名門!第三野球部(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『名門!第三野球部』とは、1987年から1991年まで『週刊少年マガジン』で連載され、1991年から1992年にはアニメ化もされた、むつ利之による高校野球漫画だ。栄華を誇る名門高校の野球部の「第三チーム」に所属する、実力も注目度も低い選手たちが、逆境に立ち向かい、努力と友情を通じて成長し、甲子園を目指す姿を描いている。個性豊かなキャラクターたちの熱いドラマと、緻密な試合描写が魅力で、読者に感動と興奮を与え続けるのだ。

オーナーが、好調のチームの足を引っ張らせるためにとアメリカから呼んだポンコツ外国人選手。マリンズ入団以前は1Aの選手だった。背番号は13だ。ポジションはライトで初登場時の打順は7番。気性が荒く、通称「破壊屋(バスター)ジョー」。ルートヴィヒ・ファン・ベートーベンの子孫らしい。当初は、スイングは鋭いが極度のダウンスイングで、ボールにはかすりもしなかった。母親の助言により、片手で打つことでスイングを修正し始めてからは少しずつ当たり始め、両手で構えた初球、月光の音楽と共に月に向かってホームランを打った。実はベートーベンビールの御曹司で、オーナーがマリンズ身売りを止め、選手全員、成績に関係なく減俸を繰り返し、プロ野球最低年俸に据え置く飼い殺しを宣言した後でも、優勝をあきらめないチームメイトの熱い志に心を打たれ、かねてから父親から要望されていたと推測される、後継者として会社経営に専念する事と引換えに、プロ野球選手を引退することを決意。その条件として、父親に対して、マリンズの親会社であるマリンビールの株を買い占め、これを買収し、子会社であるマリンズも実質買収することを依頼した。後にマリンビールをベートーベンビールJAPANに改名し、社長に就任し、チームを守ることを宣言する。その記者会見の当日の試合で代打出場、サヨナラ本塁打を打つ。シーズン120三振の三振王だ。

若見 荘次(わかみ そうじ)

ポジションはショート、後にレフト。背番号は7。当初は若手のリーダー的存在であり、チーム腐敗の原因となっていた。監督が黒姫から小暮に代わって以降、小暮に対してやる気のない発言をしたため、小暮から殴打され、以降出場機会を失った。江口を庇った八百長事件では前田から、切り刻まれたチャーリーのスパイクを若見の鞄に忍ばされ、犯人扱いされる嫌がらせを受けた。この頃から、当初のイメージから改心する姿がかいま見えはじめ、江口引退後は、「江口の分まで」と長打力アップにこだわりすぎた故にスランプに陥った。スランプから脱するため、コルク入りバットにも手を出そうとしたが、バット職人にコルクが意図的に抜かれたバットをコルク入りバットと称して渡され、プラセボ効果により長打を連発。バットの問題ではなく心の焦りからくる力みが打撃不振の原因と気づいた後、スランプを脱した。その後はチームの中心的存在として、マリンズ史上最強の5番バッターと称された。

薬師丸(やくしまる)

監督が小暮に代わった後の正捕手。背番号2。小池の策略によるひき逃げによりシーズン途中で戦線離脱している。

江口 宏(えぐち ひろし)

3番レフトでレギュラーを得ていた強肩の外野手で、背番号は28だ。左投左打である。親の借金を肩代わりしてしまい、金に困っていたところを前田につけ込まれ、金を渡されて、八百長に加担してしまう。若見に庇われ、チームメイト、妻子の応援もあり試合でも疑いを晴らす形となるサヨナラヒットを放ったが、試合直後、八百長を自白し、その責任を負う形で任意引退した。26歳、在籍8年、生涯打率.265、本塁打97本。引退後は仕出し弁当屋に就職。桑本が一時プロ野球を永久追放された際は、桑本の面倒を見て、いつでも復帰できるよう練習相手も買って出ている。また、オーナーからの嫌がらせで弁当に下剤が仕込まれたのを知ると、その弁当をオーナーに手渡して食べさせ、一矢報いている。

前田 宗一(まえだ そういち)

当初は正捕手で、オーナーや黒姫監督の犬であり、わざと負けるリードを行い、チームの足を引っ張る存在だった。そのため小暮監督下では控え選手となった。背番号は20。薬師丸がひき逃げに遭ったため、正捕手に復帰するが、オーナーらの策略に従い自ら八百長をし、また江口の弱みにつけ込み彼も八百長に引きずり込む。八百長が明らかになると失踪し、現役登録を抹消された。

月の屋 二郎(つきのや じろう)

オーナーの嫌がらせによって、主力と交代で一軍に上がった選手。モデルは8代目橘家圓蔵で、前名は5代目月の家圓鏡。背番号は22だ。20年間二軍でも最低レベルの成績で、口だけが上手い調子のいいゴマすり野郎だと思われていたが、ある試合で代走を志願。頭脳的なホームスチールでサヨナラゲームを演出した。その後、前田失踪後の捕手として心理合戦では驚くべき力を発揮し、得意の心理戦とささやき戦術であすなろ達をリードした。肩が弱いのが弱点だが、素手でキャッチする荒業で盗塁を阻止している。シーズン最終戦、先制点で決勝点となる生涯初めての本塁打を放つ。病床の母と、エリートの兄・宏がいる。口癖は「~でゲスよ」。後輩である弘島の山元と会話するときや1度だけ人前で眼鏡を外した時の眼差しは普段の姿とは違う鋭さだった。少年時代の回想編も描かれるなど、物語の後半ではかなり活躍をしている。

香川(かがわ)

月の屋と一緒に一軍に上がった選手。右投右打、投手、背番号は0だ。無口で作中ほとんど話さず、話したのは連投のあすなろのリリーフを志願した試合と、回想シーンのみ。10年前のドラフト1位で、即戦力として貴重なリリーフとして活躍したが、オーナーと黒姫の思惑で弘島戦にストッパーとして3連投して3戦目で打たれ、ボーナスが無くなった事を逆恨みした黒姫により二軍に落とされる。その3連戦中、母危篤の知らせを黒姫に握りつぶされていたために死に目に会えず、そのショックで無口になった。入団時は上投げだったが、太りやすい体質のため腹が邪魔になるほど太り、それが原因でアンダースローに転向した。その副産物として、腹が邪魔で投球時のリリースポイントが打者から見えず、タイミングを狂わせることが出来た。その後はストッパーとして活躍した模様。斉藤輪大の寺の檀家であり、寺に母の墓がある。その墓は敷地だけで墓石の無い状態が続いていたが、チームメイトの厚意により墓石が寄贈された。

柏木(かしわぎ)

オーナーの嫌がらせによって、急遽支配下登録された選手。オーナーが先発予告するまでバッティングピッチャーだった。背番号は39だ。針の穴を通すようなコントロールの持ち主であるが、球速は120km台で、それまでの成績は22年間で0勝3敗にすぎなかった。気が弱く極度のあがり症であり、インコースを攻められないなど、マウンドでは甘い球筋が多かったが、小暮監督の策により秘薬と称した焼酎を飲まされ豹変(完全試合を達成した今井雄太郎のエピソードをベースにしている)し、マリンズを勝利へと導いた。ただし、本人は焼酎の飲み過ぎで乱闘騒ぎを起こし、退場処分となる。以降は、先発中継ぎに欠かせない投手となった。青森出身で青森むつ市の試合では、出身地ファンからの熱い声援をうけ、「焼酎が無くても、今のおまえには声援があるじゃないか」と小暮に諭され、以降焼酎なしであがり症を克服した。また、日本シリーズ第4戦では9回2死から桑本をリリーフし胴上げ投手にもなった。

鈴木(すずき)

マリンズのレギュラー中堅手。主に5・6番を打つ。右投右打。背番号は不明である。

市原(いちはら)

マリンズのレギュラー二塁手。打順は7・8番など下位を打つ。右投右打。背番号は11だ。

田村(たむら)

マリンズのローテーション投手。小暮監督が先発ローテーション表を作成しているときに檜・柏木らとともに名前が挙がっていた。

オーナー

マリンビールの社長で、球団オーナー。東大法学部卒。茨城の某大手電機メーカーと共謀して、球団を売り払った金と球場跡地を利用してレジャーランドを作る計画を立て、球団身売りを画策する。そのために良い成績を残してもらっては困るため、球団に度重なる嫌がらせをする。シーズン終盤、自分の思惑に逆らって優勝争いをするマリンズに対して、「球団身売りをやめて選手を飼い殺しにする」と針路変更。しかし、マリンズへの嫌がらせに目を向けすぎ、本業のマリンビールの経営を顧みなくなったため、隙が生じ、その隙をジョージ・ベートーベンに突かれ、敵対的買収によりマリンビールおよびマリンズの経営権を失う。マリンビール自体の経営もあまり熱心ではなく、ベートーベンがマリンビールを初めて飲んださい、「小便みたいな味のビール」とその場で吐き出している。桑本を道連れにしようと、乗り込んだ桑本球界復帰を検討するコミッショナー会議では、株式売却で得た30億円の賄賂を使って、桑本復帰を阻止するべくコミッショナーを買収しようとするも、一喝され失敗におわる。最終戦の最中、不正経理の商法違反(粉飾決済など)で逮捕される。最後は自らの過ちを認め、マリンズの優勝を見届けた。

黒姫 達雄(くろひめ たつお)

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