仁義なき戦いシリーズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『仁義なき戦い』シリーズとは、1973年より公開された菅原文太主演のヤクザ映画シリーズである。監督は深作欣二、脚本は笠原和夫が担当。本作品は戦後の広島で起こったヤクザの抗争を描いているが、実話が元になっており抗争の内幕についても赤裸々に描かれている。
従来の任侠映画に見られる勧善懲悪は描かれず、抗争で死んでいく若者達にも焦点が当てられるなど当時としては異色の作品となった。大手映画雑誌である『キネマ旬報』の「映画遺産200」にて歴代5位になるなど人気の高さを物語っている。

戦争から復員し、闇市で友人がヤクザとトラブルを起こしたことがきっかけで山守組の一員となる。当初は山守の本性に気付かずに損な仕事をさせられていたが、兄貴分だった若杉の隠れ家を警察に密告した事を知り盃を返し組を離脱する。
第3作目の代理戦争では山守組に復帰し、幹部組員となり子分も持つようになる。しかし、山守が上に立っている間は広島はまとまらないと悟り山守を引退に追い込もうと画策するが、村岡組の武田と衝突し破門されてしまう。更に山守の密告に事により、再び刑務所に収監されてしまう。その後出所し、武田の子分だった松村に引退するよう迫られるが断っている。しかし、武田が襲撃され瀕死の状態でありながら襲名式に出席する姿を見て、自分達の時代は終わった事を悟り引退する。

山守義雄(やまもりよしお/演:金子信雄)

山守組の親分だが、人望はなく若頭の坂井には「神輿」と呼ばれバカにされている。また自身では手を汚さず、子分達が喧嘩になるよう仕向けて邪魔者を排除するなど悪知恵が働く。更に納得しない相手を説得するために、嘘の涙を流し人を操っている。当初は広能も騙されていたが、後に嘘であると見抜いて相手にしなくなっている。
第4作目の頂上作戦では打本と村岡組の後継者争いになるも、勝利し広島最大の組の親分となる。その後警察の一斉検挙で次々に幹部組員達が逮捕される中、唯一執行猶予になるなど抜け目のない部分もある。

大久保憲一(おおくぼけんいち/演:内田朝雄)

大久保組組長であり、面には立たないが呉の長老として幹部達から敬われている。第1作目では山守組設立の見届け人になっている。また襲名式や抗争の仲介など、幹部達が集まる場には度々登場する。

山中正二(やまなかしょうじ/演:北大路欣也)

村岡常夫の姪である上原靖子(うえはらやすこ)に命を助けられたのがきっかけで村岡組の若衆となるが、靖子と恋仲になってしまい一時村岡に激怒される。だが最終的に村岡から靖子を託され、「一生かかっても返しきれない義理がある」と言うほど心酔する。だが、殺人罪で無期懲役になり靖子に会うため脱獄するが追い詰められ自殺してしまう。

打本昇(うちもとのぼる/演:加藤武)

打本組の組長であり杉原の兄弟分だが、敵討をしない為跡目争いの発端となってしまう。タクシー会社の社長でもあり、ヤクザの掟を知らずひんしゅくを買ってしまうこともある。優柔不断な性格で、抗争が起きても逃げ回っており広能に責任を押し付ける面もある。

武田明(たけだあきら/演:小林旭)

村岡組幹部であり、杉原の死後は広能らと共に山守を親分に推薦する。その後山守組の若頭となり、広能と対立し広能を破門にし組から追い出す。そして山守の跡を継いで天政会を結成し、広島のヤクザを統一する事となった。

三好万亀夫(みよしまきお/演:菅原文太)

「新仁義なき戦い」に登場する山守組幹部であり、親分である山守義雄(やまもりよしお)の命令で敵対する浅田組組長を射殺する。出所後は山守と若頭の青木尚武(あおきなおたけ)の権力争いに巻き込まれるが、どちらの側にもつかず我が道を行く。

野崎修一(のざきしゅういち/演:菅原文太)

「新仁義なき戦い組長最後の日」に登場する。親代わりである岩木に跡を継ぐよう言われているが、本業を優先させ跡を継がずにいた。だが、関西との抗争により岩木を殺害されたのをきっかけにヤクザとなる。周囲のヤクザ達が和解をする中、ただ1人坂本組の親分の命を狙い成功するがその後若いヤクザに刺されてしまう。

黒田修次(くろだしゅうじ/演:菅原文太)

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