ミケランジェロ・プロジェクト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ミケランジェロ・プロジェクト』とは、2014年のアメリカのドラマ映画である。製作・監督・脚本・主演、ジョージ・クルーニー。第二次世界大戦時、ナチスに奪われた美術品を奪還するため、奮闘する特殊部隊「モニュメンツ・メン」の活躍を描いた実録サスペンスである。ロバート・M・エドゼルの『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』を原作とした作品。

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『ミケランジェロ・プロジェクト』の概要

『ミケランジェロ・プロジェクト』(The Monuments Men)とは、2014年のアメリカのドラマ映画である。アメリカでは2014年2月7日に公開。日本では2015年11月6日に公開された。ジョージ・クルーニー監督・脚本・製作・出演。
ロバート・M・エドゼルの『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』を原作としており、第二次世界大戦時にヒトラーによって重要な美術品や文化財が破壊される前に奪還を試みる連合軍の活躍が描かれている。
映画のストーリーは実際の出来事に基づいているが、登場人物の名前は架空である。また、いくつかの史実はドラマに適した形に修正されている。後にクルーニーは、「物語の80%は正確な真実で、シーンに描かれたことのほとんどは実際に起きたことだ」と語っている。
本作は、第9回オクラホマ映画批評家協会賞の隠れたワースト映画賞を受賞している。

『ミケランジェロ・プロジェクト』のあらすじ・ストーリー

「モニュメンツ・メン」の結成

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツは占領地域から教会や美術館の貴重な絵画や彫像を収奪し、総統美術館の建設を企図していた。
1943年、戦況が連合国側に傾き、ナチスは略奪品をドイツ本国へ撤退し始める。さらに、連合軍による爆撃で歴史的財産が失われていく状況に、ハーバード大学付属美術館長のフランク・ストークスは心を痛めていた。ストークスは、後世に残すべき美術品を守るため、若手美術専門家を前線に派遣するようフランクリン・ルーズベルト大統領に直訴。しかし断られたため、ストークスは自らが行動を起こし、全米を回って美術専門家たちに声を掛けた。
こうして1944年3月、ストークス以下、様々な経歴を持つ6人の仲間を加えた美術品救出作戦を主任務とする特別部隊、通称「モニュメンツ・メン」が結成された。

戦地での活動と最初の犠牲

ノルマンディー上陸作戦によって連合軍がヨーロッパ大陸に上陸すると、「モニュメンツ・メン」は収奪された美術品の行方を追って調査を開始した。彼らは人命よりも美術品を重視していると現地の将校から反感を買うこともあったが、ストークスはドイツ語に堪能な兵士サム・エプスタインを仲間に加え、美術品を運搬していた列車を鹵獲するなど、着実に成果を収めていく。
さらなる美術品の追跡のため、仲間たちはそれぞれ別行動を取ることになる。
ジェームズ・グレンジャーはフランスで、美術品略奪を指揮していた親衛隊将校シュタールの元秘書クレール・シモーヌと出会う。しかし彼女はアメリカが美術品を横取りするのではないかと疑い、協力を拒否する。
また、ブルッヘの聖母教会でミケランジェロの聖母子像の調査にあたっていたドナルド・ジェフリーズは、撤退するドイツ軍の略奪から聖母子像を守ろうとして、友軍の協力を得られずに戦死。彼の死は部隊に大きな衝撃を与え、ストークスらは聖母子像の奪還を固く誓った。

ヒトラーの破壊命令と隠された美術品の発見

1944年12月、連合軍が優勢になる中、ストークスは美術品を略奪するソ連軍の動きにも頭を悩ませる。さらに、ヒトラーは自分が死んだら全てを破壊するように命じる「ネロ指令」を発令し、美術品保護は文字通り時間との戦いとなる。
モニュメンツ・メンは活動中にさらなる犠牲を払う。ウォルター・ガーフィールドとジャン=クロード・クレルモンが茂みに潜んでいたドイツ軍に銃撃され、ジャン=クロードが死亡する。
様々な情報から、ナチスが戦火から守るために美術品を岩塩や銅の鉱山に隠していることが判明する。彼らは、リチャード・キャンベルとプレストン・サヴィッツが偶然発見したシュタールから得た情報も含め、大量の美術品を取り返すことに成功する。一方、グレンジャーは根気強くクレールの信頼を得ることに成功し、彼女からナチスが奪った美術品の持ち主を記した極秘の手帳と、特に貴重な美術品がバイエルンのノイシュヴァン・シュタイン城に保管されているという決定的な情報を得る。

アルトアウスゼーでの大発見と歴史への貢献

1945年4月。モニュメンツ・メンはノイシュヴァン・シュタイン城でクレールの情報通りの大量の美術品を保護するが、肝心の「ヘントの祭壇画」とミケランジェロの「聖母子像」が見つからない。しかし、彼らは祭壇画がアルトアウスゼーの岩塩抗にあるとの情報を突き止める。
この鉱山はソ連の支配地になることが決まっており、ソ連軍が迫る中、坑道の入口は爆破されていた。ストークスはドイツ軍将校に中に美術品があることを認めさせ、連合軍は急いで坑道内部に突入。その中には、ヘントの祭壇画とミケランジェロの聖母子像を含む、膨大な量の美術品が隠されていた。
ソ連軍の到着と前後して、モニュメンツ・メンは鉱山からの美術品の撤退に成功し、無事に帰路についた。

彼らが奪還した500万点以上にも上る美術品は、元の持ち主たちに無事に返還された。歴史の影には、文化と芸術を守るという困難な任務を遂行した「モニュメンツ・メン」の偉大な活躍があったのだった。

『ミケランジェロ・プロジェクト』の登場人物・キャラクター

モニュメンツ・メン

フランク・ストークス(演:ジョージ・クルーニー/老年期:ニック・クルーニー)

日本語吹替:郷田ほづみ

「モニュメンツ・メン」のリーダー。ハーバード大学付属美術館の館長。ナチスによる破壊から美術品を守り、略奪品を取り戻すため部隊を結成する。後にエプスタインと組んで行動する。モデルはジョージ・スタウト。

ジェームズ・グレンジャー(演:マット・デイモン)

日本語吹替:咲野俊介

メトロポリタン美術館のキュレーター。パリの友人の美術館長から情報を得るため、単独でパリへ向かう。フランス語を話すが、現地では不自然さを指摘されることがある。モデルはジェームズ・J・ロリマー。

リチャード・キャンベル(演:ビル・マーレイ)

日本語吹替:江原正士

シカゴの建築家。サヴィッツと組み、ベルギーのヘントへ向かう。機転が利き、銃を向けてきた敵兵の警戒心を解くなど、柔軟に対応する。モデルはロバート・ケリー・ポウジー。

ウォルター・ガーフィールド(演:ジョン・グッドマン)

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