排気ガスサークル(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『排気ガスサークル』とは、DONZUによって製作され、2013年5月から2022年12月にかけて配信されたアドベンチャーフリーゲーム。「夢の先へと案内してくれる列車」が停まると噂される駅のホームから、白黒の世界に迷い込んでしまった主人公が、襲いくる敵や数多の陰謀に巻き込まれながらも、懸命に自分と向き合っていく物語。伏線の張り巡らされた完成度の高いストーリーと、個性的なキャラクターが生み出す独特の世界観が高い人気を誇った。

蝶の森

乗車権を使って到着したエリアは蝶の森という場所だった。すでに消えかけているため、一行は先を急ぐ。

主人公らは蝶について話す影に出会う。そして、その先で見つけた蝶は、羽が破れたまま死んでいた。主人公が蝶を埋めると景色が一変し、眩しい道と森の奥へ続く暗い道の分岐点に立っている。そこにいた気さくな影によると、森の奥の暗い場所で泣いている子がいるらしい。影は「行ってあげて欲しい」と頼み、去っていった。

森の奥に行くと、泣く影に向かってマーリンは「探しましたよ」と声をかける。影は「蝶なんて追わなければよかった」と後悔を口にする。しかし、マーリンの声かけで、最後は元気を取り戻し、影が正気に戻るとともに森も花畑へ姿を変えた。その先には紙袋を被り、虫取り網を手にした人が立っている。主人公らが驚いていると、どこからともなくスキアが登場した。

マーリンはスキアに向かって「お前は何をしようとしているのだ、ヒヨスよ」と問う。彼が言うには、スキアという団員はすでにヒヨスに食われているらしい。スキアはヒヨスであることは認めつつ、主の思想を受け継いで世界を破壊する存在を邪魔していたと弁解する。さらに、主人公をこの世界に呼んだ存在に会いに行ける鍵を渡してくれた。マーリンは、再開できた人と花畑に残ることになったため、主人公は従える影とともに一度アジトへ帰還する。

最終決戦

主人公から蝶の森の話を聞き、保護した屑らをその花畑に避難させて、最終決戦に向かうことになる。レッドは、自分たちの仮面を主人公に託したいと切り出した。他の MAG団メンバーも同じ気持ちで、彼らは1人ずつ仮面を渡して消えていく。猫の様な男の提案で、影が仮面を食らい、主人公は影、リヒト、ノーチェと戦いに行くことにした。

スキアにもらった鍵を使ってヒヨスの森を開くと、無口な女が現れた。彼女は一緒に行動していた笑う女を食らい饒舌になっていた。無口な女が「あなたは消えることを望んでいた。全て消すのよ」と叫び、戦闘が始まる。無口な女を倒すと、ヒヨスが地震を起こして主人公の帰り道を塞いだ。ノーチェやリヒトと逸れながら進むと、箱の中から真っ白な口だけあるヒヨスの主が出現する。ヒヨスは影を縛り、主人公は特殊攻撃が使えない状態で戦闘することになる。

戦闘後、ヒヨスは1枚の紙に姿を変える。それは主人公がこの世界に来る前、駅で落としたものだった。主人公が紙を拾い上げると、ヘンベインの声が聞こえ、世界が真っ白になる。そして、影までもいなくなっていた。

エンディング

白い世界を進み続けると、駅に辿り着いた。黒いモヤが現れて襲いかかってくるが、主人公の背後から一つ目の頭巾を被った人物が現れ、死者を縄で縛ると引きずっていく。呆然とする主人公の前に、続けて鍵師が現れた。いつの間にか駅のホームに塊が来ており、主人公は塊に飛び込んだ。

辿り着いたエリアでは、景色が主人公に関係のある場所に切り替わっていく。やがて猫の鳴き声と共に自宅へ変わる。理不尽に主人公の人格を攻撃し、近づいてくる両親の影を邪魔するように、猫が乱入してきた。

通常エンド(白い男エンド)

家から飛び出していった猫を探して近所の公園にやってくる。その後、駅の景色になった。

駅では、ブロスが待っていた。ブロスが「すまない、1人にしてしまって。だけど、これからは一緒だ。一緒に行こう」と微笑みかけると主人公は涙を流しながら抱きついた。
そして現実世界では、とある駅で犠牲者が出たと報道される。遺体には傷はなく、とても安らかな笑みを浮かべていたという。

トゥルーエンド

キャラクターとの会話を増やし、ポジティブな回答を選択する。最後の蝶の森に集まる屑らの数が多くなれば、トゥルーエンドを迎えられる。

駅ではなく公園の木の下にブロスこと兄が現れる。「君には生きてほしい」と、足元でうずくまってしまった主人公に語りかけて兄は消えてしまう。入れ替わるように、ノーチェ、リヒトのほか、レッド達が合わさった存在のヒーローが立っている。皆が戦いへの意欲を示すと、仮面の男が現れた。ヒーローは仮面の男の正体は「ルーナ」だと言い切った。ルーナは世界を終わらせるためにヘンベインへ姿を変えて攻撃してくる。

ヘンベインとの戦闘を終えると、主人公は「今の自分は好きだ!」と言い切り、白黒だった世界に色がついた。鍵師によると、これで主人公は解放された。イーアが主人公の背後からやってきて、すれ違いざまに兄の姿になり「さようなら」と穏やかに微笑んだ。

主人公は兄に手を伸ばしたが、次の瞬間、現実の駅のホームで私立校の男に腕を掴まれていた。眼帯をした彼は落とし物として主人公が兄からもらった置き手紙を拾ってくれた。

バッドエンド

会話中に後ろ向きな選択肢を選び続けるとバッドエンドになる。

ホームで死者に手を伸ばされた時、一つ目の頭巾を被った人物が死者を連れていかず、そのまま主人公は取り込まれてしまう。最後に「某日、とある駅で犠牲者が出たと報道された」とだけ表示され、ホーム画面に戻る。

『排気ガスサークル』のゲームシステム

基本操作

探索パートの画面

ゲームの操作はシンプルだ。

アドベンチャーゲームという性質から、物語の大半は探索パートに割かれている。全てのエリアで、画面に表示される十字のアイコンをタップして、前後左右に移動しながらエリアを探索する。全体マップはない。

出会ったキャラクターの話を聞き、時折表示される2〜3択の選択肢を選ぶ。その時の選択肢でエンドが変わってくる。

戦闘

戦闘時の画面

会話画面から砂嵐に変わり、砂嵐が砕けるようなエフェクトが入ると戦闘画面に切り替わる。
戦闘で削る◇のポイントは、精神ポイントで、なくなるとゲームオーバーになる。
画面上部に相手の精神ポイント、画面下部に主人公のHPが表示される。主人公の味方として表示されるのは最大3人。

戦闘では「通常攻撃」「特殊」「防御」の手段がある。ジャンケンのような3すくみ方式で「攻撃>特殊攻撃>防御>攻撃」だ。両者が同じ手段を取ると、効果は相殺される。特殊攻撃に回数制限はない。

通常攻撃「無属性の攻撃を相手に与える」
特殊「仲間の属性を付けて攻撃したり、属性による能力を発揮できる。能力は、相手を分析したり、仲間を回復したりできる」
防御「相手の通常攻撃を防ぐ」

属性

キャラクターにはそれぞれ属性がある。戦闘時は、キャラクターの横に属性が表示され、それによって特殊攻撃の内容が変わってくる。

理 敵の能力を分析
愛 自分たちを回復(10回復)
喜 自分たちを回復(5回復)
怒 無属性の大ダメージを与える
哀 精神ポイントを削ってランダムにダメージを与える
楽 仲間を回復する(仲間を5回復)
無 特殊能力はない。通常攻撃のみ
全 解放(怨念達に大ダメージ)
人 解放(自分を許す)。最終戦闘のみ出現する属性

主人公は、戦闘や探索を通じて手に入れた欠片を鍵師に持っていき、各属性の仮面を作ってもらうことで戦闘可能になる。主人公が仮面をつけると、従えている影の姿が変わり、仮面の属性に合わせた特殊攻撃ができるようになる。

『排気ガスサークル』の登場人物・キャラクター

主人公とその家族

主人公

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