仁義なき戦い 広島死闘篇

仁義なき戦い 広島死闘篇

『仁義なき戦い 広島死闘篇』とは、1973年の日本映画。『仁義なき戦い』シリーズの第2部で、監督は深作欣二、出演は北大路欣也や千葉真一、菅原文太など。舞台は昭和27年の広島。博徒の村岡組とテキ屋の大友連合会が再び抗争に突入する中、3年の刑期を終えて仮出所した山中正治は大友連合会の縄張り荒しに巻き込まれ、その縁で村岡組の若衆となる。抗争が激しさを増す中、男は愛と仁義に苦しみ、傷ついていく。作中に登場する組や人物は、実在した組や人物をモデルとしている。

仁義なき戦い 広島死闘篇のレビュー・評価・感想

仁義なき戦い 広島死闘篇
8

サニー千葉にやどった荒くれ男「大友勝利」のカッコよさ!

ヤクザの組織論が描かれた任侠映画の権化「仁義なき戦い」は5部作構成で菅原文太さんが演じる広能昌三を軸に話が進んでいくのですが、その中でちょっと違ったテイストの「番外編」ともいえる位置付けなのが「広島死闘篇」です。
この「広島死闘篇」、主人公は北大路欣也さん演じる山中正治なのですが、その山中よりも確実にインパクトある人物が千葉真一さん演じる大友勝利。
山中が「静」だとすると大友が「動」であり、この対比構造が最高に気持ちいいのです。

勝利はすべてに噛み付く「最強・最狂・最悪」の男。歯止めが効かなすぎる破壊衝動が、変に心くすぐってきます。あんな感じで感情を赴くままに開放できたら、さぞ気持ちいいだろうなぁって。

登場シーンから全開で走り出します!サングラスの腹巻男が持った竹竿を包丁でぶった切って突き刺す。
ゴロマキ引き連れて主人公を袋叩き、蹴って・蹴って・蹴りまくる!竹竿で叩いて・叩いて・叩きまくる!このシーンだけで「やばいヤツ!」の準備はOKです。

この映画の中での一番のオススメは事務所で勝利が啖呵を切るシーン。
「あれらオメコの汁で飯喰うとるんで」「わしらうまいもん食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきてるんじゃないの?」「センズリかいて仁義で首くくっとれ云うんか!」などなど。
「オメコ」「マブいスケ」「センズリ」のワードチョイスのセンス。これは真の男にしか吐けない啖呵であります!そして、その時の黒光りしたテカり顔の良さがまさに男!
色白細マッチョな男の子ではまずこの啖呵は切れまいて!
ある意味で「狂気」の詰まったこのシーンならジェイソン・ステイサムもHand shakeです。

しかしながら、拳銃落として「ハジキ、ハジキ」慌てる姿とか、襲撃された時の怯えっぷりとかとか、そのカッコ悪さもある意味で本来の「男気」を感じてしまうのです。

とにかく本能のままにカッコよく・本能のままにカッコ悪いこの男を、我々男たちは絶対に憎めない。憎めないのなら、もう大好きになるしかないのです!

みんな大好き「ワイルドスピード」や「エクスペンダブルズ」のような西洋の屈強な男気もいいれけど、「仁義なき戦い」でみられる泥臭い日本の男気も、ぜひぜひチェッしてみてください!