アンデッドガール・マーダーファルス(アンファル)のネタバレ解説・考察まとめ

『アンデッドガール・マーダーファルス』とは、青崎有吾による小説、及びそれを原作とした漫画・アニメ作品である。原作小説は2015年から刊行されており、人間以外の怪物も登場するバトルありのミステリー作品となっている。半人半鬼の青年・真打津軽が不死で生首の少女・輪堂鴉夜と出会い、「怪物専門の探偵」をしながら鴉夜の首から下の体を奪った犯人を探す物語である。有名な怪盗や怪物がキャラクターとして登場し、彼らが生み出す独特な世界観が魅力の作品である。

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鴉夜と津軽、静句の3人からなる一行。
普段鴉夜が入っている鳥籠を持ち歩いていることからそう呼ばれている。
モリアーティに奪われた鴉夜の身体を取り戻すことを目的とし、ヨーロッパを旅しながら怪物専門の探偵をしている。

夜宴(バンケット)

ジェームズ・モリアーティがジャックとの出会いをきっかけに立ち上げた犯罪組織。
人工的に怪物の力を人間に与える実験を行っており、より強い個体を作り上げるために怪物を捕まえている。
鴉夜と津軽もその実験の犠牲者である。

ロイス(ロイズ)

200年の歴史を持つ巨大な保険機構。
原作小説では「ロイズ」という名称だが、アニメでは「ロイス」とされている。

諮問警備部

ロイスに属する組織で、怪物の出現やクーデターなどから顧客と顧客が保険をかけた私財を守るためのエージェントを派遣する部署である。
少数精鋭でメンバーは7人しかいないが全員が恐ろしく強い。エージェントにつくナンバーは実力順で、国籍や年齢、性別もバラバラである。
メンバーのほとんどが狂信的な怪物廃絶主義者で、理屈の範囲外の怪物を殺すことを目的としている。

その他

怪奇一掃

産業革命以降にヨーロッパで行われた怪物を一掃しようとする運動。
日本でも明治維新後に怪奇一掃が行われた。
この運動により希少だった種は絶滅、もしくは大幅に数を減らした。

鬼殺し

「怪奇一掃」の際に設けられた部隊の通称。
正式名称は「明治政府農商務省山林局怪奇一掃特設部隊第6班」である。
かつて津軽が所属していた。

場律

シャーロック・ホームズが使用する架空の日本武術。
敵と自分の動き、周囲の空間を把握、予測、計算して先手を打つ技である。

『アンデッドガール・マーダーファルス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

真打津軽「名前は真打ですが器は前座ってちゃちな男でございます。」

鴉夜たちが怪物専門の探偵として依頼を受けてゴダール卿の屋敷を訪れた時、ゴダール卿に津軽が自己紹介で「鳥籠使い 真打津軽と申します。名前は真打ですが器は前座ってちゃちな男でございます。」と挨拶した。
その後も少し言葉を変えつつ似たように挨拶をしている。基本的に噺家のように話す津軽のキャラクターや軽い性格がよく分かるセリフであり、キャッチフレーズのようなセリフである。

真打津軽「人と怪物は共存なんてできませんよ。一緒になった本人が言うんだから間違いありません。」

鴉夜はゴダール家に起きた殺人事件の見事に解明した。犯人はゴダール家の次男・ラウールであり、事件の真相を暴かれたラウールは鴉夜に襲いかかる。それに津軽が迎撃し、あっさりと倒してしまった。
ゴダール卿は人類親和派として、人類と怪物の共存を目指していたが、ラウールは自分たちより下等な種族である人間との共存は望んでおらず、父親の目を覚ますために元人間の母・ハンナを殺したのだった。
そのことを知り、ゴダール卿はハンナの人類と怪物の共存という理想は家族を導いているはずだったと、今回の悲劇を嘆く。
それに対して津軽は「人と怪物は共存なんてできませんよ。一緒になった本人が言うんだから間違いありません。」と淡々と告げるのだった。
かつては普通の人間だった津軽は、モリアーティの実験により鬼の力を移植され、生き延びたものの着実に身体は鬼に侵食されていた。身体は鬼に蝕まれ死が近づいてくるのを身を持って体験した津軽が言ったからこそ、説得力のある言葉となっている。

輪堂鴉夜「探偵は謎解きを間違えた。なら犯人は逃げるのが筋だ。」

鴉夜はホイレンドルフとヴォルフィンヘーレの2つの村で起きていた殺人事件の真相を解明した。犯人は人狼のノラであり、その動機は復讐心からだと推理する。
ノラがどのように犯行していたかなどは完璧に当たっていたが、動機の面では間違っていた。ノラの本当の動機は、ヴォルフィンヘーレ村の人狼の少女たちを逃がすことだったのである。ノラはより強い種を産むための器になる運命を背負う少女たちを救いたかったのだった。一度は犯人としてノラを捕まえたが、ノラの動機を誤って推理していたと気づいた鴉夜は「探偵は謎解きを間違えた。なら犯人は逃げるのが筋だ。」と言いノラを逃がすのだった。
鴉夜の間違った推理をしたら自分の負けであると素直に認めるという探偵としてのまっすぐなプライドと、幼気な少女の未来に同情する優しい心が感じられる言葉であった。

『アンデッドガール・マーダーファルス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

アニメでは表現が和らげられた人狼村での静句VSカーミラ戦

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