地獄楽(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『地獄楽』とは2018年から2021年にかけて賀来ゆうじにより『少年ジャンプ+』にて連載された和風アクション漫画。江戸時代末期を舞台とし、最強の忍として畏れられた画眉丸が愛する妻と再会するため「不老不死の仙薬」を求め島をめぐる忍法浪漫活劇。美しくも悲壮感溢れるタッチで描かれた群像劇で、疾走感のあるアクションシーンも魅力である。戦闘シーンだけでなく多くの回想シーンもあり、多くのキャラクターに感情移入しやすい作品になっている。最終回公開時にテレビアニメ化も決定した人気作品である。

タオ

この世の万物に内在している力。生命だけでなく無機物にも存在している。生命の源とも表現され、消費され尽くしてしまうと死に至る。タオには5つの属性があり、五行相克に沿った相性が存在する。タオは通常目に見えず、第六感で知覚し作中では白い光の波のように表現されている。画眉丸や杠などの人間離れしたように見える忍術は、里の教えで”氣”としてタオを利用している。作中で最初に上陸した中で、タオの属性を明かされたそれぞれの分布は以下のようになる。
火:画眉丸、民谷巌鉄斎
土:杠、桐馬、十禾
金:亜左弔兵衛、付知
水:ヌルガイ
木:佐切、士遠

天仙

植物と徐福のタオを掛け合わせることによって生み出された人造人間。島を管理しながら、それぞれ違った方法でタオについて鍛錬を行っている。植物のように雌雄同体で、性別を自在に変換することができる。これまでに行ったタオについての鍛錬・研究は1000年にも及ぶ。負傷してもタオを消費することですぐさま回復し、老いることもなく若々しく美しい容姿をしている。しかしそれは丹でのタオの補給によるもので、真の不老不死ではない。タオが多く循環しているへその下、丹田が弱点。「鬼尸解」という形態変化を行うと、戦闘力などは増すがタオを大量に消費する。またこの状態では植物に近づき、蔓を延ばしたり弱点が植物の胚珠にあたる部分になる。これらの弱点を破壊され再生ができなくなることで死に至る。相克のタオには一撃で再生を止める力があるが、そうでない場合は貫き続けたり属性をかけ合わせなければ効果が薄い。

島(こたく)

本作の舞台で、琉球付近の南海に存在し、海岸線から島の中心部までは30㎞以上あると思われる大きな島。天仙や画眉丸達は「島」、住民である木人は「こたく」と呼ぶ。様々な花が咲き乱れ、蝶が舞い、夢のように美しい神仙郷のように見えるが、知識のある者から冷静にみれば人工的な不気味さを感じる。蝶は人の顔に似た頭部が付いているものもあり、これに刺されると花に寄生され、燐粉には幻覚作用や毒がある。幕府は調査団を5回送っているが、戻ってきた者は花化され体から花が生えてくるか、体をバラバラにされて花の苗床のような状態になり、60人もの人が消息不明となった。時の将軍・斉慶はこの様子を見て「きっと不老不死の仙薬があるに違いない」と決めつけ、今後は死んでもよい者を送り込み仙薬を持ち帰らせようとした。蓮によると、島は不死の命を作り出し観察するために徐福が作り上げた研究室・実験場であるという。島の詳細な形状は不明だが、同心円状の三つのエリアからなり、外側から門神や毒虫のいる瀛州(えいしゅう)、木人や竈神がすまう方丈(ほうじょう)、天仙達が住まう蓬莱(ほうらい)がある。1度島に上陸すると海流や海に潜む海神と呼ばれる化物からの妨害によって脱出は難しい。

木人(ほうこ)

島の「方丈」と呼ばれる場所に住んでいた一般島民。天仙の試作品で、不死者の生活を観察するために生み出された。人と同じ姿をしているが再生力は高く、寿命も長い。徐々に樹化してゆきやがては死に至る。年齢とは関係なく、幼くして樹化する場合もある。個別に名前があるかは不明。天仙を神と崇め、死後の魂は天仙のすまう蓬莱へ行くと考えている。樹化が進むと蓬莱の前に座して念仏を唱えながら死を待つという独特の信仰は天仙たちから植え付けられた。蓮によって丹製造の犠牲にされた影響から、修業が開始されてから200年後には村が崩壊してしまう。画眉丸らの上陸時点では、メイを保護した木人1人だけが生き残っていた。

道士

天仙達の弟子。メイを連れ戻しに来た道士によると、性別は男のみとされる。人間と別の生物を掛け合わせているような奇妙な容姿をしているが、竈神達とは違い人間と同じ大きさで会話をする知性もある。天仙達からタオを学び、修行の手伝いや身の回りの世話、島の警備や雑務を行う。他の化け物とは違って階級があり、上から神仙→上仙→地仙→道士。

門神

島の外縁部を守る化物。目から掌が生え、舌の長い容姿をしている者もいる。錫杖のようなものが体に取り付けられている。「馬笛」という特殊な笛で操ることができる。追加組が上陸したのち、殊現によって操られ島の移動に利用された。

竈神(そうしん)

人に似た形のもの、魚・虫と人が融合したようなものなど、色々な形がある奇妙で醜怪な化物たち。数珠・錫杖を持ち、「殺しは罪です」などの戒めを喋り続け、逆らった者を攻撃する性質を持つ。元々は長寿のため命への関心の低い木人達への道徳教育用に作られた生物。その様子から仙汰は「できそこないの神様」と表現した。

海神

島の周りの海域に生息し、島から脱出するものを妨害する。ほとんどのものはこれらの攻撃に耐えられないが、十禾はこれを撃退し江戸へと帰還する。

『地獄楽』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

典坐「ヌルガイさん生きてくれ 君には可能性がある 可能性…オレにはどんな…」

典坐が上陸後、天仙の朱槿と遭遇しヌルガイと士遠の逃げる時間を稼ぎ犠牲になった際の走馬灯。
ヌルガイからの求婚から連想される、二人の将来が描かれている。この回想シーンはファンからの評価が高く、典坐の根強い人気の要因の一つになっている。
この戦闘で典坐は師匠である士遠からの教えを思い返して剣筋を立て直すも、圧倒的な天仙の力を前に命を落としてしまう。

画眉丸「ワシは大きな傷を持つ女性を知ってるがその女性は誰より美しい」

fb-50569561876639250
fb-50569561876639250
@fb-50569561876639250

目次 - Contents