名門!第三野球部(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『名門!第三野球部』とは、1987年から1991年まで『週刊少年マガジン』で連載され、1991年から1992年にはアニメ化もされた、むつ利之による高校野球漫画だ。栄華を誇る名門高校の野球部の「第三チーム」に所属する、実力も注目度も低い選手たちが、逆境に立ち向かい、努力と友情を通じて成長し、甲子園を目指す姿を描いている。個性豊かなキャラクターたちの熱いドラマと、緻密な試合描写が魅力で、読者に感動と興奮を与え続けるのだ。

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三回戦に進んだ第三野球部は注目を浴びるが、浮かれるメンバーに対し、海堂が努力の大切さを説く。しかし、三回戦の群馬代表・吉徳高校との試合で、海堂は不振に陥るのだ。特に注目選手のいない吉徳高校だが、試合前に監督から娘のさゆりのアメリカでの手術が決まったと聞かされ、海堂は気が動転する。試合では再三のチャンスを逃し、守備でもミスをして一点を失う。海堂は動揺を乗り越え、逆転満塁ホームランを放ち、チームに勇気を与える。

準々決勝前にまさかの人物が練習相手に登場

第三野球部が次に対戦する西郷高校の左腕投手・安倍松の剛速球に備えるため、桑本が打撃練習を手伝うことになる。桑本との練習を経て、第三野球部は西郷高校との試合に挑む。西郷高校戦で、あすなろの球が「弾丸ボール」としての秘密を明かすのだ。試合は安倍松が2本のホームランを打つが、9回に第三野球部が同点に追いつき、桜井のサヨナラヒットで勝利し準決勝進出を果たす。

旅館での祝賀会と京本の夢

第三野球部は準決勝進出を果たし、旅館で祝賀会が開かれる。京本は過去のトラブルで悩み、野球を辞めるつもりだったが、あすなろに誘われて再び野球を続ける決意を固める。京本は甲子園のマウンドに立ちたいという強い思いを抱きながら、第三野球部に感謝していた。準決勝では、京本と桜井の元一軍バッテリーが実現し、京本は自信満々で完封を目指し登板することになった。

準決勝の試合

準決勝の相手は徳島代表の名門、鳴門水産高だ。甲子園常連校だけあって徐々に京本を捕まえる。初回に第三野球部は4点を取り援護するが、京本は徐々に捕まり、5対3の2点リードで最終回を迎える。バックのみんなからも「あと1球頑張って投げよう」と励まされた京本は力を振り絞り、最後の1球を投げて夢を締めくくる。第三野球部はついに決勝進出を決めたのである。

決勝戦

第三野球部は決勝戦で青森代表・陸奥高と対戦する。両校は互いに励まし合いながら勝ち上がり、正々堂々と全力を尽くした。試合は両チームが一進一退の攻防を繰り広げ、延長戦に突入。最終的に、延長18回で陸奥高が1点を勝ち越すと、第三野球部も最後まで反撃するが、惜しくも敗れて甲子園の戦いを終えた。それでも両校の選手たちは、互いの健闘を称え合い、素晴らしいスポーツマンシップを示した。

プロ入りへの決意と試練

高校卒業後、あすなろは千葉大学への進学を決めていたが、千葉マリンズのスカウトマン・小暮憲三(こぐれ けんぞう)との出会いがきっかけでプロ野球への道へ進むのである。小暮の説得を受け、あすなろは球界を代表する強豪チームと戦うことを夢見て、プロ入りを決意する。しかし、悪徳オーナーの妨害によって、千葉マリンズのメンバーたちは波乱に満ちたペナントレースを戦い抜くことを余儀なくされる。それでもあすなろは困難に立ち向かい、仲間とともに栄光を目指して進んでいくのだ。

『名門!第三野球部』の登場人物・キャラクター

桜高校

檜 あすなろ(ひのき あすなろ)

CV:菊池英博

本作品の主人公だ。桜高校野球部の第三野球部に所属する少年で投手を務めている。当初は弱気ないじめられっ子気質で、一軍への昇格を諦めていたが、第三野球部の解散をかけた試合をきっかけに熱心に練習に打ち込んでいくのだ。投手としては球種が少なく、変化球の質も決して一級品ではないが、投球回を重ねるにつれて球威が増すほどの、無尽蔵のスタミナを持つ。 弾丸ボールと称されたストレートは、横回転により球威がバッター手元まで衰えないため、球がホップしているように見えるので、ストレートの投球術は目を瞠る物がある。バッティングに関してもしぶとさが売りである。それに加え、試合中の怪我で偶然身についた一本足打法を活かした長打力もあり、5番打者としてクリーンアップの一角を担っている。「飛翔編」では大学進学を1度は決めるが、小暮憲三との出会いをきっかけに、セントラル・リーグの千葉マリンズに入団することを決意。 開幕から一軍入りし、投手としてだけでなく、代打や高校時代に未経験のショートなど、さまざまなポジションで八面六臂の活躍を見せていく。背番号は55で、契約金は500万円。当初は控え選手で、開幕一軍入りした。プロ初出場は開幕戦で4番の代打として出場。結果はホームラン性の外野フライ。スカウトだった小暮が監督に就任してからは先発・抑えに活躍の舞台を見いだす。桑本がマリンズオーナーらの策略による野球賭博荷担疑惑により、プロ野球から一時永久追放されて以降は、志願して桑本のローテーションまで投げる無理をし、疲労性骨折が疑われる状態になり医師(夕子の兄)から投球禁止を指示される。しかし、桑本が球界復帰するコミッショナー会議の当日、最終回に登板しチームを勝利に導く。駆けつけた桑本にウィニングボールを投げようとしたところで、疲労性骨折を発症してしまいプロ野球選手としては再起不能となる。シーズン最終戦では、最終イニング2アウトで三角巾姿のまま一塁の守備に就き、ウィニングボールを受け、誰よりも最初に胴上げされた。防御率は2.13だったが、わずか1シーズンで引退。その後アマ規定の制限解除を待って、桜高校の教員となり、『上を向いて歩こう』では野球部監督に就任した。

村下 夕子(むらした ゆうこ)

CV:鶴ひろみ

連載開始時は陸上部のホープで、成績も優秀だ。美人としても校内では知られている。後に野球部のマネージャーとなる。ソフトボールの経験があり、最初の対一軍戦時は第三野球部の選手として出場していたが、それ以降はプレイしていない。
あすなろとは幼馴染みであり、好意を抱いている。「落ちこぼれと優秀な」2人の組み合わせは「桜高校の不思議」として校内で知られていた。あすなろの母とも昔からの知り合い。虐められていた時も彼をかばい続け、あすなろの家に行き家事の手伝いも行っている。プロになったあすなろの応援のため球場にかけつけたこともある。飛翔編では当初医学部を目指しているとされていたが、のちに桜高校の校医として登場する。気が強い性格だが、それだけではなく女性らしい内面も持っている。芯が強く、しっかりとした彼女の励ましはあすなろにとってなくてはならないものである。

海堂 タケシ(かいどう たけし)

CV:玄田哲章

第三野球部所属の捕手で、元一軍の4番打者だ。右投右打で神主打法という独特のフォームからライト方向への流し打ちを得意とする超高校級スラッガーで、別名「桜校の落合」と呼ばれ、高校野球界の有名人であった。高校通算打率は5割7分。2年時の夏は一軍でスタメンだったが甲子園後に監督を殴ったため三軍へ降格。しばらくのブランクがあったが復帰戦で一軍エースの京本(きょうもと)から本塁打を放ったり、銚子商の控え投手からも本塁打を放ったりと、錆びついていなかった。捕手としての守備力も高く、的確なリードとキャッチング、そして強肩の持ち主だ。さゆりを気にかけていて、さゆりの手術が絡んだ前後で2度ほど打撃にブレーキがかかったが、いずれも復活を果たすのだ。卒業後は東京六大学の早稲田大学へ進学を決めたが、スランプに陥り打撃不振に苦しんだが、あすなろの言葉をきっかけに復活。数年後、マリンズに入団し、本塁打王となる。

白石兄(しらいし あに)

左側が白石兄、右側が白石弟。

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