イーグル(かわぐちかいじ)のネタバレ解説・考察まとめ

『イーグル』とは、かわぐちかいじの政治漫画である。1998年から2001年まで『ビッグコミック』で連載された。新聞記者城鷹志は、唯一の肉親である母を事故で亡くす。悲しみの中、突如アメリカ大統領選挙候補者の1人ケネスから密着取材を指名された。アメリカに渡った城は、ケネスから自分の子供である事を告げられる。動揺しながらも、彼はアメリカ大統領選挙を戦うケネスの取材を行う。その取材の過程で母親が何者かに暗殺された事に気付く。事件の真相に迫りながら、アメリカの抱える政治的問題が描かれていく。

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ケネスの大統領選挙対策本部長を務める、ニューヨーク州ニューヨーク出身の黒人男性。かつてベトナム戦争に参加し、陸軍の衛生兵として活動していた。ヘリコプターを用いての負傷兵の治療、後送に当たった際、負傷したケネスと出会う。

終戦後、ベトナム帰還兵として落ちぶれ、酒浸りの生活を送っていた。妻子に逃げられ、自暴自棄になっていた時期に弁護士として活躍していたケネスと再会する。そして政界入りするケネスの夢に付き合う様になった。以降は彼の側近となり、右腕として活躍する。

ジョージ・タクト

全米一の選挙コンサルタントとして活躍する男性。大統領選挙に出馬するケネスを支援した。

元々は共和党専門の選挙コンサルタントだったが、ケネスとノアの教育政策をめぐる討論を見て、ケネスの当選を確信。ケネス陣営に入った。ケネスの大統領選のキャッチコピー「21世紀への移民」、対立候補のネガティブキャンペーンを考案した。政権内部の演説原稿を発表前に一言一句まで入手するほどの情報ルートを持つ。

政治家の政策、信念に興味を持たない純粋な選挙コンサルタントであるものの、ケネスの手腕を大絶賛する。

ジョン

ケネスの大統領選挙対策本部スタッフで、スケジュール管理を担当する男性。だが予備選序盤では昼食会のダブルブッキングという失態を犯してしまう。それ以降は順調に仕事を進めた。

サラ

ケネスの大統領選挙対策本部スタッフとして働く黒人女性。彼の服装のコーディネーターを務めており、腕に自信を持っている。

ケネスと鷹志に対し、異性として好意を抱いている。だが、当の2人がそれぞれ意中の女性がいるので傍観者に止めていた。一方で、鷹志とレイチェルの恋を後押しする。

ロベルト・デュラン

ケネスの大統領選挙対策本部スタッフを務めるカナダ出身の男性。大統領選挙においては情報調査を担当し、対立候補ゴールドブラムのスキャンダル疑惑、ユーイング総労組のコズリョフとザマルの対立について調べ上げた。

かつてはカナダ陸軍の特殊部隊に所属していた。退役後は信用調査会社、ファースト・アメリカン・バンク調査部での勤務を経て、ケネスの大統領選挙事務所に入所する。その裏ではウィリアムの直属の部下として暗躍していた。

富子は、ウィリアムの指示を受けたデュランによって殺されている。またケネスのスキャンダルネタを握っていたダニエルを、独自の判断で殺害してしまう。

最期はボスのウィリアムと共にジェット機で逃亡する。金を受け取り、バカンス生活を送る予定であったが、ウィリアムに眠らされてしまう。そのまま彼の自決に巻き込まれ、共に墜落死した。

ケネスの家族

パトリシア・ハンプトン・ヤマオカ

大富豪ハンプトン家の長女でケネスの妻。マサチューセッツ州ボストン出身。兄がアメフトサークルに所属しており、チームメイトのケネスとはライバルであり親友である。その繋がりからホリヨーク大学法学部在籍時に、兄の紹介でケネスを知る。ケネスと交際する事となり、彼が常に何か目指すものがある事を見抜き、魅力を感じた。その後プロポーズをしてケネスと結婚し、彼と共に法律事務所をニューヨークに法律事務所を構えている。そして弁護士として活躍し、名声を得た。

ケネスとの間に息子のアレックスを儲け、レイチェルを養女として育てている。大統領選挙では次期ファーストレディになる為、女性層の票獲得に奔走した。

突如渡米して来た鷹志の事は歓迎しつつも、裏でケネスの隠し子である事を突き止めている。そして亡き富子に激しく嫉妬していた。当初は「ケネスがアレックスを差し置いて鷹志を後継者にするのでは?」と感じ危機感を覚えていた。だが鷹志とレイチェルの恋、アレックスとの友情を知りその疑念を晴らす。だが今度は「鷹志が何らかの思惑で近づいて来た」と思うようになった。

レイチェル・ヤマオカ

ケネスとパトリシアの養女で血の繋がりは無い。大統領選挙で養父・ケネスの選挙プレスとして報道官への対応を行った。ジョージタウン大学に通う大学生でもある。キューバ難民であるマリアの実子でありヒスパニック系で、生後2ヶ月でケネスの養子となる。強い精神を持つ、力強い女性である。一方でメキシコから移民して来るヒスパニック層の貧しい現状に対し、複雑な思いを抱いている。

渡米してきた鷹志と出会い、義兄であることは知らず、恋に落ちてしまう。

職場でのケネスとはケジメをしっかりとしており、父娘ではなく、上司と部下として接してきる。この時は彼の事を「ボス」と呼んでおり、鷹志は出会った当初、彼女がケネスの養女である事に気付かなかった。

アレックス・ヤマオカ

ケネスとパトリシアの息子で、ハーバード大学に在学している。大統領選挙でケネスのスタッフとして参加している。

政治的野心を持つ父のケネスにコンプレックスを抱いていた。大き過ぎる父の存在に押し潰されそうになっており、足掻いている。こうした背景からケネスに自分を認めさせようと、独自に対立候補である現職副大統領ノアの献金疑惑の調査をしている。だがその調査結果の公表が現状ではマイナスに働くと判断され、未公表に終わる。

鷹志とは異母兄弟となるが、アレックスはその事を知らない。だが共に行動する内に、彼と親友になる。

ジョセフ・ヤマオカ

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@mathew138

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