バトルスタディーズ / BATTLE STUDIES

バトルスタディーズ / BATTLE STUDIESのレビュー・評価・感想

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バトルスタディーズ / BATTLE STUDIES
7

なきぼくろによる漫画作品

野球好きな人、特に強豪校出身の方は共感できることが多いのかなという部分が多いですが、内容、流れは問題なく読める作品だと思います。
作者のなきぼくろさん自身が甲子園に出場されているだけあってリアルに描かれていると感じる部分も多々あります。
作者自身の体験談や当時の同級生、先輩とのトーク対談は野球好きには堪らないものではないでしょうか?
キャラクターに目を向けて話していくと、主人公の実力はともかく、どこか破天荒な部分や言動には読者も含めてその場にいるチームメート達にも同情してしまうくらい唐突なことが起きたりしますし、強豪校特有?の上級生による教育的指導や日々の雑用等避けては通れない毎日を全力で生きていると感じられる描写、指導をしてくださる上級生達の野球の実力を目の当たりにして、日々成長していく姿は少年誌にも繋がる部分がありますが、こちらは青年誌。たまに出るふざけた言動、態度等はまたまだ、発展途上の少年なんだと再認識させてくれるのも良いのかもしれません。
今、この瞬間も漫画の中では彼らは日々悩み、苦しみながらも夢の為、自分の為、仲間の為に野球をしています。
「波瀾万丈」という言葉が似合う野球漫画は多くないと思いますが、こちらの作品はまさに「波瀾万丈」にふさわしい内容です。
興味のある方、是非とも手にとってみてはいかがでしょうか?

バトルスタディーズ / BATTLE STUDIES
10

これぞ高校野球のリアル!!

大阪の名門PL学園出身で実際に甲子園にも出場した作者『なきぼくろ』さんが書いた野球漫画。
野球の描写以外に強豪ならではの体罰や上下関係などの描写もあるが、関西特有のユーモアを交えた構成なので重くならず、笑いながら読み進めることができる。

また、他の野球作品ではキャラクターの個性を優先して髪の色をカラーにしたり長髪のキャラクターが登場しがちだが、バトルスタディーズでは主人公の【狩野笑太郎】以外は全員黒髪短髪で統一されており、キャラクターの個性を表現しながら高校野球のリアリティも同時に表現することができているのも魅力。
その上ビジュアルでのキャラクターの個性出しに制限がある中で表情や性格の表現が抜群に上手い。

試合中の描写も真っ向勝負の精神論に頼らず、高度なプレーや相手とのかけ引きのシーンが多く盛り込まれており、作者自身の強豪での野球の経験もしっかり反映されている。その為野球経験のある読者が内容に違和感を感じることは少ないと思われる。

現在も週刊モーニングで連載は続いているが、現在は主人公【狩野笑太郎】の代が1年・2年を経て3年生になっているが、中だるみなしでここまで連載することができているのもすごい。