BLUE GIANT(ブルージャイアント)のネタバレ解説・考察まとめ

『BLUE GIANT』とは、2013年から『ビッグコミックスピリッツ』において連載されている、石塚真一による漫画である。ジャズを題材とする本作品では、世界一のサックスプレーヤーを目指す高校生・宮本大が、仙台、東京、ドイツと拠点を移しながら一歩ずつその階段を上っていく様が描かれている。舞台を海外に移した続編も連載されてシリーズ化しており、2023年には劇場版アニメも公開された。音楽ファンは勿論、幅広い層の読者からも多くの支持を集めている。

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インターナショナル・ジャズ・コンペディション編

早急に金を稼ぐ必要があると悩んでいた大の元に、マイクがジャズミュージシャン専門のコンペ「インターナショナル・ジャズ・コンペディション」の情報を持ってくる。そのコンペは開催年によって募集されているパートが異なるが、今年はテナーサックスだということで、話を持ってきたのだ。優勝賞金も現状の彼らにしては天文学的な金額だという事もあり、大はあっさりと「勝ってくる」と言い放って出場を決め、その大会にエントリーする。
書類選考を勝ち残り、本選に進んだ大はマイクに金を借り、バスを乗り継いで会場に向かっていた。控室には、それぞれの想いや矜持を持ったプレイヤーたちがいた。
緊迫感が溢れる会場でも気さくに笑顔を振りまき、自分らしいサックスプレイを披露した大は予選を勝ち抜いた。3名で臨む決勝戦。大を除く2人は正当派の実力者で、まぎれもない天才だった。しかし、彼らの間でも大の「ただ全力を出す」という姿勢が伝播し、それぞれがすべてを出し切る最高の勝負をするのであった。誰もが素晴らしい演奏を披露していたことから、審査はなかなか結果が出なかった。伝統を重んじる審査員の間では「大が好き勝手にやりすぎている」と批判的な意見も持ち上がったが、「ジャズの未来を誰に託したいか」と1人が問いかけた時、彼らの心は決まったのだった。
優勝トロフィーを手にしたのは大だった。彼は賞金を手にハーレムの自宅に帰り、ハーレムの住人たちは皆一様に彼の帰還を喜んだ。
コンペで優勝したことをきっかけに、大の元には大手のレーベルからの連絡が入るようになった。マイクと共にレーベルを巡った大は、悩んだ末にジャズの最大手である「インパルス」から音源をリリースすることを決める。意気込んでレコーディングに臨む大だったが、何故かあまりしっくりくる感じがしない。アントニオやゾッドもかみ合わないものを感じ、原因は何かと悩む彼らに、ブースの外で控えていた、インパルスの担当エージェントであるパトリックが声をかけてくる。
パトリックは「このバンドは常に90点以上の演奏ができるわけではないが、時々250点以上のものを叩き出す」という彼らの持ち味とも弱点ともいえるポイントを見抜いており、それを活かすべく「ライブで録ってみよう」と提案してくるのであった。

『BLUE GIANT』(ブルージャイアント)からの登場人物・キャラクター

主人公

宮本 大(みやもと だい)

CV:山田裕貴
演奏シーンモーキャプ演者:諸星翔希

本作の主人公で仙台市に住む高校生。性格は真っ直ぐで真面目、そして凄まじいまでのポジティブ思考。中学生の時に友人に連れられて聴いたジャズの生演奏に心打たれて以降ジャズのとりこになる。兄にテナーサックスを買ってもらってからは、バスケットボール部に所属する傍ら毎日河原に通って独りテナーサックスの練習に励んでいた。我流であるがゆえに基礎的な知識や技術に乏しかったが、由井や「バード」のマスター・川西をはじめ、大の奏でる音には多くの人間をうならせるだけの光る何かがあるようである。高校卒業後プロを目指し上京。家族は父・兄・妹で、幼いころに母を亡くしている。

大の家族・友人

宮本 雅之(みやもと まさゆき)

CV:近藤雄介

大の兄。幼少の頃から非常に面倒見のいい性格で、いわゆるお兄ちゃんらしいお兄ちゃんである。高校卒業後に家を出て一人暮らしをしている。大がジャズにはまっていることを知り、初任給をもらったばかりのころ大にテナーサックスをプレゼントした。ジャズに詳しくない雅之はよく分からないまま大に内緒で楽器屋へ赴き、「この店で一番いいやつをください」と50万円以上のサックスを購入、ローン完済後は「チョロいもんですな」と男気溢れるセリフを放っている。

宮本 彩花(みやもと あやか)

CV:須田美玲

大の妹。天真爛漫な性格の、小学五年生の女の子。ダンスに夢中。雅之のことは「おっきいお兄ちゃん」、大のことは「小さいお兄ちゃん」と呼んでいる。
大とは性格が合わないと思っていたが、上京を知った時に号泣する程度には慕っている。その後は由井の元に通い、大が送ってくれたフルートを猛練習中。
『BLUE GIANT SUPREME』では父が倒れたことを大に連絡して知らせている。

大の父

大型スーパーで店長をしている。子どもたちがやりたいことには協力を惜しまない優しい父。『BLUE GIANT SUPREME』では病に倒れるが、命に別状はなかった模様。

三輪 舞(みわ まい)

大の同級生。背が高く、「デカ女」というあだ名で呼ばれていた。大が密かに想いを寄せていた女の子で、デートに誘ったことで距離が縮まりはしたものの、交際にまで発展することはなく卒業。
その後1年間音信不通となっていたが、突然上京して大と再会する。お台場でのデートを楽しんだ後、地元に好きな人ができた、と大に告げて仙台へ帰っていった。

近藤 周平(こんどう しゅうへい)

大の中学時代の同級生。医者の息子という恵まれた環境で育ち、ピアノなどの音楽を趣味にしていた。中学卒業記念で大をジャズライブに誘い、これが彼をジャズに目覚めさせるきっかけとなった。
大とは別の高校に進学してジャズピアノを始めようとしていたものの、大のサックスを聞いたことで医師になる決意を固めた。

仙台の音楽関係者

3bkiri0727
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@3bkiri0727

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『BLUE GIANT』とは、2013年から『ビッグコミックスピリッツ』において連載されている石塚真一による漫画である。ジャズを題材とする本作品は、世界一のサックスプレーヤーを目指す高校生・宮本大が、仙台、東京、ドイツと拠点を移しながら一歩ずつその階段を上っていく様が描かれている。本作には、「お前の音は人を圧倒できるんだ」、「オレはウマくてもヘタでも感動できればいい」など、ジャズだけでなく、音楽に携わっている人には特に心に響くであろうさまざまな名言・名セリフが登場する。

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