ブレーメンII(Bremen II)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブレーメンII』とは、白泉社の『PUTAO』にて1998年に連載を開始した川原泉によるSF漫画。遺伝子工学によって進化した「ブレーメン」と呼ばれる動物たちと宇宙を股に掛けた航海に出る大型輸送船「ブレーメンII」だったが、行く先々でトラブルに巻き込まれる。ほのぼの、まったりとした絵柄とは裏腹の、哲学的かつ計算されつくしたストーリー。深いのに重くなりすぎないSF漫画である。「人間並みの知性を持った動物とお仕事」というある種メルヘンチックな題材の裏にある深いストーリーが魅力。

偏見により浮き彫りになる人間の「負」の面

「アスラン」という星では、感情と関係なく笑顔になり、死に至るという奇病が蔓延。連邦医師会でも原因が突き止められない事態の中、一行はその星に入植すべく同乗していた人間の風水師に、「あの星の相は最悪」と言われる。
アスランの衛星は「ナイフの月」と呼ばれる尖った天体。どうもこの星の開発の際、どこからか「流れて」きたもののようで、「ナイフの月」が来るまでは最高の相、竜穴とされていた。
アームストロングによってワクチンが完成するが、連邦医師会は「カンガルーだから」という理由で信頼せず。怒ったキラ船長はサンプルの中にある「病原」を自ら取り込み発病。ワクチンを接種して完治するまでを映像で記録。患者やその家族の要望もあって連邦医師会を黙らせ、奇病の治療に成功した。
アームストロング医師はブレーメンとして初めて「受賞物の栄誉」を送られることとなるが、本人たちは「ナントカ学会から何かが送られてきた」程度の認識。元々自分の名誉の為ではなく病気の解明やワクチン開発に尽力していたため、栄誉は二の次、三の次なのだ。

本編の間に挟まれる「いんたあみしよん」

チネチッタ星人

「オマケ要素」的に「いんたぁみっしょん」という、小宇宙人が登場する物語もある。

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