鬼灯の冷徹(鬼徹)のネタバレ解説・考察まとめ

『鬼灯の冷徹』とは、江口夏実による漫画作品。2014年にアニメ化し、2017年冬に分割2クール編成で第二期が放送。日本の地獄を舞台に、日本神話・御伽噺・妖怪などを元にしたキャラクターが多数登場する。主人公「鬼灯」は、地獄の王「閻魔大王」の第一補佐官を務める鬼神である。カリスマ性を持った秀才であるがドSな性格の鬼灯を中心に、地獄での日常を描く。

EU地獄

魔王サタンを王とする地獄。
サタンの右腕には、悪魔「ベルゼブブ」がいる。
ベルゼブブの妻は、悪魔「レディリリス」。
サタンの城にはメイド服を着用した本場のメイドがいる。

イギリス冥界

イギリスの地獄。
「魔女の谷」という小さな都市があり、魔女の産物が売られているが、海外への持ち出しには厳重な検査がされる。
伝統を重んじ如何にもイギリスという雰囲気があり、観光スポットになっている。
ここで売られている、角や耳を隠して完全な人間に擬態できる薬「ホモサピエンス擬態薬」は第一級国際輸入制限品で、30mlで30万円、効き目は一口で一時間。
そのため税関を通る時に使われる。
副作用でとても眠くなり、副作用無しバージョンは40万円する。

エジプト冥界

神の国・霊の国・地獄の3つの世界で成り立っている。
神の国にあるオシリス宮殿で死者の裁判が行われる。
冥府の神アビヌスによって、死者の心臓と真実の羽根を秤にかける。
善良な者は神の国(楽園)へ行き、普通の者は死者の国へ行き生前と同じような生活をする。
心臓が真実の羽根より重かった悪しき者は、怪物アメミトに心臓を食べられツアト(地獄)行きになる。
ツアトへ行った者は転生されることなく消滅する。

ギリシャ冥界

ハーデスが支配するギリシャの冥界。
冥界の川(日本で言う三途の川に近いもの)の渡し守カロンがいる。
元祖カロン一人では人手が足りなくなり、複数のカロンが着任した。
カロンが美少年であったため、船に乗るのを嫌がる亡者が減った。

現世

現世での鬼灯(加々知)。視察のために髪を切っている。

生者の住まう世界。この世。
時代は現代日本の設定。
鬼灯はたまに現世に視察しに行く。
その際は角を帽子や薬で隠し「加々知(かがち)」という偽名で過ごし、有名テーマパークを見たり、一週間就職して働いてみたりする。
これは現世での価値観や生活を知らなければ、現代人を正しく裁けないためである。
また、地獄のテレビでも現世の番組は放送されており、鬼灯は「世界ふしぎ発見!」やジブリが好き。

縁結び

神無月になると神様達は出雲へ集まって、人間達の縁を結ぶ。
大抵お酒の入ったドンチャン騒ぎになる。
縁結びの札に男女の名前を書くと、きっかけ名人の風神雷神が何らかのフラグを立ててくれる。
閻魔は遊び心で、現世に視察しに行った鬼灯と、同じタイミングで現世の同じ場所に取材しに行ったピーチ・マキの名前を書いた。
しかし全てのフラグを鬼灯がへし折る形になった。

『鬼灯の冷徹』の主な登場人物・キャラクター

閻魔庁

鬼灯(ほおずき)

CV:安元洋貴
幼少期CV:逢田梨香子

本作の主人公。
閻魔大王の第一補佐官の鬼神。
事務作業から現場指揮までこなすエリート補佐官で、常に仕事の事を考えるワーカホリック。
性格はドS且つ冷徹で、相手が上司の閻魔大王や別の国の地獄の住民あろうとも情け容赦ない態度を取る。
他にも、鬼灯に敵意を向けていたり、自業自得の失敗をしたり、情けない事を言ったりすると正論で説教をし、時には物理的な制裁を与える。
しかしそうではない相手には基本的には礼儀正しく紳士であるため、人望は厚い。
何らかの原因でドSスイッチが入ってしまうと、周りを巻き込む不条理さもある。
閻魔大王には一際厳しく、自分はあくまで閻魔大王の補佐官とし閻魔を敬う姿勢を見せながらも、「地獄一頑丈な閻魔大王を叩きつつ黒幕を務めるのが美味しい」と思っている。
桃源郷にいる中国の大妖怪「白澤」とは犬猿の仲で、人伝に白澤の話を聞いたり、不本意に白澤に出会ってしまうと不愉快になり喧嘩になる。
大抵は力の強い鬼灯に白澤がボコボコにされる。
巨漢の閻魔大王の横にいるため体型が分かりにくいが、登場人物の中でも長身でガタイが良く、バリトンの低音ボイス。
容姿端麗のため女性からも人気がある。
集合地獄の極卒「お香」とは幼馴染で、お互いに有能で信頼関係が出来ている。
アイドル「ピーチ・マキ」との絡みも多いが、マキからは怖がられている。
他にもヨーロッパの地獄であるEU地獄の「レディ・リリス」から好かれており、日本に遊びに来るたびに鬼灯に会いに来る。
そのためリリスの夫の「ベルゼブブ」からは妬まれている。
女性の好みは、見た目の美醜は関係なく、動物や虫に臆さない人。
ドSであるため、好みのタイプとしては大人しい女性や最初から言う事を聞く女性は面白くないとしている。
いつも仕事モードの無の境地であるため、女性と浮いた話になることはないが、異性に興味がないわけでは無い。
結婚相手にするなら、自分が作った脳みそのみそ汁を笑顔で飲める人が良いとのこと。
妙に大食いで、巨漢の閻魔大王と同じくらいの量を食べている。
ジブリ映画が好きで、ジブリのパロディネタを口走ることも多い。
動物も好きで、鬼灯が動物好きであるためか、動物の極卒も沢山いる
動物極卒では、桃太郎のお付きだった犬の「シロ」、猿の「柿助」、雉の「ルリオ」と一緒に居ることが多く、大叫喚地獄の兎の極卒「芥子」からも慕われている。
現世に出張する際は、帽子で角を隠したり、薬で角を引っ込めるなどし、「加々知(かがち)」という偽名で現世を視察している。
趣味は金魚草の飼育で、金魚草のコンテストで殿堂入りする程の猛者で、現在は審査員をしている。

鬼灯は鬼神になる前は、神代の頃に生きていた人間で、孤児であったため生贄に選ばれて幼少期に死亡する。
そこへ複数の鬼火が現れて、鬼灯の遺体に入り鬼となった。
木の精「こだま」に後の地獄となる黄泉へ案内され、「烏頭」「蓬」と友人になり、黄泉にある学校へ通い「お香」と知り合う。
その頃は「丁」と名乗っていたが、後の閻魔大王に丁とは召使の意味で名前では無いと言われ、「鬼火」と「丁」で「鬼灯」と命名された。
その際に閻魔大王が地獄という組織を作ろうとしている話を聞き、自分も将来そこで働こうと勉強する。
地獄の完成後、閻魔大王の一代目第一補佐官「イザナミ」の後釜となり、現在までずっと二代目第一補佐官の仕事を全うしている。
こうした経緯のため、閻魔大王に対して一定の敬意を持っているが、あまりそれが表面化される事は少ない。
幼少期の頃や勉強中に白澤と何度か出会っているが、その頃はまだ仲が悪くない。
生贄にされた経緯から、本人がどうしようもないことで差別や中傷をする人間を嫌い、相手が懲りるまで徹底的に「対処」する。
鬼灯にそう思わせた原因である鬼灯を生贄にした村の住人達は、イザナミの御殿の玄関に現在も苦痛を与えたまま飾られている。

閻魔大王/閻魔王(えんまだいおう/えんまおう)

CV:長嶝高士

日本の地獄の王。地獄の最高責任者。
かの有名な閻魔大王であるが、本作の閻魔は柔和で威厳のない弄られキャラ。
仕事をサボりがちであったり、閻魔なのに威厳がなかったりなど呑気な性格。
鬼灯からはぞんざいに扱われ、容赦のない物理的なツッコミや精神的な追い込みを受けたり、お母さんのように叱りつけられる。
しかしそれらを根に持つことはなく、許してしまう器のでかさを持っている。
大食いで、ガタイも良い。
現世へ行く時は165センチに縮む変装をする。

元は人間で、日本人での初の死者とされている。
そのため、人間の居ない太古から存在する白澤や木霊程では無いものの、鬼灯や周りの獄卒よりもずっと昔から存在している。
後に地獄とされる黄泉では、時代を重ねるごとに亡者が多くなり混乱していたため、閻魔はあの世を改革するための署名運動を行う。
そして現在の地獄が作られ、閻魔は自ら地獄の王になった。
署名運動をしている際に幼少期の鬼灯と出会っており、その時に鬼灯に「鬼灯」という名前をつけた。
始めはイザナミが補佐官であったが、イザナミに問題があったため辞めて貰い、その後鬼灯を補佐官に任命した。

獄卒

唐瓜(からうり)

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