スガ シカオ(Shikao Suga)の徹底解説まとめ
スガ シカオ(Shikao Suga)とは1997年にデビューしたシンガーソングライターである。自身の曲以外にも多くのアーティストに楽曲提供も行っており、「SMAP」の「夜空ノムコウ」では作詞を担当している。また代表曲にはNHK番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』のテーマソング「Progress」等がある。
深い歌詞と多様な音楽ジャンルを融合させた独自のスタイルで、90年代後半から活躍し続けている。
『Sweet』
1999年9月8日発売
1. あまい果実
2. 正義の味方
3. 夕立ち
4. ふたりのかげ
5. 310
6. 夜明けまえ
7. 師走
8. グッド・バイ
9. いいなり
10. ぼくたちの日々
アルバム3作目はこれまで以上に「大人がじっくり聴ける味わいのあるアルバム」という印象である。どこにでもありそうな男女の仲を鋭い切り口で切り取って、文学的だけどエロティックな言葉を散りばめた歌詞がファンク・ベースのサウンドに乗っている。一つ一つの言葉の選び方は文学としての隠喩や行間の意味を持たせ、その上でメロディーにも上手く乗せていくやり方で、抜群のリズム感を持っている彼だからこそ出来る技である。改めて彼の才能を充分に感じられる1枚となっている。
『4Flusher』
2000年10月25日発売
1. かわりになってよ
2. 性的敗北
3. ミートソース
4. AFFAIR
5. 波光
6. ドキュメント2000~the sweetest day of my life~
7. SPIRIT
8. そろそろいかなくちゃ
9. たとえば朝のバス停で
10. 青白い男
11. 木曜日、見舞いにいく(Album Mix)
前回アルバム『SWEET』までの3部作で、目指していたことがある程度バランスよく出来たので今回は本線から外れた番外編、特別編みたいなものを作りたかったと語っている。今までと同じ作風にならなように自分の中でのタブーに挑戦したという事で、メドレー、サビ頭を英語にする、レゲエビート、ピアノの四分打ちバラード、バンドでの録音にも挑戦している。「ミートソース」「AFFAIR」「ドキュメント2000」「青白い男」はほぼ一発録り、「かわりになってよ」「波光」はセッションしながら作られた。完全に自分ひとりでこれまで通りに作ったものは「性的敗北」「「そろそろいかなくちゃ」「「木曜日、見舞いにいく」だという。後々にはバンドサウンドの作品も多く見られるようになったが、初期当時の試行錯誤を感じる事ができる1枚である。
『SMILE』
2003年5月7日発売
1. Thank You
2. アシンメトリー
3. 優等生
4. 桜並木
5. 青空(album version)
6. Go!Go!
7. サヨナラ(album version)
8. あだゆめ
9. はじめての気持ち
10. 気まぐれ(album version)
このアルバムは山梨県の山中にある一軒屋に自ら録音機材一式を持ち込み1ヶ月をかけて制作された。父親の死去、友人の事故死、プライベートでの不幸をはじめとした様々な出来事、そんないろんな事が重なり過ぎてスランプに陥った中で、山篭りしてたった一人で作りあげたアルバムである。これでダメだったら音楽辞めようと思っていたぐらいだったが、ぬぐえない不安のなかで曲作りに集中する事で希望が見え『SMILE』に辿り着いた。アルバムタイトルとはうらはらに、1曲目は重くて太いギターリフと、死を匂わせる歌詞となっている。本人曰く「もう、自分に勝った!って、感じだったんですよね。こんなのリリースしたら日本の音楽シーンがひっくり返るんじゃ?と言ってたら、人間の死を扱うテーマだから放送自粛がかかったって言うオチが(笑)」と語っている。ビートが重く、濃厚な曲が目白押しのアルバムだ。
『TIME』
2004年11月17日発売
1. サナギ
2. カラッポ
3. 光の川
4. アーケード
5. クライマックス(album version)
6. June
7. あくび
8. 魔法
9. 秘密
10. 風(かざ)なぎ
前作『SMILE』とはうって変わって、この作品を作る時はとても調子が良かったという。本人曰く「どんどん曲ができるし、歌詞は暴走し始めるし。寝ててもメロディとかアイディアが出てくるぐらい。『FAMILY』の時もそんな感じだったかな」と語っているように、1曲目の「サナギ」はセカンドアルバム『FAMILY』の作風が進化して形になったような曲に感じられる。他にもより進化したスガファンクが詰め込まれており、濃密でまとわりつくような、色気も毒気も満載の作品となっている。
『PARADE』
2006年9月6日発売
1. 奇跡
2. 19 才
3. 38 分15 秒
4. 斜陽
5. 夏陰~なつかげ~
6. タイムマシーン
7. Rush
8. Hop Step Dive
9. 真夏の夜のユメ
10. 7月7日
11. 午後のパレード
12. Progress(Family Sugar Version)
デビュー10周年に発売されたアルバムである。今回はとにかくずっと踊れるアップビートな曲とラブソングを直球で書くという事をテーマにしていた。これまでの活動を通して彼の中でも変化があり「脱スガ シカオ」が感じられる1枚である。変化のきっかけの1つに「KAT-TUN」の「Real Face」の歌詞を書いたことを上げている。この歌詞を作る際には自分の視野を広げて考えるようになり、今までの自分の歌詞は視野が狭いと感じるようになったという。「19才」も「午後のパレード」も、に「KAT-TUN」に提供する機会がなかったら出来なかった曲だと語っている。4曲目の「斜陽」は、スガ シカオの歌詞が太宰治の世界観に似ていると言われる事が多くなり、有難くも本人は太宰治が苦手だったので悔しくて太宰の小説タイトルから拝借したというエピソードがある。
『FUNKAHOLiC』
2008年9月10日発売
1. バナナの国の黄色い戦争
2. NOBODY KNOWS
3. POP MUSIC
4. プラネタリウム
5. Call My Name
6. FUNKAHOLiC
7. フォノスコープ
8. 潔癖
9. 13階のエレベーター
10. コノユビトマレ
11. sofa
12. 宇宙
『FUNKAHOLiC』とは、ファンク中毒という意味である。デビュー10周年を過ぎたあたりからスガ シカオ自身の気持ちに変化が出始め、これまでのように分かる人にだけ分かれば良いというようなものはやらず、中高生が聴いてもわかるファンクをちゃんとやろうと思ったという。自分のこだわりを追求するだけでなく、ちゃんと人に伝わる音楽をやろうという道を選び、これまでのスガ シカオから大きく違う方向に一歩踏み出した、新境地を感じさせるアルバムである。曲の作り方やレコーディングの方法が変わった訳ではないが、本作ではエレクトロ感が前に出ている作品となっている。
『FUNKASTiC』
2010年5月12日発売
1. Party People
2. 91時91分
3. サヨナラホームラン
4. 兆し
5. ファンカゲリヲン
6. トマトとウソと戦闘機
7. 雨あがりの朝に
8. ドキュメント2010~Singer VS. Rapper~
9. 台風は北北東に進路をかえ…
10. 夏色タイム
11. 軽蔑
12. はじまりの日 feat. Mummy-D
このアルバムはオリコンチャートで週間2位を記録し、デビュー作からベストアルバムを含め13作連続でアルバムTOP10入りをした。この記録は尾崎豊の12作連続を抜き男性ソロアーティストでは歴代1位となった。タイトルは「ファンク」と「ファンタスティック」をもじった造語である。3曲目の「サヨナラホームラン」は亀田誠治がプロデュースを手掛けている。スガ シカオはライブのMCで「ファンキーな曲は自分でやるけど、ロックなテイストで叫びたいときは亀田さんにお願いするようにしてる」と話していた。ファンクが好きでこだわりは持ちつつも、自分以外のアイデアも取り入れた結果良いものが作れたというアルバムである。これが独立前最後のオリジナルアルバムとなった。
『ACOUSTIC SOUL』
2014年1月15日配信限定発売
(iTunes Store 限定)
1. 情熱と人生の間
2. 航空灯
3. 見る前に跳べ.com
4. きみが好きです
5. ハダカハダカ
インディーズでの活動の区切りをつける作品としてリリースされたミニアルバム。独立後のインディーズで発表してきた実験的かつ攻撃的なサウンドとは打って変わって、ソウルフレーバーにあふれた作品となっている。インディーズという活動を選び、音楽的挑戦を続けてきた彼がメジャー復帰する前にどうしても作っておきたかった作品。この作品をリリースするにあたって「生演奏中心のオレ流Soul Musicです。新しさや危険な匂いはしませんが、大好きな人や、見えない未来と重ね合わせて聞いて欲しい、そんなアルバムです」と語っている。
目次 - Contents
- スガ シカオ(Shikao Suga)の概要
- スガ シカオ(Shikao Suga)の活動経歴
- デビュー当時から注目された才能
- 2年目にして大ヒット、多方面での活躍
- 所属事務所からの独立
- スガ シカオ(Shikao Suga)のプロフィール・人物像
- スガ シカオ(Shikao Suga)のディスコグラフィー
- シングル
- 『ヒットチャートをかけぬけろ』
- 『黄金の月』
- 『ドキドキしちゃう』
- 『愛について』
- 『ストーリー』
- 『ぼくたちの日々』
- 『夜明けまえ』
- 『あまい果実』
- 『SPIRIT』
- 『AFFAIR』
- 『8月のセレナーデ』
- 『青空/Cloudy』
- 『アシンメトリー』
- 『サヨナラ/気まぐれ』
- 『秘密』
- 『クライマックス』
- 『光の川』
- 『奇跡/夏陰/サナギ』
- 『19才』
- 『真夏の夜のユメ』
- 『Progress』
- 『午後のパレード』
- 『フォノスコープ』
- 『NOBODY KNOWS』
- 『コノユビトマレ』
- 『Party People』
- 『はじまりの日 feat.Mummy-D』
- 『サヨナラホームラン』
- 『約束』
- 『Re:you/傷口』
- 『Festival』
- 『見上げてごらん夜の星を feat. Daniel Ho』
- 『アイタイ』
- 『赤い実』
- 『赤い実 remix』
- 『アストライド/LIFE』
- 『モノラルセカイ』
- 『あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ』
- 『真夜中の虹』
- 『雨ノチ晴レ』
- 『ハッピーストライク』
- 『トワイライト★トワイライト』
- 『遠い夜明け』
- 『ぼくの街に遊びにきてよ』
- 『モンスターディスコ』
- 『バニラ』
- 『ハチミツ』
- 『あなたへの手紙』
- オリジナルアルバム
- 『Clover』
- 『FAMILY』
- 『Sweet』
- 『4Flusher』
- 『SMILE』
- 『TIME』
- 『PARADE』
- 『FUNKAHOLiC』
- 『FUNKASTiC』
- 『ACOUSTIC SOUL』
- 『THE LAST』
- 『労働なんかしないで 光合成だけで生きたい』
- 『ACOUSTIC SOUL 2』
- 『イノセント』
- ベストアルバム
- 『Sugarless』
- 『ALL SINGLES BEST』
- 『SugarlessII』
- 『BEST HIT!! SUGA SHIKAO -1997〜2002-』
- 『BEST HIT!! SUGA SHIKAO -2003〜2011-』
- 『SugarlessⅢ』
- ライブアルバム
- 『THE BEST HITS OF LIVE RECORDINGS -THANK YOU-』
- 『ALL LIVE BEST』
- 『LIVE BOOTLEG』
- 『LIVE BOOTLEG 「THE LAST」』
- 『LIVE BOOTLEG 3 Hitori Sugar Tour 2018』
- DVD
- 『1095』
- 『+731』
- 『20 MUSIC CLIPS OF SUGA SHIKAO』
- 『Shikao & The Family Sugar~FAN-KEY PARADE07~ in 日本武道館』
- 『情熱大陸 × スガ シカオ』
- 『JAPAN-UK circuit 2009/2010』
- 『LIVE TOUR 2016 「THE LAST」 ~ENCORE~』
- 『LIVE FILMS 2015-2016 -20th Anniversary LIMITED EDITION-』
- 『スガフェス!~20年に一度のミラクルフェス~』
- 『VIDEO BOOTLEG Hitori Sugar Tour 2020 - 2021』
- スガ シカオ(Shikao Suga)の代表曲とミュージックビデオ(PV/MV)
- 「黄金の月」
- 「ストーリー」
- 「あまい果実」
- 「Progress」
- 「午後のパレード」
- 「アストライド」
- 「バニラ」
- スガ シカオ(Shikao Suga)の名言・発言
- 「歌詞の意味は個々人が考えるもの」
- 「家訓が金を稼げないやつは何も言うなだった」
- 「自分が聴きたくない音楽だけは絶対作らない」
- 「今の音楽環境に危機感を感じてます」
- 「そんな状況が長くは続かないと思っていた」
- スガ シカオ(Shikao Suga)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 暗黒の予備校時代
- アイドルの付き人をやっていたサラリーマン時代
- デビュー曲のジャケットに込められたメッセージ
- サングラスと山崎まさよし