様々な伏線やそれぞれの視点で味方が変わる
色々とぶっ飛んだ設定の作品で面白いです。
まず、ヒロインの「キルコ」の、脳と身体が別の人物でできているというのが想像もできなかった設定で非常に興味深かったです。
この設定だけで心を掴まれたのですが、伏線も巧妙に張り巡らされていて、それぞれの視点で物語の見方が変わるところも考えられていてすごいと思いました。
作中に「人喰い」という化け物が出てくるのですが、その「人喰い」が実は元々は人間だったなど少しゾワッっとした事実が出てきます。ですがそれも含めて面白いです。
自分の記憶や実際に関わってみたイメージではいい人だったのに、探っていくと実は悪人だったり、逆に巷の評判では悪人だと思われていた人が、会ってみると誰よりも人情が溢れた優しい人物だったりします。
他人の評判や見た目などで人を判断してはいけないと思わされる作品でした。
1人や1つの団体の偏った意見を聞いていると、その人のイメージをねじ曲がって作ってしまうのは現実でもよくあることです。
この作品は人間のきれいな部分や汚い部分を忠実に再現していると思います。
とにかくどんでん返しがすごい作品で、読んでいて本当に飽きないです。
ちょっとグロテスクな描写もありますが、幅広い人に楽しんでもらえる作品だと思います。