スパイものが好きな人にはぜひ見てほしい
『SPY×FAMILY』は、洋画『Mr.&Mrs. スミス』のような作品が好きな人には是非読んでもらいたい作品となっている。
任務のため、とある政治家と接触を図るために疑似家族を作り、その政治家の息子が通う学校に子供を入学させることとなったスパイ、黄昏。作戦を遂行するため、子供のいない黄昏は孤児院へと趣き、そこで人の心が読める少女アーニャと出会い、アーニャを養子として選ぶ。黄昏に勉強を見てもらったこともあり、入学のための筆記試験には何とか合格をするアーニャ。これで作戦遂行の第一歩をなんなく突破した――かのように思えたが、次は両親同伴での面接試験という難題が立ちはだかる。黄昏は妻役の人間を探すため奔走するが、その矢先、ヨル・ブライアという一人の女性と出会う。しかしヨルにも裏の顔があるようで…。そうして互いの素性を隠し合う疑似家族の生活、SPY×FAMILYの幕が開けていくのであった―。
最初は「任務遂行のために疑似家族を作る」としか考えていなかった黄昏が、アーニャやヨルと過ごすうちに少しずつ気持ちに変化が生まれていく描写も見えるため、先の展開が気になる物語となっている。アーニャのことが気になる少年ダミアン、シスコンなヨルの弟ユーリや、黄昏に恋心を抱く同僚のフィオナの登場など、家族外のキャラクターにも味があり、どのキャラに目を向けても楽しめるだろう。また、「いつお互いの正体が分かるのだろう?」とハラハラしながら読むのもお勧めの読み方の一つとして推奨したい。ギャグ描写もしっかりとあるため、繰り返しになるが『Mr.&Mrs. スミス』のようなスパイアクションものが好きで「家族ものの心が温まるストーリーを読みたい」と思ったなら、まずは1巻からぜひ手に取っていただきたいと思う。