京騒戯画（アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ
『京騒戯画』とは、2013年に放送された東映アニメーションとバンプレストによるSFアニメ作品である。本作はアニメの放送に先行して計7つのプロモーションビデオから公開されており、その『第0話・予習篇』において映像の美しさやド派手な演出に注目が集まった。
京都の山奥に住む僧侶・明恵上人（みょうえしょうにん）が創り出した世界「鏡都（きょうと）」に迷い込んだ少女・コト。そこで上人の子供・鞍馬（くらま）、八瀬（やせ）、明恵（みょうえ）と出会い、家族の在り方や愛とは何かを追求していく物語である。
第8話・鏡都は自分の大切な家族を守るための場所だったと話した稲荷は、「共にあってくれる者の存在が、どんなに自分の中で大きいか！」と叫び、兄から与えられた狐の面を御神刀で砕いた。これは、神社世界の兵としてでなく、1人の父としての話であるという意思の表れともとれる。
鞍馬「いつまでいじけてるつもりだ。お前が変わらなけらば、お前の世界はいつまでも変わらない。」
長男として明恵の背中を押した鞍馬。
第9話・地下空間に閉じ込められた鞍馬、ショーコ、明恵。このまま閉じ込められていた方が楽だと言い出す明恵に、鞍馬は「いつまでいじけてるつもりだ。お前が変わらなけらば、お前の世界はいつまでも変わらない。」と話す。続けて「前を見ろ、先へ進め。未来を望む行為が過去を裏切ることには成りえないのだ、薬師丸。」と背中を押した。明恵がまだ薬師丸だったころから、鞍馬は長男としていかなる時も前を向き、兄弟たちの背中を押してきたのだ。
コト「トドメなんていつでも刺してあげるから、もう少し一緒にいよう？生きてよ明恵。生きててよ、イヤかもしんないけど。」
自分を殺してくれと願った明恵に素直な気持ちを話したコト。
自らの死を望む明恵だったが、どうしてもそれを受け入れたくなかったコトは、明恵と高天原に飛ばされる最中に「トドメなんていつでも刺してあげるから、もう少し一緒にいよう？生きてよ明恵。生きててよ、イヤかもしんないけど。」と素直な気持ちを打ち明けた。コトが居候し始めてからケンカの絶えない日々を送っていたが、家族である今、二人の間には愛が生まれているのだった。
『京騒戯画』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
謎の存在・伏見
鞍馬寺の科学者である伏見は鞍馬やショーコと共に外の世界のことなど様々な研究をしていた。しかし、最終話である第10話において、神社世界で神社組織の制服を身にまとい宮司と話している様子が描かれている。伏見はもともと、神社世界の人間だったのだ。
アニメ作品には珍しい演出の「第5.5話」と「第10.5話」
京騒戯画では、特典映像などではなくアニメ本編の中に番外編のような回が含まれている。第5.5話「京都実録篇」は、宮司役・矢尾一樹、吽役・白石涼子に加えて宮司の側近役・中山恵梨香が、京都の鞍馬寺や高山寺を訪れ、鳥獣戯画などを実際に見ていくといった内容。ナレーションには古都役・久川綾も参加している。第10.5話「復習篇」は、コト役・釘宮理恵と明恵役・鈴村健一のナレーション付きで京騒戯画を一から振り返るというものである。
一家の行く末を見守っていた神
本作をよく見ていると、「鳥獣戯画」の兎、蛙、猿が現れる場面がたびたび登場する。その中の兎こそが世界の創造主・神であり、声優を務めるのが1話から声のみ登場しているナレーションと同じ銀河万丈である。このことから、本作は神が一家の行く末を見守っていた話とも考えられている。
あえて説明をしないという作品の在り方
京騒戯画の監督を務めた松本理恵は「個々のシーンの説明はしない。」という主旨の発言をしており、全話を通して見ても謎が残る作品となってる。「稲荷はなぜ幼い姿なのか。」「三人議会の長男、次女、三男という違和感のある続柄には理由があるのか。」などといった点については説明がないため不明なままである。
『京騒戯画』の主題歌・挿入歌
OP（オープニング）：たむらぱん「ココ」
作詞・作曲：田村歩美
シンガーソングライターのたむらぱんによるオープニングテーマ曲「ココ」（第10話のみエンディングに使用）。シングル「ココ」に収録されている。タイトルは「此所」と「個々」のダブルミーニングとなっており、「大丈夫世界は繋がる様に動いてるんだ」など本作の内容に沿った歌詞が登場する。
ED（エンディング）：TEPPAN「疾走銀河」
作詞・作曲：TEPPAN
3人組ロックバンドTEPPANによるエンディングテーマ「疾走銀河」（10話のみ挿入歌に使用）。アルバム「TEPPAN☆PUNCH」に収録されている。イントロの印象的なロックサウンドに加えタイトル通り疾走感あふれる楽曲が、派手でスピード感のある展開を繰り広げていく本作とマッチしている。
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目次 - Contents
- 『京騒戯画』の概要
- 『京騒戯画』のあらすじ・ストーリー
- 予習編
- 三人議会の誕生
- コトと家族
- 八瀬のトラウマ「駅開き」
- 明恵と家族
- コトと母の再会
- 13番目の並行軸「鏡都」の崩壊
- 世界の創造主と明恵の決断
- 家族と愛の結末
- 『京騒戯画』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- コト
- 明恵（みょうえ）／薬師丸
- 鞍馬（くらま）
- 八瀬（やせ）
- 明恵上人（みょうえしょうにん）／稲荷（いなり）
- 古都（こと）
- 阿（あ）
- 吽（うん）
- 鞍馬の部下
- ショーコ博士（しょーこはかせ）
- 伏見（ふしみ）
- ビシャマル
- 神社世界
- 宮司（ぐうじ）
- 宮司の側近
- 子、子（ね、こ）
- その他
- 明恵の彼女
- 社の少女
- 八幡（はちまん）
- 神（かみ）
- げじげじ
- パクパク
- 『京騒戯画』の用語
- 鳥獣戯画
- 鏡都
- 神社
- 平行軸
- アラタマ
- 三人議会
- 鞍馬寺
- 駅開き
- 『京騒戯画』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 鞍馬「泣くな。二人はもういないんだ。僕らは僕らでやっていく、大丈夫だ。」
- 明恵「母親が見つかったら、お前が俺を殺してくれ。」
- 「おかえり！」
- 稲荷「共にあってくれる者の存在が、どんなに自分の中で大きいか！」
- 鞍馬「いつまでいじけてるつもりだ。お前が変わらなけらば、お前の世界はいつまでも変わらない。」
- コト「トドメなんていつでも刺してあげるから、もう少し一緒にいよう？生きてよ明恵。生きててよ、イヤかもしんないけど。」
- 『京騒戯画』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 謎の存在・伏見
- アニメ作品には珍しい演出の「第5.5話」と「第10.5話」
- 一家の行く末を見守っていた神
- あえて説明をしないという作品の在り方
- 『京騒戯画』の主題歌・挿入歌
- OP（オープニング）：たむらぱん「ココ」
- ED（エンディング）：TEPPAN「疾走銀河」
- 挿入歌：Aimee Blackschleger「The Secret of My Life」