵がどんどんかっこよくなってきて魅力的なところです。比呂との高校生らしい恋愛も入って、そこにナチュラルS要素が加わって、最初の印象とは違いキュン死に必須です!どーした武蔵!と叫んでしまいたくなりますよ。先輩としてみんなを引っ張らなければとここまで頑張ってきた武蔵が報われるように願っています!

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
8

マイナー楽器の丁寧な描写と胸キュン恋愛要素に注目!!

今回私がお勧めする作品は、テレビアニメ「この音とまれ!」です。

この作品は気弱男子、倉田武蔵(くらたたけぞう)と不良男子、久遠愛(くどおちか)を中心に、高校の筝曲部を通して絆を育んでいく青春群像劇です。
筝曲部と聞いて、何をする部活なのかわからない方も多いと思いますが、箏(こと)という楽器を使い演奏をする部活です。
私このアニメを見るまで知りませんでしたが、実際に全国大会なども開催されているようです。

この作品の見どころですが、まずは主人公である武蔵と愛の成長が、箏というマイナーな楽器が知らない人たちにもわかるように丁寧に描かれているところです。
冒頭でも述べた通り、このアニメを見るまで箏のことを全く知りませんでしたが、どういう楽器なのか、演奏するうえで何が大事なのかなどが、
作中でわかりやすく、かつ細やかに描かれていていました。こういう専門的なものを取り扱うアニメは、題材になっているものを理解するというステップが、
ストーリーの中で邪魔になることがあるのですが、このアニメはストーリーだけに集中することができたのが、とても良かった点だと思います。

また、ストーリー自体も、気弱な男子と不良男子が同じ部活で活動する、というありがちな話ではありますが、
二人の箏への情熱や心理描写が、箏と同じくらい丁寧に描かれていて、高校生らしい不器用なところや、
若さゆえのエネルギッシュで大胆な行動も、ストーリーに厚みを生んでいて面白かったです。

さて、この作品の見どころとして、もうひとつ挙げておきたい、というか挙げねばならないのが、筝曲部の恋愛模様です。
これは私がこの作品を推したい最大の理由でもありますが、主人公二人とヒロイン二人の胸キュン要素が素晴らしいのです。

まず筝曲部のメンバーであり、愛のクラスメイトである鳳月さとわ(ほおづきさとわ)。
彼女は箏の家元で、最初は不良の愛を、箏に対して不誠実な男だと思い込み、嫌っていたが、箏に本気で向き合っている愛を見ているうちに、
次第に惹かれていくようになります。また、愛もまたさとわを意識するようになります。この、「不良×お嬢様」のベタ中のベタカップリングが、
二人の成長ストーリーも相まって、とてもいい関係性だと思いました。

そして、同じく筝曲部のメンバーであり、武蔵のクラスメイトである、来栖妃呂(くるすひろ)。
最初は過去の裏切られた経験から、仲間という存在を否定するあまり、筝曲部を破滅に追い込もうとしていたが、
筝曲部のメンバーたちの箏への本気の想いや、武蔵の計らいがあって筝曲部で頑張ることを決意します。
その時救ってくれた武蔵を好きになるんですが、コンクールに集中するためにその思いを封印するっていう真面目さが、
また胸キュンポイントでした。武蔵本人も少しずつ彼女に惹かれていっているのも、青春を感じますね。

以上が、この作品の見どころだと思うポイントです。恋愛ものが苦手な人にはお勧めできませんが、
ベタで甘い恋愛が見たい!正統派の青春群像劇が見たい!という人には、ぜひ一度見ていただきたい作品です。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
9

青春のすべてが詰まっています!!

「この音とまれ!」は高校生たちが筝曲部という部活を通してとても青春を感じさせてもらえる作品です。
恋愛の要素もありますが、私は部活に全力で取り組むという琴がどんなことなのか、仲間と一緒に目標に向かって一生懸命頑張るというのはどういうことなのか、ということかを思い出させてくれる素晴らしい作品だと思います。

学生の頃に部活動を取り組んできた人も取り組んでこなかった人も何か真面目にとりくむものがあった人もなかった人も今現在学生の人も今は社会人になって何年もたつ人も関係なく読んだ人全員が青春を感じられて感動することのできる作品だと思います。
一見、琴というあまり馴染みのない楽器が題材となっているのでイメージが難しいと思いますが、読まず嫌いはしないで読んでみてもらいたいな、と思います。
私は読むまで和っぽい感じで堅い感じなのかな、と思っていましたが、そんなことはなく他の部活動の漫画よりも誰でも読みやすく感動のできる作品でした。
私は漫画で読んでからアニメも見ましたが、どちらが先でもいいとは思いますが、どちらも見ることをお勧めします。
その時に漫画では一つ一つを詳しく考えながらゆっくり読んで、アニメでは実際の演奏の音を聞きながら見てもらいたいな、と思います。
本当に大好きな作品です。ぜひ見てみてもらいたいです。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
9

1つのことにまっすぐに取り組む青春物が好きな人には絶対おすすめ!

少年漫画のジャンルに区分されている「この音とまれ!」ですけど、何よりもまず絵がとてもきれいです。細かいところまで丁寧に、繊細に描かれている反面、デフォルメされた絵も可愛く、このギャップが面白いです。内容自体は、不良少年が琴に集中し、部活動に打ち込んで全国大会を目指すというよくあるようなストーリーといえばそうなのですが、それぞれのキャラの背景が深くて、切なくて、泣けちゃいます。特に、親にも見捨てられ、喧嘩ばかりしていた主人公のチカを時には叱りつつも優しく愛情いっぱいに受け入れ、見守っていたおじいさんとチカのエピソードなんかは何度読んでも泣いてます。そんなおじいさんが大切にしていた琴を知るために筝曲部に入って、真剣に向き合っていくチカの姿がかっこいいです。そして、最初はいろいろ問題があったとしても、最終的にチカを認め、同じ筝曲部の仲間として受け入れた仲間をチカがすごく大切に思っているのもいいです。普段は目つきも態度も悪いのに、仲間に対して見せる笑顔とか最高!作中で出てくる曲のいくつかは動画サイトでも聞けるようになっています。音の迫力だったり彼らの思いだったりも伝わってくるので、このシーンでこの曲を弾いているんだと聞きながら読む楽しみ方もできますよ。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

止まるな青春

先輩達が卒業後、たった一人で続けていた廃部寸前の筝曲(そうきょく)部。不良達の溜まり場となっており、どうにかしたいと思いながらもなかなか勇気がだせない”倉田 武蔵”。そんな中、暴力事件を起こしたと地元では有名な”久遠 愛”が入部してくる。そして筝の家元の天才といわれた”鳳月 さとわ”の三人が出会った時、止まっていた青春が動き出す。

ほとんど素人達が集まり、全国大会優勝を目指す定番の青春漫画だが、ついつい引き込まれてしまうのは作者の繊細で丁寧な綺麗な絵とストーリーがあってこそ。コンクールで勝利した時の、部員達の最高の笑顔は拍手を送りたくなるほど素晴らしい。

一生懸命練習している部員達の前には、次々と試練が立ちはだかるが、悩み苦しみながらも、お互いの信頼する、信頼されているという信じる気持ちで部員同士の絆を強め、乗り越えていきます。
なにかに一生懸命取り組むってことは眩しい程に輝いている!

アニメ化された際はコンクール曲「天泣」はオリジナルで作成された。実際の音楽はキャラクター達を尚、色づかせた。

羨ましいほどに純粋にまっすぐな性格の愛(ちか)にとんでもない憧れを抱いてしまう。全力にひたすらにまっすぐキラキラと走り抜けていく高校生達に、心揺さぶられ、感動の涙が止まらない。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

アニメ この音とまれの魅力

アニメを超える音がリアルに聞こえる楽曲が一番の魅力です。いままでに見た中で一番、観ている人が心を動かされる物語になっています。原作も凄いですが、作品をアニメ化にした事からさらに魅力が増したと思いました。一人一人の過去にあった馴れ初めがそれぞれあって、このアニメで観た箏(琴)の音色。箏(琴)ってこんなに音が響くんだと感心し、メンバー全員で奏で合わせた複数の音が人の心に響いて歓喜出来る事のすばらしさに心から感動しました。第二クールが始まった一話目から、続編はクオリティーが下がることが多いアニメーションの世界でクオリティーを保って話しを作り出しているのがすごいです。キャラクターの特徴や性格、事細かに設定している所も魅力の一つでもあります。それぞれの育った環境、境遇、まだ登場してきていないキャラクターなどなど、これからストーリーが進むにつれて登場人物もそうなんですが箏(琴)の音色(音)にも期待したいところです。アニメファンもまだ観ていない人にもお勧めできる、とても魅力のある面白いアニメです。「この音とまれ!」、どうぞご覧あれ。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
8

この音とまれ!

この作品は箏曲部の話なのですが、心に傷を持った人達が集まり、支え合いながら成長していく物語です。読んでいると、とにかく心があったかくなります。音楽を通して気持ちをぶつけ合ったり、聴いている人の心を励ましたり…。読んでいる私も演奏を聴いているかのような気持ちになり、いつも泣きそうになってしまいます。また、表情の描写がとても丁寧で、表情だけでそのキャラクターの気持ちが伝わるような描き方がなされていて、さらに感情移入してしまいます。
私がこの作品を読み始めたきっかけは、本屋さんでたまたま見かけて表紙に惹かれて買ってしまったことです。1話では、ひとりだけの箏曲部を守ろうとしている真面目な部長と、ケンカばかりで勘違いされやすい主人公の愛(ちか)が出会います。いつも誰にも受け入れられない愛が、初めて部長に受け入れられます。何度読み返しても泣けてくる1話で、私も他人が何と言おうと自分でその人を見て自分でその人のことを判断したい、と思うようになりました。私が1番好きなキャラクターは部長なのですが、部長はいつも箏曲部のみんなのことを見ていて、何かあると1番にフォローします。男らしさはないけれど、そういう気配りや優しさがあるキャラクターです。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

こんな青春を送りたかった!

とにかくアツい!そして泣ける作品です。中学で不良少年だった主人公が、高校で部活に熱中し、仲間と支え合いながら全国制覇を目指すという、言ってみればよくある青春マンガのストーリーなのですが、このマンガはまず高校筝曲部を舞台にしている点が新しいと思います。筝を題材にしたマンガというとお堅く感じるかもしれませんが、主人公や部員はほとんど筝の初心者ということで、登場人物たちと一緒に筝のいろはを学んでいけます。作者は筝の経験者なので、楽器の書き込みは当然リアルですし、演奏時の迫力も画から伝わってきます。筝の音色ってどんなものなんだろうと興味がわくような画力です。
そして、登場人物の心理描写が丁寧なのもこの作品の特徴です。登場人物一人一人にしっかりとストーリーがあり、台詞の一つ一つが素敵だなぁと思えるものばかりです。少しずつ成長していく彼らの姿を追っていると、自然と感情移入してしまい、泣けてきます。親との関係、友人との関係、部活内での立ち位置など、高校生というのは様々な周囲との関係で悩む時期だと思いますが、このマンガはそうした高校生が抱える悩みにも触れ、読者がヤキモキするような甘酸っぱい恋愛の要素も含んでおり、まさにこういう青春を送りたかったという要素が満載の作品になっています。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
8

お琴で青春という新しさ

「この音とまれ!」は「ジャンプスクエア」連載の少年漫画です。最初は人数の少なさから廃部の危機に陥るほどの弱小部活を舞台に、高校生の主人公たちがお互いに切磋琢磨して成長。ライバルに出会ったり全国大会を目指します。よくある青春ストーリーもののようですが、この漫画の目新しさはその部活の内容。スポーツ系でも吹奏楽部でもなく、筝曲部という、お琴で合奏する部なのです。お琴はあまり身近な楽器ではないため、とっつきにくいかもしれません。しかし、主人公を始めとする部員のほとんどが部活で初めてお琴に触れるため、今までお琴のことを知らなかった人でも読みやすいです。また、動画サイトで劇中曲の演奏が見られたり、コンクールが開催されたり、CD・楽譜が発売されたりと、漫画だけではわからない実際の曲も聞くことが出来ます。主人公は「愛(チカ)」という男の子。最初は暴力的な不良のように描かれていますが、それには悲しい事情があったことが明かされていきます。そのほかのキャラクターも、それぞれ辛い過去や、現在進行形で悩みをかかえています。明るい話ばかりではないので、とにかくスカッとしたい人にはおすすめではありませんが、人間関係や技量に悩みつつ成長していくストーリーを求めている人にはぴったりです。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

臨場感あふれる琴の青春マンガ!

毎巻泣けてしまいます!琴の部活に青春を捧げる高校生たちの物語!
先輩も全員卒業して、二年生たった一人の部活になってしまった武蔵。断りきれない気弱な性格のせいで、部室は不良の溜まり場になりつつあった。新入生が入ってきた4月、新入部員をいれないと廃部に‥。づかづかと入ってきた新たな不良‥?かと思いきや、突きつけてきたのは書きなぐった入部届。果たしてどうなる‥??家元の女の子も入ってくるがこれもまた曲者。何か影が見受けられます。不良男子とはバチバチだし、弱小部活にはそぐわないほどに見事な腕前。なぜこんな部活に入ったのか、彼女なりの理由があるのです。

様々な葛藤を抱えながらも、乗り越えていくヒューマンラブコメ青春ストーリー。とにかく熱い!友情も恋愛も、そして聞こえてこないはずの音色が迫力がなぜだか嘘みたいに伝わってくるタッチ!最近アニメ化もされて勢いづいているオススメの作品です。琴に全く縁もゆかりもないのですが、はまってしまって動画サイトで曲名を調べて聞いてしまったほどでした。琴の描写もさることながら、それぞれの子どもたちの葛藤や心の揺れが最高級にうまいです。個人的には単純に絵が好きです。ジャンププラスでも読めるようです。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

超本格的音楽&超青春マンガ!

日本で生まれ育ちながら伝統の和楽器「箏」に触れたことのある人は少ないだろう。なんとなく敷居が高くて近寄りにくいイメージが浸透しているからなおさらだ。
このマンガはすごい!革命的だ。
お箏が世間の表舞台に堂々と現れた。これは箏をする者は大歓喜である。どういう曲をどんなふうに演奏しているのかの表現が素晴らしい。
17巻で新入部員の由永くんとモモヤンがそれぞれ「六段の調べ」のさわりを弾く場面があるが、
ここのオノマトペだけで由永くんは古典向き、モモヤンは現代曲向きのセンスを持ち合わせていることがわかる。
経験者であればより楽しめると思うが、もちろん未経験者もキャラクターがどんな曲の演奏をしているのかイメージをつかみやすい表現がふんだんに盛り込まれている。
例えば合奏の場面ではキャラクターたちとともににオノマトペと譜面が描かれる。勢いが激しければ譜面(もはや効果線のようだ)の動きも連動し、静かに水面にしずくがしたたり落ちるパートに入れば穏やかなオノマトペが効果的に映える。
ちなみに作中で使用されるオノマトペ(シャシャテン、コロリンなど)は箏特有の譜面の読み方である。
音が伝わってくることもすごい要素の一つだが、キャラクターたちがお箏に関わっていくストーリーも見入ってしまう。
一見、お箏とは無縁にしか思えない元不良や性格難ありギャルが一体どうしてお箏に?
有名な元不良少年のチカ。友情が大嫌いで箏曲部を壊滅させる目的のヒロ先輩。みんなで一緒にがんばる系の意味がわからないモモヤン。
紹介しきれないけれど、一癖も二癖もあるキャラクターたちが次々と真剣にお箏にのめりこんでいくのだ。
『この音とまれ!』は「音楽マンガ」であり「青春マンガ」だ。