うしおととら(うしとら)のネタバレ解説・考察まとめ

『うしおととら』とは、藤田和日郎により『週刊少年サンデー』で(1990年6号~1996年45号)連載された漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。寺の息子である「蒼月潮(あおつきうしお)」が500年前から獣の槍で封印されていた妖怪「とら」の封印を解いてしまう。うしおはとらを警戒して世に放たないために、とらはうしおを食べるスキを狙うために、奇妙な共同生活を始める。そしてこの奇妙なコンビによる壮絶な闘いが始まるのだった。
仏門の一派。しかしながら最大の目的は白面の者を討つことであり、その他にも人間に災いを及ぼす妖を退治する。
それに伴い蒼月家に代々封印されている獣の槍を監視しつつ、槍の伝承者を育成することにも力を入れている。
しかし槍は優れた能力を持つ光覇明宗の伝承候補者ではなく、ごく普通の中学生として育ったうしおを使い手に選ぶ。
それに危機感を抱いた光覇明宗はうしおから槍を奪いとらを滅ぼそうとするが、次第に二人のことを認めるようになる。
HAMMR(ハマー)

HAMMR(HEAD ANTI METAMORPHOSE MEASURE RESEARCH)。対妖怪変化測定研究所。
白面の者に対抗すべく妖怪を科学的に分析して効力のある兵器を開発するために、日本がアメリカに技術援助を依頼したときに作られた組織。
しかし白面の者により上層部の人間が次々と変死を遂げたことにより、撤収を余儀なくされた。
その後、一部撤収に従わない過激な思想を持つ研究者たちにより研究は進められていた。
自らの目的のためには手段を選ばないそのやり方のため、うしおととらとも衝突している。
しかしながら彼らが開発した対妖怪用兵器「キルリアン振動器」は白面の者との最終決戦の時には重要な戦力となった。
『うしおととら』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「もう…喰ったさ。…ハラぁ…いっぱいだ。」

白面の者との決戦後、消えゆくとらがうしおに言った一言。最初はうしおを喰らうために取り憑いていたとら。
しかしうしおとの絆により心が満たされた充足感から出た言葉。
「みんな、仲良うせんとあかんよ。」

2代目お役目様を務めた日崎御角(ひざきみかど)が死に際に言った言葉。
この言葉こそが白面の者と闘うためのカギとなっていく。
「もう誰も…こぼさねえ」

人身御供のため溶鉱炉に飛び込む麻子を必ず助ける決意の言葉。今まで救えなかった命への想いが込められた一言。
『うしおととら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
とら復活の可能性
とらはたしかに死して消えていった。しかしこの作品は含みのある終わり方をしている。
雲外鏡「人間は土に生まれて土に死ぬ。土に死ねばこの世に再びかえってはこない。にもかかわらず、その土からさえこの世に立ちかえってくるもの。それが妖怪なのだよ。だから、だからひょっとしていつの日か…」
うしお「行っくぞーっ、とらーっ!」
とら「うるっせーんだよ、うしおーっ!!」
物語のラストはうしおととらのいつもの言い合いが、二人の姿はなしでセリフのみで描写されている。とらはやはり死んだのか?それとも生き返ったのか?
結末は読者に委ねられている。
うしおの父・蒼月紫暮の伏線

息子のうしおに妖怪の存在や、妖怪を撃退する槍の話をする紫暮。対しうしおは全く信じず相手にもしていない。
うしおから見れば存在するわけがない妖怪や槍の話をするオヤジはアホでホラ吹き。それどころか時折ふらっと寺を抜け出し旅行に行ってしまうなど、不真面目な住職にか映っていない。
しかしこれらの行動には理由があり、この伏線は4巻で回収されている。うしおの父親としての顔とは別に紫暮には別の姿があることを示唆した伏線。
実は紫暮は光覇明宗最強クラスの法力僧。若い頃には獣の槍の伝承者に選ばれずに荒れていた時期もあった。
とらと獣の槍の伏線

うしおがとらと初めて出会ったとき、とらは獣の槍によって封印されていた。
しかし獣の槍は白面の者を討つために存在するもの。つまり妖怪を滅ぼすはずの槍になぜか「封印」されていたとら。この伏線は物語のラストでようやく回収されている。
500年前に獣の槍を使うひとりの侍に追い詰められたとらは、その侍の後方におびただしい数の「婢妖(ひよう…白面の者の使い魔)」を目にする。
ここで侍を倒せば使い手を失った槍は婢妖に粉々に破壊されてしまい、白面の者を討つ手立てが無くなってしまう。
獣の槍の気配を感じることが出来る白面の者の探索から逃れるため、とらは白面の者と同じ体を持つ自分の中に(白面は人間だった頃のとら、シャガクシャの体より怒りと憎しみをエネルギーにしてこの世に実体化して出てきたため)槍を隠そうと考えて自らが槍に刺されて封印されることを選んだ。
『うしおととら』のアニメPV
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目次 - Contents
- 『うしおととら』の概要
- 『うしおととら』のあらすじ・ストーリー
- 封印を解かれた妖怪
- 過去を知る旅
- 白面の者の復活
- 最終決戦ととらとの別れ
- 『うしおととら』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- 蒼月潮(あおつきうしお)
- とら
- 中村麻子(なかむらあさこ)
- 井上真由子(いのうえまゆこ)
- 蒼月紫暮(あおつきしぐれ)
- 鏢(ひょう)
- 過去のキャラクター
- シャガクシャ(しゃがくしゃ)
- ギリョウ(ぎりょう)
- ジエメイ(じえめい)
- お役目様(おやくめさま)
- 日崎御角(ひざきみかど)
- 日崎須磨子(ひざきすまこ)/蒼月須磨子(あおつきすまこ)
- 光覇明宗
- 秋葉 流(あきば ながれ)
- 引狭霧雄 (いなさきりお)
- 妖(バケモノ)
- 白面の者(はくめんのもの)
- 紅煉(ぐれん)
- 『うしおととら』の用語
- 獣の槍
- お役目様
- 光覇明宗(こうはめいしゅう)
- HAMMR(ハマー)
- 『うしおととら』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「もう…喰ったさ。…ハラぁ…いっぱいだ。」
- 「みんな、仲良うせんとあかんよ。」
- 「もう誰も…こぼさねえ」
- 『うしおととら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- とら復活の可能性
- うしおの父・蒼月紫暮の伏線
- とらと獣の槍の伏線
- 『うしおととら』のアニメPV
- スタッフ・キャスト
- 『うしおととら』の主題歌・挿入歌
- OVA
- OP(オープニング):YASU「勇気のファイター」(第1話 - 第6話)
- OP(オープニング):井口慎也「獣の槍」(第7話 - 第10話)
- ED(エンディング):佐々木望「Dear My Best Friend」(第1話 - 第6話)
- ED(エンディング):佐々木望「誰かがおまえを狙ってる」(第7話 - 第10話)
- テレビアニメ
- OP(オープニング):筋肉少女帯「混ぜるな危険」(第壱話 - 第弐拾六話)
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