お前、タヌキにならねーか?(おまタヌ)のネタバレ解説・考察まとめ
『お前、タヌキにならねーか?』(略称『おまタヌ』)とは、漫画家の奈川トモによる「タヌキ」を題材にした、動物もの兼妖怪ファンタジー漫画である。Webコミック配信サイト「comicPOOL」にて2021年から連載を開始。さまざまなWeb漫画のランキングに名を連ねる大人気Web漫画の1つとなっている。
本作は、化け狸のこがね丸と人間の野々原雪を中心にオムニバス形式で話が進められる。さまざまな問題を抱える現代人が、人間社会で暮らす化け狸達達と交流をしながら、それぞれに抱えるものと向き合っていく。
化けキツネ
変化の術を使える狐達のこと。化けタヌキと同じく、人語を介し、人と同じ食事を取る事ができる。家族同士での繋がりはあるようだが、種族同士での繋がりはないのか、化けタヌキ達のように種族同士で集まる事はほぼない模様。
タヌキで暮らしたり、人間で暮らしたりと自由に生きている化けタヌキ達と異なり、人間社会で人に混ざりながら密かに暮らしている。変化の術を用いて、裏社会に関わる仕事をしている者も存在する。
化けイタチ
変化の術を使えるイタチ達のこと。化けタヌキや化け狐と同じく、人語を介し、人と同じ食事を取る事ができる。
かつては人間と敵対している種族であったが、同族の中でひときわ凶暴であった「貂の妖」を人間と共に封印して以降、人と共存するようになった。上下関係に厳しく、「貂の一族(てんのいちぞく)」と呼ばれる一族がその頂点にいる。
貂の一族(てんのいちぞく)
化けイタチ達の頂点にあたる一族。かつて世を荒らしまわっていた「貂の妖」を封印した祠を守る「祠守り」を輩出している一族であり、それ故に化けイタチの中で強い支配権がある模様。
祠守りにあたる者は、この一族の中でも特に変化の術の力が強い。
普通のタヌキ
化けタヌキと違い、変化の術が使えないタヌキ達のこと。現実にいる通常のタヌキと変わらない存在であるため、人語も話せない模様。ただ、同じタヌキ同士である化けタヌキと話す事はできる。化けタヌキだから、普通のタヌキだからといった種族間の差別もなく、仲もいたって良好な様子。
化け狸・キツネ・イタチ達が使う術
変化の術/化け術
タヌキやキツネ、イタチ達の中でも、一部の者が使える術の名前。名の通り、ほかのものに化けたり、変身したりする術である。なお、術の力はイタチが一番強く、次点でタヌキ、最後にキツネという順になっている。ただこれらは、あくまでも各種族の平均を見てのものであり、なかには種族に関係なく異様に力が強い者、逆に中途半端にしか変化できない力の弱い者もいる。この能力が高い者ほど老化が緩やかであり、長く生きる運命にある。逆に力が弱いものほど老化が早い。そのため、同じ家族同士であっても、力の差によって年老いるスピードが異なってしまう場合がある。
人間や器物、木の葉などの植物、さらには巨大な傀儡といった様々なものへ変化する事が可能。化けの対象は己自身に限られるが、こがね丸のみ、他者にこの術をかける事ができる。また変化の際は、必ずタヌキに「ポン」、キツネに「コン」、イタチに「テン」という効果音が鳴る。
匂い
動物達の個体から発生している匂いのこと。変化の術が使える者達は、皆思い思いの変身をするため、普段からずっと同じ変身をしているわけではない。そのような時は、匂いで相手が誰であるかを判別する。親子同士のような、血縁が近い者同士の匂いは似ている事も作中で明かされていた。
なお、こがね丸に変化の術をしてもらった者に限り、変化した本人の匂いではなくこがね丸の匂いがつく。この匂いは変化が解けても残る模様。作中では、こがね丸の術でタヌキに変化する事が多いユキが、人間の姿のまま他のタヌキ達にこがね丸だと勘違いされるシーンが描かれている。
貂の一族に関わる用語
祠守り(ほこらまもり)
かつて日本で猛威をふるっていたとされる妖「貂の妖」を封印した祠を守る者の名称。貂の一族と呼ばれる化けイタチ達の一族の中から、定期的に選ばれる。
祠守りになった者は、祠がある貂烟山から離れられない。いかなる時も外に出る事ができないため、普段の生活は世話係にあたる化けイタチ達が行う。
貂の妖(てんのあやかし)/緋壽々(ひすず)
かつて存在した凶悪な妖怪。江戸時代頃に存在していたとされるが、名が「緋壽々」(ひすず)という事以外の詳細は不明である。また、本編で彼のことを緋壽々と呼ぶのは土竜のみであり、その存在を知っている者のほとんどが「貂の妖」と呼ぶ。
化けイタチ達と人間の僧によって、貂烟山の祠に封印された。封印できた経緯にはこがね丸が関わっているとされるが、その詳細は明かされていない。こがね丸同様、かつて貂の妖と関連があるとされる妖の土竜いわく、こがね丸からは貂の妖の匂いがするという。
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『お前、タヌキにならねーか?』の概要
- 『お前、タヌキにならねーか?』のあらすじ・ストーリー
- タヌキになったOL
- こがね丸の抱える過去
- 化けイタチ・藤万(とうま)の襲撃
- 貂の一族が隠していた秘密
- こがね丸と土竜の関係
- 『お前、タヌキにならねーか?』の登場人物・キャラクター
- タヌキ
- こがね丸/黄金丸
- リン
- タヌキチ/田沼小吉(たぬま しょうきち)
- 小豆丸(あずきまる)
- 長老/銀杏丸(ぎんなんまる)
- 楽太郎(らくたろう)
- 栗之助(くりのすけ)
- 大福(だいふく)
- チョコ
- シゲゾー
- キツネ
- 雨紺(うこん)
- 朱陽(あけび)
- 雨紺父/パッピー
- イタチ
- 藤万(とうま)
- 一識(いっしき)
- 九世(くぜ)
- 岩十(いわと)
- 暁万(きょうま)
- 百櫛
- 人間
- 野々原雪(ののはらゆき)
- リク
- 文福薬湯堂店主(ぶんぷくやくゆどうてんしゅ)/おばあちゃん
- 和一(かずいち)
- 緑雲(りょくうん)
- 紫雲(しうん)
- 東美々子(あずま みみこ)
- ハヤト
- 日向ユウタ(ひむかい ゆうた)
- ユキ母
- 古谷(ふるや)
- 嵐山(あらしやま)
- そのほかの妖怪
- 土竜(もぐら)
- 『お前、タヌキにならねーか?』の用語
- 作中に登場する動物達
- 化けタヌキ
- 化けキツネ
- 化けイタチ
- 貂の一族(てんのいちぞく)
- 普通のタヌキ
- 化け狸・キツネ・イタチ達が使う術
- 変化の術/化け術
- 匂い
- 貂の一族に関わる用語
- 祠守り(ほこらまもり)
- 貂の妖(てんのあやかし)/緋壽々(ひすず)
- 主な物語の舞台
- 貂烟山(てんえんざん)
- どんぶり山
- 文福薬湯堂(ぶんぷくやくゆどう)
- 柿葉寺(かきのはてら)/タヌキ寺
- 『お前、タヌキにならねーか?』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- こがね丸「人間やめるなら、タヌキにならねーか?」
- 野々原雪「タヌキにも泣きたい時があるんだ…こんなことしか出来ないけど…幸せな夢を見られますように…」
- 雪の母「ユキ生きててくれてありがとう。どんな風に生きたって構わない。 タヌキだっていいのよ。自分のように思うように生きてさえいれば」
- 『お前、タヌキにならねーか?』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『お前、タヌキにならねーか?』は作者のスランプがきっかけで生まれた漫画
- 実際の生態を大事にしつつ漫画的に描かれている動物達
- Xで見られる作者の友人が制作した『お前、タヌキにならねーか?』のチャーム