銀魂の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『銀魂』は、2004年から2019年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された、空知英秋による漫画作品。万事屋を営む銀髪の侍・坂田銀時とその仲間たちが、宇宙からやってきた異人「天人」たちが闊歩する江戸で、様々なトラブルを起こしたりトラブルに巻き込まれたりする姿を描く、SF時代劇だ。基本的には主要キャラクターたちのドタバタギャグコメディだが、長篇エピソードではシリアスな展開が描かれ、心を動かす名言や名シーンが飛び出す。そのギャップが多くのファンの心を掴み、息の長いコンテンツとなった。

「女はさァァ 愛するより愛される方が幸せなんだよ!!って母ちゃんが言ってた」

お妙に惚れ、結婚を申し込んだ近藤勲。あっさりと振られたうえにストレートを決められたが、近藤に諦める気はなかった。近藤は志村家の近くにある電柱に登り「女はさァァ 愛するより愛される方が幸せなんだよ!!って母ちゃんが言ってた」と叫んで、お妙の説得を試みる。だからどうしたと言われたらおしまいの、少々ズレた説得方法を取る近藤の姿が面白いシーンだ。

「人は皆 愛を求め追い続けるストーカーよ」

ストーカーとなった近藤から姉を護るため、新八は銀時に助けを求める。銀時はお妙を助けることに消極的だったが、新八から給料の未払いをネタに脅された途端にやる気を出した。銀時がその場でストーカーはどこだと声を荒げると、それに反応して近藤が姿を見せた。ストーカーと呼ばれて出てくるということは、自分がストーカーであると認めているということだ。銀時がそう指摘すると、近藤は「人は皆 愛を求め追い続けるストーカーよ」と答えた。あまりにも堂々としているため、名言だと感じてしまう迷言だ。近藤のどこまでも前向きな思考がわかる名シーンでもある。

「次はバレないようにやるさ」

江戸幕府を傀儡とする組織・天導衆の遊び場だった違法闘技場を、万事屋と協力して潰した真選組。当然その行いが見逃されるはずもなく、真選組局長・近藤勲と、真選組の上司である警察庁長官・松平片栗虎は、幕府上層部から呼び出しを受けた。そこで近藤と松平は、あまり勝手な行動をしないようにと圧力をかけられる。上層部との話が終わったあと、松平は「こんなことはこれっきりにしてくれ」と近藤に告げた。それに対し近藤は「次はバレないようにやるさ」と笑ってみせた。
実は、違法闘技場潰しを決行したのは土方と沖田で、近藤はその話を知らなかった。寝耳に水の一件でお咎めを受けたにもかかわらず、土方と沖田の行いを自らの責任として受け入れた近藤。見出しのセリフには、近藤の土方と沖田に対する信頼がにじみ出ている。さらにこのセリフから、近藤は今後も権力に屈することなく、自分たちの正義を貫くつもりであることがわかる。

「俺は一度としてお前達を家来だと思ったことはねェ 士道の名の下 俺達ゃ 五分の同志(なかま)だ」

長篇エピソード「真選組動乱篇」の名セリフ。
近藤は新参者の伊東鴨太郎を「先生」と呼ぶ。近藤にとって、学者並みの知識と政治力を持つ伊東は、学のない自分に知恵を与えてくれる存在だったからだ。しかし、近藤が伊東を先生と呼ぶことで、伊東は局長である近藤と同等の発言力を持つようになった。伊東の野心に気づいている土方は、それが気に入らない。土方は近藤に、局長という立場に見合った振る舞いを求める。そんな土方に対して近藤が言ったのが「俺は一度としてお前達を家来だと思ったことはねェ 士道の名の下 俺達ゃ 五分の同志(なかま)だ」というセリフだった。
近藤は伊東のことも、上司と部下ではなく同等な仲間だと思っている。同等であれば、自分にないものを与えてくれる人物を敬うのは当然。局長という立場に就いているからといって、その地位を護るために仲間を家来扱いすることなど、近藤にはできなかった。

「謀反を起こされるは 大将の罪だ 無能な大将につけば 兵は命を失う これを斬るは 罪じゃねェ…」

長篇エピソード「真選組動乱篇」の名セリフ。
鬼兵隊と組んで近藤を暗殺し、真選組の実権を握るつもりだった伊東。しかし、彼は鬼兵隊に利用されていたに過ぎなかった。鬼兵隊は、伊東を唆して真選組を分裂させ、相打ちさせようとしていたのだ。土方との戦いで重傷を負った伊東はもはや用済み。伊東は鬼兵隊に裏切られ、殺されそうになる。それを助けようと手を差し伸べたのが近藤だった。伊東は近藤の命を狙った人間だ。そんな人間をなぜ助けようとするのか。困惑する伊東に近藤が告げたのが、「謀反を起こされるは 大将の罪だ 無能な大将につけば 兵は命を失う これを斬るは 罪じゃねェ…」というセリフだ。
普段の近藤は、お妙を追いかけ回してばかりいる困った人間だ。だが、本当に彼がただのストーカーであるなら、土方や沖田を筆頭とする隊士たちが付き従うはずがない。近藤がなぜ局長として慕われているのか、その答えがこのセリフに詰まっている。

「ムラムラします」

新八が女性と文通をすることになった。何を書けばいいのか悩む新八のため、銀時と近藤は一緒に文章を考える。意外なことに、近藤が考えた文章はまともなものだった。しかし途中から雲行きが怪しくなり、結局お妙に関することばかりが目立つ文章ができあがる。近藤は新八が手紙を書いているという設定を忘れて、自分のお妙に対する気持ちをつらつらと並べ立ててしまったのだ。当然、新八は突っ込んだ。志村新八を語るうえでお妙の存在は欠かせないが、あまり長々と姉の話ばかりするのもおかしい。もっと簡潔にと言われた近藤は、手紙の内容を「ムラムラします」という一行に収めた。近藤のお妙に対する率直な気持ちが出てしまったシーンだ。

「誰かがねじ曲がれば他の二人がぶん殴ってまっすぐに戻す、昔からそうだっただから俺達は永遠にまがらねェずっとまっすぐ生きていける」

沖田の姉のミツバの病状が悪化した際、沖田は一睡もしないでミツバのことを見ていた。近藤は言うことを聞かない沖田を殴り、「誰かがねじ曲がれば他の二人がぶん殴ってまっすぐに戻す、昔からそうだっただから俺達は永遠にまがらねェずっとまっすぐ生きていける」と発言。近藤と沖田、そして土方の絆の強さが分かるセリフである。

土方十四郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「マヨネーズが足りないんだけどォォ!」

屯所で怪談話を楽しんでいた真選組隊士たち。そこに突如、焼きそばを持った土方が現れ「マヨネーズが足りないんだけどォォ!」と言って、一同を驚かせた。土方が狂ったマヨラーだということが発覚した名シーンだ。以降、物語が進むごとに土方のマヨラーっぷりは悪化していくことになる。

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「なんちゃってSF人情喜劇」という、独自のジャンルを築いた「銀魂」。地球人、宇宙人が入り乱れてのスケールの大きなストーリー展開と、いずれ劣らぬ濃いキャラの登場人物たちが魅力です。空知英秋(そらちひであき)作画による、少年ジャンプ掲載10年を越す老舗漫画。原作の世界観が人気となり、テレビアニメ、劇場版アニメ、スピンオフ小説、実写映画化にまで広がっています。

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