銀魂の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『銀魂』は、2004年から2019年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された、空知英秋による漫画作品。万事屋を営む銀髪の侍・坂田銀時とその仲間たちが、宇宙からやってきた異人「天人」たちが闊歩する江戸で、様々なトラブルを起こしたりトラブルに巻き込まれたりする姿を描く、SF時代劇だ。基本的には主要キャラクターたちのドタバタギャグコメディだが、長篇エピソードではシリアスな展開が描かれ、心を動かす名言や名シーンが飛び出す。そのギャップが多くのファンの心を掴み、息の長いコンテンツとなった。

長編エピソード「紅桜篇」の名セリフ。
銀時が紅桜を撃破した。あとは激戦の舞台となった宇宙船から脱出すればいいのだが、高杉が手を組んだという春雨に取り囲まれてしまう。桂と銀時は最後まで船に残って戦い、仲間たちの退路を護る決意を固めた。「世のことというのは中々思い通りにならぬものだな!国どころか友一人変えることもままならんわ!」というセリフは、その戦いの最中に桂が口にしたものだ。
攘夷志士である桂は、天人に屈した国を変えるために戦い続けていた。しかし実際は、国を変えるどころか、狂気の道に進んだ友1人変えられないでいる。それでも、桂が国や友を変えることを諦めることはない。

「始まりはみんな同じだった。なのに…随分と遠く離れてしまったものだな…」

紅桜篇におけるセリフ。高杉と決別した後、桂は銀時と共に船から脱出する。そして高杉が持っていた本を見ながら、「始まりはみんな同じだった。なのに…随分と遠く離れてしまったものだな…」とぼやいた。桂と銀時と高杉。かつては同じ学び舎にいた3人が元の形には戻れないことに対する桂の寂しさが垣間見える。

「男子たる者この世に生まれ出づる時より常に死を覚悟して生きねばならぬ 万事に備えあれば常に冷静でいられる 何が起きようと臆する事はなくなるのだ」

テレビの取材を受けている最中、桂は真選組から襲撃された。桂に密着していた花野アナは、襲撃が日常茶飯事であるという事実に衝撃を受ける。驚く花野アナに、桂は「男子たる者この世に生まれ出づる時より常に死を覚悟して生きねばならぬ 万事に備えあれば常に冷静でいられる 何が起きようと臆する事はなくなるのだ」と告げた。しかしこの直後、桂は真選組の隊士に斬りかかられ、大きな悲鳴を上げることになる。

「桂じゃない ヅラだァァァァァ!!」

長篇エピソード「烙陽決戦篇」の名セリフ。
春雨の第四師団団長にして三凶星の一角、海王星の猩覚と戦う桂。猩覚の圧倒的な力によって、桂は追い詰められる。猩覚が勝利を確信したそのとき、満身創痍の桂が反撃に転じた。「桂じゃない ヅラだァァァァァ!!」というセリフは、猩覚の腹に鋭い一突きを決めた桂が口にしたものである。
桂はこれまで、ヅラと呼ばれる度にそのニックネームを否定してきた。桂にとって「桂」という名前は、「仲間を護れる将」を意味するものである。「桂」でいる限り、桂は仲間を護るという使命から逃れられない。一方で「ヅラ」というニックネームは、将でも何でもない、銀時や高杉の「友」を意味するものだ。かつて銀時は桂に、「俺がお前の将になってやるから、俺といる時はただのヅラでいろ」という言葉を投げかけた。これまで桂が「ヅラじゃない、桂だ!」とニックネームを否定し続けてきたのは、将としてあり続けるため。しかし今は、将という役割を1人で背負わなくていいのだと教えてくれた、銀時たち仲間がいる。桂が自らに課した将としての責任を手放し、銀時たち仲間と互いに支え合いながら戦うことを受け入れた重要なシーンだ。

「恋愛それそのものが無駄からできていることをしらんか」

「人生もゲームもバグだらけ」より。
ゲーム機獲得をかけた勝負の場に、変装で現れた桂が「恋愛それそのものが無駄からできていることをしらんか。無駄に胸をざわめかせ、無駄に不安になり、無駄にあがき、無駄に終わってゆく。だがそれが無駄なことだったと誰が言えようか…いや、その無駄にこそ人生の全てはつまっているのだ」と放った。
人生の真理ともいえる名言だが、マリオの格好をしていることで説得力が落ちている。

エリザベスの名言・名セリフ/名シーン・名場面

エリザベスの中身

エリザベスは、快援隊の坂本が桂に贈った謎の宇宙生物だ。桂はこの奇妙な生物を気に入り、変でかわいいペットの日本一を決めるテレビ番組に出演する。その番組には、定春をつれた万事屋一家も出演していた。変でかわいいペット日本一の座をめぐる、エリザベスと定春の戦いが始まった。やがて、戦いに疲れたエリザベスがリタイアを宣言。その大きな口から、人間の腕が出てきた。エリザベスの白い体は着ぐるみだったのだ。エリザベスの中身は、桂と読者に大きな衝撃を与えた。

「俺には護らなければいけないものがある たとえ地球を滅ぼすことになろうとも たとえあの人と戦うことになろうとも 友の背中を護るのが友というもの そうあの人が…地球の友が教えてくれたから」

長篇エピソード「蓮蓬篇」の名セリフ。
エリザベスが「捜さないでください」というプラカードを残して姿を消した。桂から相談を受けた万事屋はエリザベスの捜索を始める。捜索を進めるうちに、エリザベスの正体が幻の傭兵部族「蓮蓬」の一員で、地球を侵略しにきたスパイだということが発覚する。地球に潜伏していたスパイは、エリザベスだけではなかった。エリザベスら蓮蓬は、スパイ活動の中で地球とそこに住む人々のことを知り、地球を大切に思うようになっていた。もし蓮蓬の将軍であるエリザベスが地球侵略に否定的な意志を示せば、地球に愛着を持っていた部下たちにもその空気が伝わり、彼らは上層部によって粛清されるだろう。「俺には護らなければいけないものがある たとえ地球を滅ぼすことになろうとも たとえあの人と戦うことになろうとも 友の背中を護るのが友というもの そうあの人が…地球の友が教えてくれたから」。仲間を護るため、エリザベスはそう言って、地球と桂を思う気持ちに蓋をした。エリザベスと桂の間に確かな絆があったことがわかる名シーンだ。

高杉晋助の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「獣でけっこう 俺は護るものなんぞないし 必要もない」

中短篇エピソード「からくりお披露目篇」の名セリフ。
平賀源外を唆し、将軍を暗殺しようと企てた高杉。しかしその計画は、銀時たちによって阻止された。騒動のあと、高杉は桂と言葉を交わす。高杉も桂も同じ攘夷志士だ。しかし、桂と比べると高杉のやり方は過激すぎる。桂から見れば高杉のしていることは、気に入らないものを欲望のままに傷つける獣の所業だった。「獣でけっこう 俺は護るものなんぞないし 必要もない」というセリフは、桂に獣扱いされた高杉が口にしたものである。高杉の護りたかったものは、すでに失われて久しい。狂気の向こうにある悲しみが垣間見える、高杉の名セリフだ。

「俺ァ ただ壊すだけだ この腐った世界を」

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