花子とアン(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『花子とアン』とは、2014年放送のNHK連続テレビ小説第90作。村岡恵理『アンのゆりかご』を原案に、児童文学の名作『赤毛のアン』の日本語訳を手掛けた翻訳家・村岡花子の波乱万丈な半生を描く伝記作品である。山梨の貧しい農家に生まれた少女・はなが、東京の女学校で英語を学び、持ち前の想像力を武器に『赤毛のアン』を翻訳する道へと進む姿を綴る。吉高由里子が主演を務め、仲間由紀恵や鈴木亮平ら豪華俳優陣が共演した。全放送回で視聴率20%超えを記録する大ヒットとなった。

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『花子とアン』の概要

『花子とアン』とは、2014年度前期に放送されたNHK連続テレビ小説の第90作である。明治から昭和の混乱期に、『赤毛のアン』に代表されるモンゴメリの英米児童文学を日本語に翻訳し、子供たちに夢と希望を送り届けた翻訳家・村岡花子の波乱万丈な半生を描いた伝記作品である。

原案は花子の孫である村岡恵理の著書『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』。脚本を中園ミホ、音楽を梶浦由記が担当した。2013年11月より山梨県などでロケーションが実施され、明治・大正・昭和にわたる物語が製作された。主題歌には、シンガー・ソングライターの絢香による『にじいろ』が起用されている。
主役の吉高由里子は、前作『ごちそうさん』の杏に続き、オーディションを介さない直接オファーによって選出された。製作統括の加賀田透は、映画『横道世之介』での吉高の演技を見て起用を提案し、スタッフや中園ミホも満場一致で支持したと説明している。ナレーションには美輪明宏が起用され、独特の語り口が話題を呼んだ。
その他、仲間由紀恵、鈴木亮平、黒木華 、高梨臨 、伊原剛志、室井滋、石橋蓮司、賀来賢人、土屋太鳳、窪田正孝、松本明子、カンニング竹山、浅田美代子、ともさかりえなどが出演する。

山梨の貧しい小作農家に生まれ、ひとり想像の世界に遊ぶことが好きだった少女・安東はな(後の花子)は、父の勧めで東京の女学校へ編入する。そこで英語を学び、故郷での教師生活を経て翻訳家の道へと進んでいく。つらいときや悲しいときも、持ち前の「夢見る力(想像力)」を支えに乗り越えていくはなは、やがて運命的な一冊『赤毛のアン』との出会いを果たすことになる。

スタッフ
原作: 村岡恵理「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」
脚本: 中園ミホ
音楽: 梶浦由記
制作統括: 加賀田透
プロデューサー: 須崎岳
演出: 柳川強、松浦善之助、安達もじり
ナレーション: 美輪明宏

原作『アンのゆりかご』について

出典: www.amazon.co.jp

戦争へと向かう不穏な時勢に、翻訳家・村岡花子は、カナダ人宣教師から友情の証として一冊の本を贈られる。後年『赤毛のアン』のタイトルで世代を超えて愛されることになる名作と花子の運命的な出会いであった。多くの人に明日への希望がわく物語を届けたい―。その想いを胸に、空襲のときは風呂敷に原書と原稿を包んで逃げた。情熱に満ちた生涯を孫娘が描く、心温まる評伝。

『花子とアン』のあらすじ・ストーリー

明治期

想像の翼と「花子」

1900年、山梨県甲府の貧しい小作農家に生まれた安東はな(あんどう はな)は、学校に通わず家事や子守をして家族を助けていた。ある日、行商人の父・安東吉平(あんどう きっぺい)から絵本をもらう。字が読めないはなだったが、想像の世界に遊ぶことが好きな彼女は、目を輝かせて絵本に没頭した。その聡明さに感心した吉平は、娘を尋常小学校に通わせる。
はなの才能を確信した吉平は、東京のミッションスクール・修和女学校への編入を画策する。母・ふじや祖父・周造(しゅうぞう)は生活の苦しさから反対するが、はなの本を愛する情熱が家族の心を動かし、3年後、給費生として東京へ転校することが叶う。

修和女学校での試練

10歳のはなを待っていたのは、規律厳しい寄宿舎生活だった。同室の醍醐亜矢子(だいご あやこ)と意気投合するが、上級生の白鳥かをる子(しらとり かをるこ)には厳しく注意される。英語教師の富山タキ(とやま タキ)からは「一度でも落第点を取ったら退学」と告げられ、はなは緊張の毎日を送る。
ホームシックから課題で不正を犯し、外国人教師のスコット先生を傷つけてしまったはなは、ブラックバーン校長から謹慎を命じられる。しかし、自らの言葉で和解したいと願い、猛勉強を開始。卒業式で校長の通訳を務めるほど優秀な成績を収めるまでに成長した。

腹心の友との出会い

本科に進級した春、伯爵家令嬢・葉山蓮子(はやま れんこ)が編入してくる。はなはお世話係を命じられ、当初は反発し合うが、大文学会での演劇をきっかけに二人は急接近する。
蓮子が孤独な過去を告白し、はなにとってかけがえのない「腹心の友」となる。はなはこの時期、出版社でアルバイトを始め、印刷屋・村岡印刷の二代目である村岡英治(むらおか えいじ)とも出会う。しかし、蓮子には福岡の石炭王・嘉納伝助(かのう でんすけ)との政略結婚が待っていた。二人は仲違いしたまま、それぞれの道を歩み始める。

故郷での教師生活と『みみずの女王』

卒業後、はなは家庭の事情から東京での就職を断念し、故郷の尋常小学校で代用教員となる。校長の本多正平(ほんだ しょうへい)のもとで教鞭を執るなか、欠席しがちな生徒・小山たえ(こやま たえ)のために童話『みみずの女王』を創作。これが児童文学賞を受賞し、はなは作家としての第一歩を踏み出す。
授賞式で友人や、アルバイトをしていた出版社の編集長である梶原聡一郎(かじわら そういちろう)、村岡英治と再会し、はなの心に再び本を作る情熱が宿る。

翻訳家への道と旅立ち

4年後、蓮子からの手紙に刺激を受けたはなは、第二作『たんぽぽの目』を執筆。これが評価され、梶原が創業する出版社への誘いを受ける。
地主の息子・望月啓太郎(もちづき けいたろう)とのお見合い話や、兄・吉太郎(きちたろう)の軍隊入営、幼なじみの木場朝市(きば あさいち)の想いなど、甲府での絆に後ろ髪を引かれつつも、はなは夢のために東京へ向かう。家族に見守られ、はなは「想像の翼」を広げて新たな舞台へと旅立った。

大正期

東京での再出発と村岡英治との恋

大正期に入り、再び東京へ向かったはなは、梶原が創設した出版社「聡文堂」に編集者として転職する。銀座のカフェーで女給として働く妹・かよの元へ身を寄せながら、はなは編集者生活の厳しさに直面するが、そこで印刷屋の英治と運命的な再会を果たす。
英治の計らいで英文の童話を入手したはなは、仕事の傍ら積極的に翻訳に取り組む。この作品は『王子と乞食』と題され、新雑誌『にじいろ』に連載されることとなった。はなは、自身を応援し続けてくれる英治への恋心を自覚し告白するが、彼が結核を患う妻・香澄(かすみ)を持つ妻帯者であることを知り、激しい葛藤に陥る。一度は甲府へ帰省し、母・ふじの励ましや祖父・周造の叱責を受けて恋心を断ち切ろうとするが、香澄との死別を経て、英治ははなとの再婚を決意。英治の父・平祐(へいすけ)の反対を押し切り、二人ははなの故郷で挙式した。この神前での誓いにおいて、はなは自らを「花子」と名乗ることを同時に誓い、結婚から1年半後には長男・歩(あゆむ)が誕生する。

蓮子の駆け落ち「白蓮事件」

一方、福岡で「籠の鳥」のような生活を送っていた蓮子は、上京した際に社会主義を志す帝大生・宮本龍一(みやもと りゅういち)と出会い、禁断の恋に落ちる。蓮子は伝助との絶縁状を新聞に公開し、龍一と駆け落ちを果たす。世間を震撼させたこの騒動の中、花子は親友の逃亡を必死に支援した。
紆余曲折の末、伝助が身を引く形で離婚は成立するが、激怒した蓮子の兄・葉山晶貴(はやま あきたか)によって蓮子は実家に監禁されてしまう。その孤独な生活の中で、蓮子は龍一との子である純平(じゅんぺい)を出産。震災を機にようやく実家から解放された蓮子は、龍一や姑の浪子(なみこ)と同居を始め、のちに長女・富士子(ふじこ)を授かる。村岡家と宮本家は、家族ぐるみの親交を深めていった。

関東大震災の悲劇と再起

大正12年9月1日、花子が完訳した『王子と乞食』の単行本化が決まり、希望に満ちていた矢先、関東大震災が発生する。村岡印刷は全焼し、英治の弟・郁弥(いくや)がかよにプロポーズした直後に命を落とすという悲劇に見舞われた。
花子と英治は絶望の淵に立たされながらも、郁弥の遺志を継ぐべく自社の再建を目指す。醍醐亜矢子や、かつては敵対していた嘉納伝助らの協力を得て、二人は出版社を兼ねた印刷会社「青凜社」を立ち上げ、ついに『王子と乞食』の出版に漕ぎ着けた。

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