仁義なき戦いシリーズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『仁義なき戦い』シリーズとは、1973年より公開された菅原文太主演のヤクザ映画シリーズである。監督は深作欣二、脚本は笠原和夫が担当。本作品は戦後の広島で起こったヤクザの抗争を描いているが、実話が元になっており抗争の内幕についても赤裸々に描かれている。
従来の任侠映画に見られる勧善懲悪は描かれず、抗争で死んでいく若者達にも焦点が当てられるなど当時としては異色の作品となった。大手映画雑誌である『キネマ旬報』の「映画遺産200」にて歴代5位になるなど人気の高さを物語っている。

昭和30年代に警察が行った全国的な暴力団追放作戦の名称。暴力団の抗争が多発し、一般市民が犠牲になった事をきっかけに始まる。これにより幹部組員が相次いで逮捕された。

『仁義なき戦い』シリーズの名言・名セリフ/名シーン・名場面

広能昌三「山守さん、弾はまだ残っとるがよう」

第1作のラストシーンにて、広能は坂井鉄也(さかいてつや)の葬儀に現れ祭壇に拳銃を放つ。それを見たかつての親分である山守義雄(やまもりよしお)は、「腹くくった上での事か」と非難するが広能は「山守さん、弾はまだ残っとるがよう」と言い放つ。かつての親分だった山守への決別の思いをこめた発言。

岩井信一「神戸に来たらええんや」

広能の身を案じる岩井(左)

第4作目の頂上作戦にて刑務所に面会に来た岩井が広能に対して、「呉や広島だけじゃない。神戸に来たらええんや」と別れ際に言葉をかける。抗争の最前線に立っていた広能を労う岩井の気持ちが現れた言葉。

広能昌三「死んだ者にすまんけぇのお」

引退を決意した広能(左)

第5作目の完結編にて、敵対する松村に後を託した広能が武田に「落ち着いたら1杯飲もう」と誘われるが「そっちとは飲まん。死んだ者にすまんけぇのお」と発言する。抗争の最前線に立ち、死んでいった者達を見てきた広能の思いが現れた発言。

『仁義なき戦い』シリーズの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

当初のタイトルは『ゴッドブラザー』

『仁義なき戦い』の前年に公開された『ゴッドファーザー』

当初のタイトルは本作の公開前にヒットしていたアメリカ映画の『ゴッドファーザー』にちなんで、『ゴッドブラザー』というタイトルを予定していた。キャストには菅原文太の他に、高倉健や鶴田浩二などを予定していた。

クランクイン直前の配役変更

第2作目の「広島死闘編」では、大友勝利(おおともかつとし)を千葉真一が演じ山中正二(やまなかしょうじ)を北大路欣也が演じているが当初はその逆を予定していた。だが、直前になり北大路が変更を願い出たので現在の配役になった。後に千葉は、「あの役がきっかけで悪役にも興味を持つようになった」と語っている。

役作りで娘に怯えられた梅宮辰夫

第3作目の「代理戦争」にて梅宮辰夫が演じた岩井信一(いわいしんいち)は、眉毛がない設定だった。当初はメイクをしていたが、汗で取れてしまうため眉毛を剃り落とした所娘が怯えて泣き止まなくなってしまったとの事。

『仁義なき戦い』シリーズの主題歌・挿入歌

OP(オープニング):仁義なき戦いのテーマ

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