スパイアクション×ホームドラマの融合
精神科医の父、公務員の母、名門校に通う娘の家族を中心に物語が描かれています。
裕福という点を除けば、ごく普通の家族だが、それはあくまで表向きの顔。本当の正体は、父はスパイ、母は殺し屋、娘は他人の心の声が読める超能力者であり、スパイの父が組織から与えられた任務のために作った偽装家族だったのです。しかも、互いに正体を隠したまま生活を送っています。
その任務とは、国家の危機を招く可能性のある危険人物の男に近づいて動向を探ること。男は公の場に出ることはゼロに近く、彼の息子が通う学校の懇親会に出るくらい。だから、スパイである父は家族を作り、子供を男の息子と同じ学校に入れる必要があった。
懇親会には、選ばれしものしか出られない。何としても懇親会に出るために、偽の親子が奮闘している姿が物語の中心です。
それだけではなく、父と母が偽装家族の生活を送りつつ、こなしている任務のシーンもあります。優れたスパイと殺し屋なので、アクションシーンは痛快で、この作品の魅力の1つ。
また偽装家族ではあるが、描かれている日常は、本当の家族のような温かみのあるシーンが多い。思わず笑ってしまうような場面もあり、ホームドラマ要素も強い。そんな生活を送る中で、家族に対する心情が変化する父や母の気持ちが何ともいえない。
国家の危機を救えるのか。偽装家族の結末はどうなるのか。続きが気になって仕方ない作品の1つです。