ハートフルなスパイ漫画
表面上は休戦状態で友好関係を築いている西のウェスタリスと東のオスタニア。戦争を企てる者たちが後を絶たず、スパイによる諜報活動、熾烈な情報戦が繰り広げられていた。1900年代の旧東西ドイツをモチーフにされていると言われているが、この世界はあくまで架空の話。
ウェスタリスの諜報機関WISEに所属する〔黄昏〕は変装、作戦遂行における失敗はない敏腕スパイだった。彼にある日下った指令は、オスタニアの国家統一党総裁ドノバン・デズモンドに関する調査である。用心深いデズモンドはあまり表に姿を現さず、謎に包まれた人物だが、彼の息子が通うイーデン校の成績優秀者のみが出られる懇親会に出席することが分かっていた。〔黄昏〕は疑似家族を作り、子供をイーデン校へ入学させ、懇親会に出席し、デズモンドと接触することを命じられた。そのために、「ロイドフォージャー」という精神科医を名乗り、養子を迎えることにする。孤児院で出会った少女アーニャは、オスタニアでかつて研究されていた超能力者を生み出す実験で作られた能力者だった。研究所を脱走したアーニャは場所を転々としながら、安心できる居場所を求めていた。彼女は人の心の中を読むことができた。その能力でロイドの興味を引き、二人は一緒に暮らすことになる。様々な困難を乗り越え、筆記試験を突破したアーニャだが、二次面接では父母揃っての参加が必須となっていた。急遽、母親代わりの女性を探すことになり、町の仕立て屋で出会った女性「ヨルブライア」と偽装結婚をし、面接試験に挑む。しかし、市役所職員ヨルの裏の顔はオスタニアの裏切り者を粛正する暗殺者であった。スパイ、殺し屋、超能力者の不思議な3人が一つ屋根の下で暮らし、それぞれの望みを叶えるため、偽りを演じながら暮らしていくコメディ作品である。毎回、面白い展開になり、涙あり笑いありのこの物語の行方はどうなるのか…ぜひ、その目で確かめてもらいたい。