今日からマ王!(まるマシリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ

『今日からマ王!』とは喬林知によるライトノベル『まるマシリーズ』をアニメ化した作品である。原作は2000年11月から刊行され、主人公が異世界で魔王として活躍するファンタジー作品となっている。2004年からアニメ放送が開始されると翌年に『月刊Asuka』にて漫画の連載も始まった。漫画のタイトルは『今日からマのつく自由業!』となっており、ライトノベルで挿絵を担当していた松本テマリが漫画を描いている。コメディあり、感動ありと様々な要素が盛り込まれている。

『今日からマ王!』の概要

『今日からマ王!』とは、ライトノベルである『まるマ』シリーズがアニメ化された作品である。原作は喬林知(たかばやしとも)であり、ライトノベルの他にはファンブックやイラスト集も発売された。『まるマ』シリーズはアニメ化されるとゲーム化や舞台化もされ、様々なメディアに展開されている。
アニメ『今日からマ王!』は2004年より第1シリーズが放送開始。2005年に第2シリーズ、2008年に第3シリーズが放送となった。2005年より『月刊Asuka』にて漫画の連載も開始され、原作の挿絵を担当していた松本テマリが漫画を描いている。漫画のタイトルはアニメとは異なり、『今日からマのつく自由業!』となっている。
『今日からマ王!』はファンタジー作品であり、ごく普通の高校生の渋谷有利(しぶやゆうり)が異世界へ飛ばされ、魔王になるというストーリー。美形で魅力的なキャラクターやコメディあり、シリアスあり、感動ありと様々な要素が盛り込まれている。
またネットラジオも配信され、パーソナリティーはメインキャストの斎賀みつき、宮田幸季、櫻井孝宏が担当した。
正義感が強く、優しい性格の有利だが、こうと決めたら曲げない意思の強さも持ち合わせている。魔王に覚醒すると口調が変わり、髪の毛が伸びる。有利はどんな事件も、明るく柔軟に解決していく。周りの人々はいつの間にか有利のペースに巻き込まれ、つい手を貸してしまう。周りの人々に支えられながら、有利は魔王として成長していく。
ドタバタとコメディタッチでストーリーは進んでいくが、ホロリとする感動シーンもある。

『今日からマ王!』のあらすじ・ストーリー

第1シリーズ

ウエラー卿コンラート(右)の後ろに隠れる渋谷有利(左)

ごく普通の高校生、渋谷有利(しぶやゆうり)は公園で不良に絡まれていた同級生の村田健(むらたけん)を助けようとしたが、返り討ちにあってしまう。不良達に公衆トイレへ連れ込まれ、有利は便器に顔を突っ込まそうになるが、その時水流に巻き込まれ、目を開けるとそこは異世界だった。
びしょ濡れで黒い学ラン姿で黒髪、黒目の有利を見て、異世界の人々はパニックになり、有利に石などをぶつける。この世界では、黒い髪と黒い目、そして黒い服は最強の魔王の証だったからだ。
有利を助けてくれたのは、魔族のウエラー卿コンラートだった。有利はコンラートと王佐のフォンクライスト卿ギュンターにより、有利が第27代魔王であること、そして人間を倒さなければならないことを告げられる。
コンラートの兄のフォンヴォルテール卿グウェンダル、弟の美少年フォンビーレフェルト卿ヴォルフラム、三人の母のフォンシュピッツヴェーグ卿ツェツィーリエなど、個性豊かな人々に囲まれ、戸惑う有利。そこでヴォルフラムに母親の事を悪く言われ、思わず平手打ちをしてしまう。そしてその行為は、この世界では求婚を意味するものだった。男同士でありながら、有利とヴォルフラムは婚約者となった。

人間によって魔族が住んでいる街を焼かれた事件をきっかけに、有利は魔王になる決意をする。王としての承認の儀式の最中に、有利が水に手を入れると水流に流され、不良に連れ込まれた公衆トイレへ戻っていた。そこには警察を連れて来た村田もいた。

有利は異世界では魔族が住んでいる眞魔国(しんまこく)という国にある血盟城(けつめいじょう)に住んでいる。ある日有利の子供だと名乗る人間の女の子、グレタが現れる。しかし有利の子供だというのは嘘で、目的は有利を暗殺することだった。グレタは血の繋がらない両親が魔王が嫌いなため、両親に好かれようと有利を殺そうとしたのだった。
そんなグレタを有利は温かく受け入れる。両親に冷たくされているグレタを、養女にすることにしたのだ。

有利は眞魔国を作った初代魔王である眞王(しんおう)の力により、地球と異世界を行き来できる。
ある日有利は眞王の意思とは関係なく、地球から異世界へ飛ばされる。そこでギュンターから人間が魔族との戦いの準備をしていると告げられる。その時有利達は集団に襲われ、コンラートは有利を庇って左腕を切られてしまった。そして有利は村田と共に異世界の人間の国、シマロンに飛ばされるが、コンラートは行方不明になっていた。

かつて創主という邪悪な存在が、異世界を破壊した。眞王は創主と戦い、4つある「禁忌の箱」に封印した。箱にはそれぞれ「風の終わり」、「地の果て」、「凍土の劫火」、「鏡の水底(みなぞこ)」という名前が付いている。その禁忌の箱の一つ、「風の終わり」を人間の国の大シマロン、「地の果て」を人間の国の小シマロンが手に入れた。
小シマロンの軍人が、箱の力を試そうと鍵であるコンラートの左腕で開けようとした。しかし鍵が違ったため箱は暴走してしまう。それを有利が魔王の力で止めた。
村田は有利に自分は大賢者の生まれ変わりだと正体を打ち明けた。
禁忌の箱を人間が持っているとまた異世界が危機に陥ってしまう可能性がある。「地の果て」とコンラートの腕は魔族が預かり、鍵が開けられることがないように、コンラートの腕は海に沈めた。

有利達は今度は「風の終わり」を手に入れるために、大シマロンに向かう。そして大シマロンで行われる天下一武闘会に出場し、優勝して「風の終わり」を賞金として貰おうと考えたのだった。しかし村田にはもう一つの策があった。それは「風の終わり」を、偽物の箱とすり替えることだった。
有利の対戦相手として現れたのは、行方不明になっていたコンラートだった。コンラートは大シマロンの代表として参加していたのだ。本気で有利と戦う気がないコンラートに業を煮やして大シマロン代表として参加していたフォングランツ・アーダルベルトが参入する。アーダルベルトは魔族だが、眞王の言いなりになっている魔族が気に入らず、眞魔国を捨てた男だ。
試合はめちゃくちゃになり、有利達は大会を乱した罪でつかまりそうになるが、有利が魔王の力を使い、脱出に成功する。箱も無事にすり替えることができた。

禁忌の箱について人間の国のフランシア王国の王が持っていると情報が入り、有利達は王の元へ向かう。コンラートも同じように向かっていた。
箱は遺跡にあるとのことで有利達は向かうが、そこで大シマロンの兵と鉢合わせてしまう。実はそれはフランシア王の側近であるライラが、魔族と大シマロンを相打ちさせるために仕組んだことだった。
しかもその遺跡には仕掛けがあり、ライラが石を動かすと遺跡が崩れ始めた。崩れる遺跡から有利は魔王の力を使って全ての人々を助け出す。魔王となった有利を見て、大シマロンの兵は撤退した。皆を危機に陥れたライラだが、有利は無事で良かったと話す。そんな有利を見てライラは有利の事を信用し、隠していた禁忌の箱を渡すことにした。

第2シリーズ

箱を手に入れた有利達だったが、大シマロンの王達とコンラートに見つかってしまう。しかしコンラートは有利を助けた。実はコンラートは眞王から箱を見つけ、手に入れるように命令されていたため、大シマロンに潜入していたのだった。ピンチの有利達の元にグウェンダル達が駆けつける。そしてフランシア国王も現れ、大シマロンとは手を切り、眞魔国と同盟を結ぶことを宣言する。大シマロンは状況が不利になり、退却して行った。
コンラートに眞魔国へ戻ってくるように説得する有利。しかしコンラートは有利を裏切ったため、戻ることはできないと告げる。コンラートが戻らない理由は、箱と鍵である自分の腕は同じ場所にいてはいけないと判断したためだった。コンラートの切られた腕は、眞王が元通りにしたことも判明する。そして皆の懸命な説得により、コンラートは有利の元へ戻ることになった。

有利の活躍の噂を聞き、眞魔国と同盟を組む国も増えていった。
有利達は眞王の言葉を伝える巫女であるウルリーケから、最後の箱「鏡の水底」は地球にあると告げられる。そこで有利、コンラート、ヴォルフラム、グウェンダル、村田は地球の有利の家へ送られることになった。
家へ帰って来た有利は、家族が全員有利が魔王だということを知っていた事実を知るのだった。そこで有利達は箱を探しに来たことを家族に話す。また有利の兄の渋谷勝利(しぶやしょうり)は地球の魔王であり、現在の地球の魔王であるボブと繋がっていた。

箱の手がかりを聞くために、有利達はボブのいるスイスへ向かう。有利の力を試そうと、わざとボブは有利を挑発する。魔王対地球の魔王の戦いが始まった。ボブは有利を認め、有利にならば箱を託せると箱のありかを教える。有利達は箱を眞魔国へ持ち帰った。
ついに禁忌の箱が4つ揃った。しかし箱が揃ったことにより、眞魔国にも地球にも様々な影響が出ていた。
ボブの元で渋谷一家は有利の帰りを待っていたが、勝利が水をのぞくと眞魔国へ流されてしまった。

いよいよ眞王廟(しんおうびょう)で禁忌の箱を封印する儀式が始まった。箱からは創主の一部が漏れている。
有利の力でも創主を封印するのは困難だった。そして創主の力によって復活した眞王が登場する。眞王は創主に侵されていた。
箱の鍵は選ばれた者の体の一部であり、コンラートの左腕、グウェンダルの左眼、ヴォルフラムの心臓である。眞王は3人を捕らえて鍵を開けた。3人は解放されたが、鍵となった体の機能が使えなくなってしまう。ヴォルフラムは鍵が心臓だったため、心臓が停止する。
村田の策で眞王を一時的に結界の中に閉じ込め、有利達は脱出し、眞王廟の扉を閉めた。

眞王は完全に創主に取り込まれてしまった。
有利達は創主に取り込まれた眞王と戦う。眞王は鍵であるコンラートの左腕、グウェンダルの左眼、ヴォルフラムの心臓の機能を返した。そのためヴォルフラムも復活した。
しかし有利は捕らえられてしまい、取り込まれ、眞王の器にされてしまった。
勝利はウルリーケとの修行により、力を使えるようになっり、創主の力によって操られている敵と戦う。
眞王に取り込まれた有利と戦うコンラート達。そしてついに最後の禁忌の箱が開かれようとしていた。鍵は有利の血だったのだ。ついに箱が開く。
しかし有利は自分を取り戻し、眞王は有利の体からはじき出された。創主に取り込まれる前に、眞王は創主を自分の魂に閉じ込め、自分を超える魔王に倒してもらおうと考えていた。それが有利だった。
ついに有利が創主を倒した。異世界と地球から創主は消滅した。有利の前に創主から解放された眞王が現れる。有利にお礼を言って眞王は消えた。
有利の前に次元の穴が現れる。それは眞王が最後の力で開いた地球に戻す穴だった。眞王が消えた今、もう有利は異世界と地球を行き来することはできない。
この穴が地球に帰れる最後のチャンスだと知り、有利は戸惑う。しかしヴォルフラム達に背中を押され、有利は地球に戻る決心をする。

地球に戻ってきた有利、勝利、村田。いつもの日常が戻ってきた。
有利と村田は、公園へやって来た。そこで村田は有利を水に向かって押す。すると有利と村田は眞魔国へ来ていた。
驚く有利。突然有利と村田が眞魔国に現れて、その場にいたコンラート達も驚く。有利は創主を倒した時に、眞王を超える力を得たので、自分の力で地球と眞魔国を行き来できるようになったのだ。
眞魔国の人々は、また有利と会えて喜ぶのだった。

第3シリーズ

大シマロンではランジールⅡ世が新しい王に即位した。
世間では白い鴉という集団が、剣を盗むという事件が発生。

有利はサラレギーという小シマロンの王に会った。サラレギーは、小シマロンも眞魔国の同盟に加わりたいと言う。有利はすぐに快諾したが、コンラートは浮かない顔だった。
ある日小シマロンから招待状が届く。有利が小シマロンを訪れると、目の前でサラレギーの部下が謀反を起こした。謀反は失敗したが、謀反を起こした部下と繋がっていた大シマロンの王が有利を捕らえようと小シマロンにやってくる。そこには白い鴉を束ねるジェネウスもいた。ジェネウスの顔は眞王と共に創主を倒した大賢者の顔にそっくりである。それもそのはずで、ジェネウスは大賢者のコピーだったのだ。
サラレギーは有利を逃がそうとする。有利は両国が戦争になることを恐れて大シマロンに行こうとするが、そこでサラレギーが矢に撃たれてしまう。
怒った有利は魔王となり、大シマロンは退却して行った。
全てはサラレギーが仕組んだことであり、実はわざと矢に撃たれたのだ。有利達は小シマロンから脱出し、眞魔国と小シマロンが同盟を結ぶ話も保留となった。

大シマロンは眞魔国と戦争をする決意をし、サラレギーも大シマロン側に加わることになる。しかしサラレギーが有利に宛てた手紙には、大シマロンに強要され、大シマロンと眞魔国との戦争に参加すること、戦争を避けるために大シマロンの王と有利との話し合いの場を作ろうと思うと書いてあった。グウェンダルはサラレギーを信じていないため、小シマロンへはコンラートが向かった。
有利は水を使って次元を操り、村田と勝利と共に大シマロンの王に会いに行くことを決意する。しかし間違えてサラレギーが乗る小シマロンの軍艦の中に移動してしまった。
有利の目の前で大シマロンと眞魔国の船が向かい合い、今にも攻撃しようとしている。サラレギーは有利に術をかけ、大シマロンの船を滅ぼすように命ずる。有利はサラレギーの術にはまり、魔王となって大シマロンの船を攻撃し、大シマロンは退却した。村田は気を失った有利を抱え、勝利と共に海に飛び込んだ。眞王の力により、有利と勝利は有利の家に戻ってきた。しかし村田だけは眞魔国へ飛ばされた。
サラレギーが自分を利用したことを知って、有利は傷つく。しかしボブによって立ち直った有利は、勝利と共に眞魔国へ戻る。

サラレギーに会い、軟禁されていたコンラートだったが、脱出し眞魔国へ帰ろうとしていた。するとコンラートの前に、サラレギーに仕えているベリエスが立ちはだかる。ベリエスはコンラートと剣で1対1の勝負をしたかったのだ。コンラートと勝負し、負けたベリエスは眞魔国へ連れて来られた。
有利がベリエスを返すとサラレギーに手紙を送ったため、サラレギーが眞魔国を訪れる。そして有利の前にはもう一人、アラゾンという聖砂国(せいさこく)の王が現れた。聖砂国という国は、不思議な力を持つ神族の集まりで、金髪に金色の眼という特徴がある。
アラゾンの国では神剣が盗まれたことで土地が枯れてしまい、衰退してしまった。世間で起きていた剣が盗まれる事件は、白い鴉を使ってアラゾンが神剣を探させていたのだ。神剣は見つかったが長い間行方不明になっている間に、国を蘇らせる力がなくなってしまった。そこでアラゾンは魔王である有利に、国を救ってほしいと頼みに来たのだ。
そこへベリエスが現れる。ベリエスの眼と髪の毛は緑色のはずだが、なぜか金色になっていた。ベリエスは法術で眼と髪の色を変えていたのだ。
実はベリエスはアラゾンの弟であり、アラゾンはサラレギーの母だった。その事実をサラレギーは初めて知る。
ベリエスは神剣が盗まれた時、アラゾンと共に神剣を探す旅に出たが、見つからなかった。そこでベリエスは神剣を諦め他国へ助けを求めようとアラゾンに言ったのだが、アラゾンは聞き入れず、ベリエスはアラゾンの元を去った。
サラレギーは父親に育てられたが、父親はサラレギーとどう接していいか分からず、ベリエスに託す。
ベリエスが現れると、アラゾンは消えてしまった。
傷ついたサラレギーを有利が元気づける。有利を利用していたサラレギーだが、有利の人を信じる真っ直ぐな心に触れ、サラレギーの有利に対する思いが変わっていった。
サラレギーは改めて小シマロンは眞魔国と同盟を結びたいと有利に話す。そして世界を平和にするために、大シマロンと小シマロンを統一し、自分が王になると宣言した。

再びアラゾンが眞魔国に現れた。国を救ってほしいというアラゾンの願いを、有利は聞き入れる。しかしサラレギーも神剣の使い手だった。それでもアラゾンは有利を選ぶ。神剣は国を蘇らせるほどの力があるため、アラゾンは神剣を使ったらサラレギーが危険な目に遭うのではと思ったのだ。
アラゾンに受け入れてもらないと感じたサラレギーは神剣を奪い、外に出る。そこには力尽きたジュネウスが倒れおり、もうすぐ消えようとしていた。しかしどうしても眞王に会いたかったのだ。サラレギーはそんなジェネウスに神剣の力を使って力を与えた。
するとジェネウスの力が暴走する。アラゾンは暴走する力からサラレギーを庇い、怪我を負った。自分を助けたアラゾンを見て、サラレギーは動揺する。

有利は魔王となってジェネウスと戦う。眞王はジェネウスと共に消えるつもりで、二人の前に現れた。
しかし自分を失ったジェネウスにはもう眞王が分からない。有利はジェネウスを助けるため、ジェネウスの意識の中に入る。ジェネウスの力を押さえ込むと暴走は止まり、ジェネウスは魂だけの姿になった。そして村田はジェネウスの魂を、自分の中に入れる。有利は魔力を使ったため、倒れてしまった。

有利は三日たっても目覚めなかったため、サラレギーが神剣を使って有利を目覚めさせることにした。しかし目を覚ました有利は魔力がなくなってしまう。
有利が神剣を使うことができなくなってしまったため、サラレギーが神剣を使って聖砂国を救うことになった。サラレギーは聖砂国へ行き、神剣を使って国を蘇らせる。そしてアラゾンにまた来ると約束して去って行った。

有利達は眞王に地球へ帰してもらおうと頼みに行くが、眞王の魔力も消耗してしまったため、有利達は地球に帰る手段がなくなってしまった。
魔力がなくなっても魔王を続ける決意をする有利。しかしふと有利は魔力が戻っていることに気付く。有利は血盟城の人々に「行って来ます」と言って水の中に入って行く。そして村田、勝利と共に地球の家へ帰って来たのだった。

『今日からマ王!』の登場人物・キャラクター

眞魔国の人々

渋谷有利(しぶやゆうり)

CV:櫻井孝宏
この作品の主人公。通称「ユーリ」。地球で高校生として普通に暮らしていたが、ある日異世界へ飛ばされ、眞魔国の魔王だと告げられる。お人好しで正義感が強く、自分がこうと決めたら一直線に突っ走る。
野球少年で西武ライオンズの大ファン。中学時代は野球をしていたが、監督と対立して野球を辞めた。高校では帰宅部となっている。
ヴォルフラムと初めて決闘をした時、剣が扱えないため、剣をバットのように使い、ヴォルフラムの剣を飛ばした。
ピンチになると魔王の力が覚醒し、髪の毛が伸びて口調が変わる。しかし本人は記憶がなく、どのように事件を解決したのか覚えていない。
眞魔国のしきたりを知らず、ヴォルフラムの婚約者となってしまったが、同性を好きなわけではない。本人は自覚がないが、人を惹きつける魅力があり、カリスマ性もある。
コンラートに貰った青い首飾りをいつも身につけている。

ウエラー卿コンラート

CV:森川智之
ツェツィーリエの次男で、通称「コンラッド」。有利の護衛を務めており、有利に何かあると真っ先に駆けつける。有利の名付け親でもあり、地球のことにも詳しい。
父親は人間であり、魔族と人間のハーフであるが、魔術は使えない。父親の資質を受け継ぎ、剣の腕は最強。
20年前の魔族と人間との戦争で眞魔国に忠誠心を示すために、最前線に出向くことを志願した。その戦争でコンラートは重傷を負ったが、戦いで勝利を収めたため眞魔国は救われた。しかしその戦争で友人のスザナ・ジュリアは亡くなった。
スザナ・ジュリアを亡くし失望していたコンラートだったが、次期魔王となる有利の魂を保護するため、有利が生まれる地球のアメリカへ向かった。そこで有利の母と出会う。その時に「7月生まれは自分の故郷ではゆうりと言う」と告げたことから、有利の名前が決まった。
優しい性格であり、部下や兄弟の事を大事に思っているが、ヴォルフラムには良く思われていない。
美形で強く、非の打ち所がないようだが、ギャグが寒いという残念なところがある。
戦争に行く前にスザナ・ジュリアに渡された首飾りを有利に渡した。

フォンビーレフェルト卿ヴォルフラム

CV:斎賀みつき
ツェツィーリエの三男で、82歳。見た目は天使のような美少年だが、性格は男らしい。わがままな性格のプリンスなため、「わがままプー」と呼ばれている。
炎の魔術が得意。人間を嫌っているため、コンラートには冷たく接する。しかし有利と接するうちに、変わっていく。
容姿は眞王にそっくりだが、騙されやすい性格。母親のツェツィーリエを慕っており、母親からも可愛がられている。
有利の事をよく「へなちょこ」と言い、それに対して有利は「へなちょこ言うな」と返す。
最初は有利の事を認めず冷たい態度だったが、有利と接するうちに有利のまっすぐな心に惹かれていく。口では文句を言いながら、つい有利に手を貸してしまう。まさにツンデレの代表である。有利が他の人と仲良くしていると、よくやきもちを焼いている。

フォンヴォルテール卿グウェンダル

CV:大塚明夫
ツェツィーリエの長男で、ヴォルテールの領主と摂政を行っている。地の災害を操る力がある。
口数が少なく、常に眉間に皺が寄っている。外見からは想像できないが、小さくて可愛いものが好き。有利からはバンドウイルカのマスコットを貰っている。
また国と家族も大事に思っており、部下にも慕われている。
趣味は編みぐるみを作ること。有利には猫の編みぐるみをあげている。
発明家のアニシナとは幼なじみで、頭が上がらず、よく実験台にされている。グウェンダルにとってアニシナは恐怖の対象だが、アニシナからは観察されている。
有利と駆け落ちしていると間違われたこともある。
周りは個性的で自由な性格の者が多いため、苦労が絶えない。

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