加賀愛(さよなら絶望先生)の徹底解説・考察まとめ

加賀愛は漫画『さよなら絶望先生』の登場人物で、主人公の糸色望が受け持つ「2のへ組」の女子生徒である。極度の加害妄想癖があり、すぐ人に頭を下げてしまう。謙虚で優しい性格であるが、少々不器用である。相手からの感謝に、恩着せがましくない様に気を遣った所、ツンデレの様な言動となってしまう。これによりクラスの男子生徒に恋心を抱かれてしまった。糸色と2人でプールに行ってから、彼に恋心を抱く様になる。物語後半では苗字が伊賀流忍者に似ている事から忍者設定が匂わされた。以降は身体能力が高い描写がされる様になった。

加賀と同じ「2のへ組」の男子生徒。イケメンであるが、ファッションセンスが壊滅的にダサい。

加賀に掃除当番を代わってもらい、彼女にお礼を言った。加賀は恩着せがましくしない様に謙遜しようとした結果、ツンデレ風の返しをしてしまう。これにより木野は彼女へ惚れてしまい、何度もアタックを仕掛けた。だがダサい服をプレゼントしてしまったり、何かと加賀を戸惑わせている。

加賀愛の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「私みなさんに迷惑をかけていませんか?」

単行本第6巻第55話にて登場。この話で加賀は初登場を果たした。「私みなさんに迷惑をかけていませんか?」このモノローグと共に彼女は登場する。加賀の性格を端的に表した名言である。

「すいませんすいません」

加賀は常に加害妄想を抱いており、いつも誰かしらに頭を下げている。その為「すいませんすいません」と謝罪言葉が彼女の口癖となっていた。

「あなたのためにやったんじゃないんだからね!」

単行本第10巻第98話「恩着せの彼方に」にて。

この回で加賀は木野の掃除当番を代わり、彼からお礼を言われる。彼女はこれに恩着せがましく対応しない様に気を遣った結果「あなたのためにやったんじゃないんだからね!」とツンデレ風の返しをしてしまった。

加賀のこの返しに、木野は惚れてしまう。以降、彼は加賀へアプローチを仕掛ける様になった。

「私がまとめ上げないと」

単行本第25巻第246話「さ部」にて。この話では木津が暴走して2名以上の同好の者がいた場合、部活動を成立させるという暴挙に出た。

加賀は「ちょろ毛」という髪の毛が少し飛び出したヘアスタイルだった為、風浦に半ばこじつけで「ちょろ毛部部長」に就任してしまった。加賀は男子に大人気であった為、彼女の元には大勢の男子が押し寄せてしまう。責任感の強い彼女は「私がまとめ上げないと」と部をまとめ上げ、全国大会に出場した。

「いつか…愛想笑いじゃないって気付いてくださいね」

単行本第27巻第267話「節電中の日本より」にて。この回では東日本大震災後の節電をテーマに扱っている。「ギャグによる笑いがは体温を上げ、エアコンの稼働量を増やして節電に良くない」という事で登場人物達は笑わない様に気をつける事となる。だが加賀はどうしても卑屈な愛想笑いが辞められないと糸色に相談を持ち掛ける。これにより彼は笑えないくらい酷い事を言う展開となった。糸色は悩んだ末に「よめのもらい手ないですよ」と、加賀に発言。糸色の事を密かに思っていた加賀は、思わず彼への想いを込めて微笑みかけてしまう。これに糸色は彼女に愛想笑いをさせてしまったと落ち込むのであった。「いつか…愛想笑いじゃないって気付いてくださいね」と、加賀は密かなメッセージを呟く。

「絶望先生ーっ」

『さよなら絶望先生』コミックス第30巻第299話「絶望の組みと幸福な少女たち」にて。

加賀達絶望少女は生きる事に絶望し、自殺未遂をした少女達である。同時に生きる事に未練を残して死亡した昭和少女達の依代でもある。死のうとして生きてしまった者と、生きようとして死んだ者は惹かれ合い、重なり合った。そして彼女達の依代としての学校生活が始まり、終わりを迎えた。

最初は仮初の学校生活であったが、次第に加賀達絶望少女は絆を深め、学校生活を送っていく。いつしか仮初の学校生活は本物となった。彼女達は心の底から青春を謳歌し、共に笑い、共に泣いたのである。そして糸色は彼女達にとって本物の教師であり、恩師となった。

加賀達絶望少女は役目を終えた。だがその胸にもはや絶望は無く、希望があった。少女達は心の底からの感謝と敬意を込めて「絶望先生ーっ」と恩師への感謝の言葉を捧げる。

加賀愛の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

加賀の元ネタとなった「加害妄想」

加賀の元ネタとなった加害妄想は、強迫性障害の症状の一種である。

強迫性障害とは、常に不安や強い恐怖に駆られ、日常生活に支障が出てしまう精神障害の一種である。具体的には「鍵を閉め忘れたかもしれない」と何度も家の鍵を確認しに帰ってしまう。「車で電柱にぶつかったかもしれない」と何度も電柱を確認しに戻ってしまう、という「不安や恐怖からの確認作業を止められない」のが主な症状である。

加害妄想の場合は「相手や物を傷付けてしまったかもしれない」という不安からの妄想に駆られ、相手に何度も確認作業をしてしまう。この為当人だけではなく周囲の人々も、複数回に渡る確認作業により疲弊してしまう特徴がある。またテレビや新聞に自分の事が載っていないかを執拗に調べてしまったり、ガスの元栓等の「他者に被害を与えかねない箇所」を何度も確認してしまう事もある。警察等にも確認してしまう事がある為、家族等に負担が掛かってしまう。

対処法としては抗うつ剤等の薬物療法やカウンセラー等による認知行動療法が挙げられる。

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