ガクサン(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ガクサン』とは2021年12月より佐原実波が『モーニング』で連載を開始し、移籍後『コミックDAYS』で連載している、学習参考書をテーマにした漫画作品である。参考書出版社に中途入社した茅野うるし。お客様ご相談係に配属され出会ったのは、クセが強い参考書オタクの福山だった。福山は社会人として問題ばかりだが参考書の知識は豊富で、うるしは振り回されながらも刺激を受ける。そんな中、うるしは福山の過去を知ることとなる。実在の参考書が紹介されることで学生や保護者、学び直しを目指す社会人からも好評を得ている。
本作品のタイトルで「学習参考書」の略。
いぶき社
主人公うるしが中途入社した中堅の参考書出版社。神保町にある創業70年の会社。設定上では会社と参考書は架空のものであるが、ストーリーには実在する会社や参考書が登場する。
お客様ご相談係
本来は、パワハラをしたとされる福山に何の業務もさせないための部署。2人体制でうるしの前任者はマニュアルノートに「早く辞めたい」と書き残していた。うるしが配属されSNSで相談業務を始めてから活気が出てきて、他部署の人からも徐々に認められるようになる。
しをり会
いぶき社のそれぞれの部署のメンバーが集められた勉強会。発足人の高校英語編集者・花山しをりの名前から「しをり会」と付けられた。いぶき社は、保守的な社員が多いため、しをりが意識が高い社員に声を掛けて始まった。今後の活動のためにも、福山の力を必要としている。
編集部
いぶき社の花形部署。編集体制は、第一編集部から第四編集部まである。第一編集部が高校文系で4名在籍。第二編集部が高校英語で6名在籍。第三編集部が高校理系で7名在籍。第四編集部が小中学全般で6名在籍。新書を作る場合、最低1年前に企画会議を実施して、ターゲット、シーズン、コンセプトを決める。企画決定後は、著者やデザイナーと作業を進めていき、校正、印刷の流れで発売される。いぶき社では、何冊も同時進行で行う。
制作部
本を作るにあたって物理的なことを主に担当している部署。資材の紙を確保したり印刷会社とのやり取りをしている。いぶき社の編集部は、制作部に印刷の進行スケジュールを管理してもらったり、実務的な面でも編集者はお世話になったりと頭が上がらない。5巻でうるしは「しをり会」のメンバーに制作部を案内してもらい、編集者は制作部に相談して目的にかなう本紙を一緒に決めてもらうことを知る。
はじめに
参考書の冒頭に記載されている「はじめに」という説明文。著者や編集者がどういう意図で本を作成したのか、どういう学習者に向いていてどのように利用すべきかが書かれている。さらに、著者の教育理念や社会への問題提起まで書いている場合もある。福山は、入社初日のうるしに参考書を知るにあたって、まず「はじめに」から始めろと教える。
潰す
参考書での勉強の3つの基礎の中で一番重要なこと。まず、解説を読み、次に問題演習を解き、最後に潰す作業を行う。参考書の間違えた問題に付箋を貼り、解説を読んで理解する。そして、後日、間違えたところを再度解き直して理解できていれば付箋を外していく。最終課程が、参考書学習の「潰す」という作業。1巻で福山は勉強で悩む男子中学生に「潰す」ことの重要性を教える。
積読 (つんどく)
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ガクサン』の概要
- 『ガクサン』のあらすじ・ストーリー
- うるしと福山の出会い
- うるしの「しをり会」加入
- 福山の気持ちの変化
- 福山の「しをり会」加入と解雇の危機
- 『ガクサン』の登場人物・キャラクター
- 主要人物 (いぶき社 お客様ご相談係)
- 茅野うるし(かやのうるし)
- 福山譲(ふくやまじょう)
- いぶき社 しをり会メンバー
- 山崎翔(やまざきしょう)
- 花山しをり(はなやましをり)
- 谷津司(やづつかさ)
- 赤城みお(あかぎみお)
- 川口吾郎(かわぐちごろう)
- 宮下七海(みやしたななみ)
- いぶき社 役員
- 柊編集局長(ひいらぎ編集局長)
- うるしの親族
- 望月あかね(もちづきあかね)
- 望月ゆかり(もちづきゆかり)
- その他の人物
- 谷津葵(やづあおい)
- 梅屋敷 /梅ちゃん(うめやしき)
- 鷺沼桃 /モモ(さぎぬまもも)
- 若山(わかやま)
- 早瀬(はやせ)
- レン
- 『ガクサン』の用語
- ガクサン
- いぶき社
- お客様ご相談係
- しをり会
- 編集部
- 制作部
- はじめに
- 潰す
- 積読 (つんどく)
- 新課程
- 改訂
- 認知特性
- 学習障害
- 学力の3要素
- 教える勉強法
- 社内横断企画室
- 『ガクサン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 福山「大学受験では、湯水のようにリソースを与えられた子と同じ土俵で戦わなければならない。それでも、だ。希望はあった。それが参考書だ」
- 福山「最初はマッチングアプリ的感覚でとっかえひっかえでも構わない。でも最終的にだいたいの人間は、一人を選んで一生ものにする。参考書との付き合い方は恋愛と同じだ」
- 福山「基本的な勉強は積み重ねたほうがいい。それは勉強がこの社会で人が自信をもって生きていくために重要だからです」
- うるし「どこに生まれてどう育ったかだけじゃなくて、参考書で独学受験して自分で積み重ねてきたもの全部がきっと大切なんです」
- 福山「最後まで参考書はあなたの味方ということです」
- 福山「経験に甘んじている奴らを参考書の力で叩きのめせ」
- 柊編集局長「これが解りたいと、みんなが憧れて買い求めてしまうような本を生み出したいんだよ」
- 『ガクサン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 福山からの評価は低いが良本もそろっているいぶき社の参考書
- 雑誌にも特集される程に大正レトロな外観のいぶき社
- 巻末の『オマケ漫画』で描かれたうるしの1日
- 福山の甘い物好きの設定
- 作者の希望で虹色になった本のカバーとカバー裏の遊び心