お前、タヌキにならねーか?(おまタヌ)のネタバレ解説・考察まとめ
『お前、タヌキにならねーか?』(略称『おまタヌ』)とは、漫画家の奈川トモによる「タヌキ」を題材にした、動物もの兼妖怪ファンタジー漫画である。Webコミック配信サイト「comicPOOL」にて2021年から連載を開始。さまざまなWeb漫画のランキングに名を連ねる大人気Web漫画の1つとなっている。
本作は、化け狸のこがね丸と人間の野々原雪を中心にオムニバス形式で話が進められる。さまざまな問題を抱える現代人が、人間社会で暮らす化け狸達達と交流をしながら、それぞれに抱えるものと向き合っていく。
ハヤト
元ホストの男性。初登場時はホストとして、顔がいいだけの金にがめつい性格に難ありの青年キャラクターとして描かれていた。しかし、こがね丸にタヌキにされた後に出会った少年・日向ユウタ(ひむかい ゆうた)に助けられ、人に優しさを与える大切さを教えられる。以降は、彼の事を「心の師匠」と呼んで慕うようになる。
ゲストキャラであるため、メインストーリーとの関係性は皆無だが、作中の登場回数が多く、彼の事を好いているファンも多い。ホストをやめてからはアイス屋の店員として、「師匠ならどんな風に行動するか」を考えながら働いている。
ユウタとは家族ぐるみで付き合いが続いているようで、彼の両親からもそれなりの信頼を得ている模様。
日向ユウタ(ひむかい ゆうた)
小学生の男の子。元ホストであるハヤトがタヌキになって困っていたところを助け、それ以来、彼に「心の師匠」として慕われている。ユウタ自身もハヤトのことを「ハヤトくん」と呼んで慕っている。
なぜかこがね丸と知り合いらしく、「こがね丸くん」と親しみをもった呼び名でこがね丸のことを呼んでいるシーンが作中で描かれていた。こがね丸の方もハヤトのことを「ハヤト」と呼んでおり、自分が人語を喋れる事を隠していない。出会いの経緯は不明。
ユキ母
野々原雪の母親。上京した娘の様子見をやってきたところ、こがね丸と出会い、彼女自身もタヌキになってしまう。後に雪を通してすべての事情を知り、雪の命を救ってくれたこがね丸に感謝する。
娘の雪同様に穏やかな性格の人物。娘の事が大事で常に気にかけている様子。彼女が娘がタヌキになっても生きていてくれた事に涙したシーンは、多くの子持ちの読者から共感を得た人気のシーンとなっている。
古谷(ふるや)
妖怪の土竜が雨宿りをしに訪れる洋服屋の店主。穏やかな雰囲気の中年の男性である。元は夫婦で店をやっていたようだが、本編ではすでに妻が他界しており、彼1人で店をやっている。
こがね丸にタヌキにされた事がある人間の1人だったが、タヌキの生活が肌に合わず、こがね丸の紹介で柿葉寺にて暮らしていた模様。その後、人間社会に戻り、洋服屋の店主として暮らしている。
雨宿りをしにくる土竜が妖怪であると知った時は驚いたらしいが、自身がタヌキになっていた経緯もあり、あっさりと受け入れる事ができたという。土竜の雨宿り先になって以来、うちの店が潰れたら雨の日の土竜の居場所がなくなるという考えから、頑張って店を繁盛させようと奮闘している。
嵐山(あらしやま)
アイドルとして活躍する男性。本作の序盤から度々話題にあがる人気アイドルだったが、本人はなかなか登場せず、2024年11月15日に公開されたエピソード「疲れたアイドルと長老タヌキ」にて満を持して登場した。
また上記エピソードで、実はかつてアイドルを続ける事に疲れ、こがね丸によってタヌキになった事がある事も明かされる。その際、彼の悩みを聞いた化けタヌキの長老が、嵐山に成り代わってアイドルとして活動する事になった。
なお、それまでに公開されてきたエピソードで長老が度々嵐山の話をしていた為、周囲の者からは「長老は嵐山が好き」という認識をされていた模様。しかし長老いわく、「自分が嵐山のファンなのではなく、嵐山が自分のファン」なのだという。
そのほかの妖怪
土竜(もぐら)
変化の術が使える土竜の妖怪。人間時の姿は20代ぐらいの青年だが、実年齢はもっと上なようで、江戸時代に存在していた妖怪や人間との面識もある模様。また、妖怪としては上位の存在にあたるらしく、妖力が強すぎるが故に、多少の霊感がある人間は彼に近づいただけで体調を崩してしまうという。そのため、人間に迷惑をかけないようになるべく距離を取って生きているようだが、それ故に孤独な日々を過ごしている模様。だが、通い慣れた古着屋の店主は彼の事を受け入れてくれており、その優しさに心救われている。
上記の理由以外にも、元来の寡黙性も他者との距離を縮められずにいる理由である模様。コミュニケーションそのものが苦手だという。
かつては悪事を働いていた事もあるようだが、本編登場時はそうした考えは持っていない。日々、どうやって暮らしているのかは不明だが、空腹で路地に倒れていた場面もあった為、あまりよい生活は送ってない事が窺える。
『お前、タヌキにならねーか?』の用語
作中に登場する動物達
化けタヌキ
本作に登場するタヌキ達の中でも、変化の術が使えるタヌキ達のことを指す。人語を話せ、人間と変わらない食べ物を食べる事もできる。種族全体でおおらかな性格の者が多く、争いは好まない一族の模様。こがね丸がタヌキにして連れてきた人間に対しても寛容的で、すぐに自分達の仲間として受け入れる。また、お祭りごとが大好きなのか、作中では皆で集まって宴会をする事も多い。
もともとは山の中だけで暮らす種族であったが、作中では人間社会に混ざって生きるタヌキも多い。なかには、人間と結婚して暮らす者や人に恋をする者などもいるが、それを非難する者はいないため、種族の垣根はあまり気にせずに過ごしている模様。上下関係もないようで、相手が自分よりもだいぶ年上のタヌキであってもタメ語を使う者が多い。
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目次 - Contents
- 『お前、タヌキにならねーか?』の概要
- 『お前、タヌキにならねーか?』のあらすじ・ストーリー
- タヌキになったOL
- こがね丸の抱える過去
- 化けイタチ・藤万(とうま)の襲撃
- 貂の一族が隠していた秘密
- こがね丸と土竜の関係
- 『お前、タヌキにならねーか?』の登場人物・キャラクター
- タヌキ
- こがね丸/黄金丸
- リン
- タヌキチ/田沼小吉(たぬま しょうきち)
- 小豆丸(あずきまる)
- 長老/銀杏丸(ぎんなんまる)
- 楽太郎(らくたろう)
- 栗之助(くりのすけ)
- 大福(だいふく)
- チョコ
- シゲゾー
- キツネ
- 雨紺(うこん)
- 朱陽(あけび)
- 雨紺父/パッピー
- イタチ
- 藤万(とうま)
- 一識(いっしき)
- 九世(くぜ)
- 岩十(いわと)
- 暁万(きょうま)
- 百櫛
- 人間
- 野々原雪(ののはらゆき)
- リク
- 文福薬湯堂店主(ぶんぷくやくゆどうてんしゅ)/おばあちゃん
- 和一(かずいち)
- 緑雲(りょくうん)
- 紫雲(しうん)
- 東美々子(あずま みみこ)
- ハヤト
- 日向ユウタ(ひむかい ゆうた)
- ユキ母
- 古谷(ふるや)
- 嵐山(あらしやま)
- そのほかの妖怪
- 土竜(もぐら)
- 『お前、タヌキにならねーか?』の用語
- 作中に登場する動物達
- 化けタヌキ
- 化けキツネ
- 化けイタチ
- 貂の一族(てんのいちぞく)
- 普通のタヌキ
- 化け狸・キツネ・イタチ達が使う術
- 変化の術/化け術
- 匂い
- 貂の一族に関わる用語
- 祠守り(ほこらまもり)
- 貂の妖(てんのあやかし)/緋壽々(ひすず)
- 主な物語の舞台
- 貂烟山(てんえんざん)
- どんぶり山
- 文福薬湯堂(ぶんぷくやくゆどう)
- 柿葉寺(かきのはてら)/タヌキ寺
- 『お前、タヌキにならねーか?』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- こがね丸「人間やめるなら、タヌキにならねーか?」
- 野々原雪「タヌキにも泣きたい時があるんだ…こんなことしか出来ないけど…幸せな夢を見られますように…」
- 雪の母「ユキ生きててくれてありがとう。どんな風に生きたって構わない。 タヌキだっていいのよ。自分のように思うように生きてさえいれば」
- 『お前、タヌキにならねーか?』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『お前、タヌキにならねーか?』は作者のスランプがきっかけで生まれた漫画
- 実際の生態を大事にしつつ漫画的に描かれている動物達
- Xで見られる作者の友人が制作した『お前、タヌキにならねーか?』のチャーム