地獄楽(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『地獄楽』とは2018年から2021年にかけて賀来ゆうじにより『少年ジャンプ+』にて連載された和風アクション漫画。江戸時代末期を舞台とし、最強の忍として畏れられた画眉丸が愛する妻と再会するため「不老不死の仙薬」を求め島をめぐる忍法浪漫活劇。美しくも悲壮感溢れるタッチで描かれた群像劇で、疾走感のあるアクションシーンも魅力である。戦闘シーンだけでなく多くの回想シーンもあり、多くのキャラクターに感情移入しやすい作品になっている。最終回公開時にテレビアニメ化も決定した人気作品である。

御試御用を務める浪人・山田家の実娘。当主の娘でありながら屋敷で静かに暮らす道ではなく、自ら剣を振る道を選んだ。父・山田浅エ門吉次のある一刀を理想としている。女性ながら剣技に優れている。しかし殺すことへの恐れが拭いきれず、島への上陸後も悩む場面が見られる。悩みなどの精神面が太刀筋に影響しやすく、迷いが消えた際の実力は他の山田家一門からも一目置かれている。表情は少なく、性格は純粋で真面目。島への上陸してすぐのころは、担当の死罪人・画眉丸に手縄を外さぬように真面目に指示し続けていた。初恋は同じく山田家一門の殊現。盲目であり自身でそれをネタにした発言をする士遠の冗談の唯一の理解者でもある。
試一刀流十二位。担当の死罪人は画眉丸。タオは木。

仙太(せんた)

幼少期から絵を描くことが好きだったが、実家のしきたりによって山田家へ入門。しきたりなどの規則にとらわれない杠の生き方に強い憧れを抱いている。性格は気弱で心優しい。宗教や植物学など幅広い知識を持ち、同様に学問に関心のある付知と仲の良い場面も見られる。島への上陸にも書物を持ち込んでいる。剣術は山田家一門の中でも珍しいフェンジングのように突く動作によるもの。
試一刀流五位。担当の死罪人は杠。タオは不明。

桐馬(とうま)

死罪人・亜左弔兵衛の実弟。山田家への入門から1か月という驚異的なスピードで代行免許を取得。全幅の信頼を置く兄を助けるため山田家に潜入した。長髪で女性と見間違えてしまうような容姿をしている。兄とともに盗賊団を作り上げたが、兄を信頼するあまり、自身では考えず兄に判断を任せる傾向がある。兄を心から尊敬している様子と見事な連携から、Twitterで開催された「地獄楽共闘番付」にて第一位を獲得した。
試一刀流段位は未定。担当の死罪人は亜左弔兵衛。タオは土。

典坐(てんざ)

町で荒れていたころに、士遠に拾われ山田家に入門した。士遠のことを「先生」と呼び慕っている。物事を深く考えることは苦手で、ヌルガイがサンカであることから死罪になり生きることを諦めていた際も生き抜くよう説得するなど、明るくまっすぐな性格をしている。その性格から出会って間もないヌルガイからも気に入られ、少女であることが判明した時には裸を見ないようにする紳士的な様子もあった。出番の少ない人物であるが、印象的なシーンや他の人物との関わりの深さから根強い人気がある。
試一刀流十位。担当の死罪人はヌルガイ。タオは不明。

付知(ふち)

刀は背負い、腰に解剖道具を下げている。医学の進歩に役立つ解剖学に強い関心を持ち、島へ上陸後も島の生物を解剖するだけでなく戦闘中も生体に関して観察を行う。御試御用でも処刑された遺体の解剖を行い、解剖学から知見を得た新薬開発にも担当している。小柄であるが動きは俊敏で、解剖に向いた先の大きく反り返った刀と鋸のようなものの2本を用いて戦闘を行う。初期は感情が乏しく冷酷でサイコパスな雰囲気を感じさせることが多かったが、仲間の死や死罪人とのかかわりによって全員での生還を望むような人間らしさも見せるようになった。
試一刀流九位。担当の死罪人は民谷巌鉄斎。タオは金。

衛善(えいぜん)

山田家一門をまとめるリーダー的存在。右目に眼帯をつけていて、一話での登場シーンから強者の風格を漂わせていた。気難しい性格の殊現からも尊敬されている。島への上陸後、空腹で目を覚ました陸郎太の異常な力を見破ることができず殺害される。
試一刀流一位。担当の死罪人は陸郎太。タオは不明。

期聖(きしょう)

島への上陸後、最初に画眉丸らと遭遇し、画眉丸によって慶雲が死亡すると首を持ち帰り帰還を試みた。しかし帰還中の船で島の花に寄生され花化した。性格は冷めているが合理的な考え方の持ち主である。源嗣と同期。
試一刀流十一位。担当の死罪人はいがみの慶雲。タオは不明。

十禾(じっか)

飄々とした態度とさぼり癖はあるが、腹の内では何を考えているのかわからず実力と判断力は高い。腰につけているのは刀ではなく竹光(竹を刀のように成型したもの)。本人曰く、すべてのものがどう力を加えればどうなるのかが目に見えるという。士遠によると才能だろうとされる。その観察眼によって竹光でも刀のように斬首だけでなく海神の撃退なども難なくこなす。放流坊が弔兵衛によって殺害されると、帰路を阻む海の化け物を倒し江戸に生還する。その後、殊現らとともに再び島へと送り込まれる。
試一刀流三位。担当の死罪人は放流坊。タオは土。

士遠(しおん)

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