1つのことにまっすぐに取り組む青春物が好きな人には絶対おすすめ!
少年漫画のジャンルに区分されている「この音とまれ!」ですけど、何よりもまず絵がとてもきれいです。細かいところまで丁寧に、繊細に描かれている反面、デフォルメされた絵も可愛く、このギャップが面白いです。内容自体は、不良少年が琴に集中し、部活動に打ち込んで全国大会を目指すというよくあるようなストーリーといえばそうなのですが、それぞれのキャラの背景が深くて、切なくて、泣けちゃいます。特に、親にも見捨てられ、喧嘩ばかりしていた主人公のチカを時には叱りつつも優しく愛情いっぱいに受け入れ、見守っていたおじいさんとチカのエピソードなんかは何度読んでも泣いてます。そんなおじいさんが大切にしていた琴を知るために筝曲部に入って、真剣に向き合っていくチカの姿がかっこいいです。そして、最初はいろいろ問題があったとしても、最終的にチカを認め、同じ筝曲部の仲間として受け入れた仲間をチカがすごく大切に思っているのもいいです。普段は目つきも態度も悪いのに、仲間に対して見せる笑顔とか最高!作中で出てくる曲のいくつかは動画サイトでも聞けるようになっています。音の迫力だったり彼らの思いだったりも伝わってくるので、このシーンでこの曲を弾いているんだと聞きながら読む楽しみ方もできますよ。