シジュウカラ(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『シジュウカラ』とは、坂井恵理による恋愛漫画作品。2018年から2023年まで『JOUR』にて不定期連載された。夫も息子もいる女性漫画家と、18歳年下の男性漫画家との10年間にわたる恋愛模様を描く。繊細な心理描写、性的虐待・搾取、児童虐待、貧困、ネグレクトといった社会問題を果敢に描く姿勢が評価され、第23回文化庁メディア芸術祭・審査委員会推薦作品に選ばれた。2022年には山口紗弥加、板垣李光人主演でテレビドラマ化もされた。

千秋の思わせぶりな態度を見て、忍は、「こういうの男だったら「俺に気がある?」ってカンチガイしちゃうやつかな。わきまえてますよそのへんは、女だもの、40だもの」と思う。
なぜ、「男」はカンチガイを許され、なぜ、「女」はわきまえることを求められるのか?という問いは、本作に通底するテーマといえる。

橘千秋「カバン…空っぽでいいから、帰らないでよ…」

忍と一緒に洋平から逃げるつもりで、海辺の町にやってきた千秋。しかし、忍に千秋と一緒に逃げるつもりはなく、持ってきたカバンも空っぽだった。それを知った千秋は、「カバン…空っぽでいいから、帰らないでよ…」と切なくつぶやく。

橘千秋「今から僕に証明させて、僕がどんなにあなたを愛しているか。ふたりであたらしい名作を作ろう」

千秋が忍と自分の恋愛を題材にして描いた漫画には、「今から僕に証明させて、僕がどんなにあなたを愛しているか。ふたりであたらしい名作を作ろう」というセリフがあった。このセリフを読んだ忍は千秋のもとへ急ぎ、2人はようやく結ばれることになる。

『シジュウカラ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

連載当初の予定は2巻程度

結果的に、連載期間は5年間、作中の時間は10年間という長編となった本作だが、作者の坂井恵理は、連載開始当初は2巻程度までの展開しか考えていなかった。「不倫」と「年下男性の恋」をかけあわせ、主人公は40歳の中年女性で売れないマンガ家という設定のみが決まった状態だったという。

最初は名前もなかった冬子

作中で重要な役割を果たすことになる千秋の母親冬子だが、最初は名前すら設定されていなかったという。
ドラマで酒井若菜が演じることとなり、苦し紛れにつけた名前が冬子。その後、キャラクターが膨らんでいったとのこと。

洋平の最後は作者のこだわり

担当編集者は男性で、洋平にはもう少し救いのあるラストを提案したが、普段編集者の提案は受け入れることの多い作者が、ここだけは自身のこだわりを通した。

『シジュウカラ』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):ロイ -RoE-「ニードル」

ドラマ版『シジュウカラ』の主題歌は、ロイ -RoE-の『ニードル』。
ピアスを開けるときの針(ニードル)の痛みに、女心の痛みを重ね合わせた楽曲。

ED(エンディング):SpendyMily「後悔」

エンディングテーマは、スリーピースバンドSpendyMily(スペンディーミリー)の『後悔』。
心の奥から湧き上がる感情をリアルに描いたバラード。

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